ダニエル・リオス
来歴
MLB時代
1993年に、マイアミ大学からニューヨーク・ヤンキースに入団し、マイナーリーグで中継ぎとして活躍。1997年に、メジャーリーグでデビューするも、この年のオフに解雇。その後、カンザスシティ・ロイヤルズに入団し、先発に転向。メジャーで5試合投げるも、1999年オフに解雇。2年間メキシコリーグでのプレーを経て、2002年、韓国プロ野球起亜タイガースに入団した。
韓国プロ野球時代
球団は本人を抑えとして使う予定だったが、抑えとしては防御率が高くシーズン中盤以後に先発に回された。先発転向後に好投を披露して、入団1年目で14勝13セーブの好成績をあげている。
2003年
シーズン当初から先発ローテーションに定着。勝敗は10勝13敗と落ち込んだものの、韓国プロ野球では史上初となる、外国人投手による2年連続二桁勝利を達成した。
2004年
17勝をあげ、最多勝のタイトルを裵英洙︵ペ・ヨンス、三星︶、ゲーリー・ラス︵当時斗山︶と分け合い、シーズンでは大活躍した。ポストシーズンゲームでは、斗山ベアーズとの準プレーオフで第1戦に先発登板。ラスとの投げ合いになったが、2回2/3で被本塁打2本を含めて6失点。敗戦投手となり、期待を裏切った。チームは準プレイオフで敗退している。
2005年
過去3年間の好調が一転し、前半戦は不振だった。7月の時点で6勝10敗と期待を裏切り、チームが最下位に低迷する原因のひとつとなった。7月に若手左腕全炳斗︵チョン・ビョンドゥ︶らとトレードされ、斗山ベアーズへ移籍した。斗山に移籍後に調子を取り戻し、マット・ランデルの2本柱で斗山の投手陣を引っ張った。移籍後に9勝をあげ、最終的にシーズンを15勝12敗で終えた。また147奪三振は、裵英洙と並ぶ最多であり、斗山の韓国シリーズ進出に貢献した。プレーオフでは1勝をあげるも、韓国シリーズでは2敗。シリーズ敗退の原因の一つにあげられた。
2006年
韓国プロ野球の外国人選手では初となる、5年目のシーズンを迎えた。この年は12勝16敗と負け越し、チームもポストシーズン進出に失敗している。
2007年
8月30日の現代戦で、韓国プロ野球の外国人選手で初の20勝をあげた。その後も2勝を加え、最終的には1990年の宣銅烈︵ソン・ドンヨル︶以来、17年ぶりとなる22勝をマークした。先発登板のみで22勝をあげたのは、韓国プロ野球元年の1982年OBベアーズの朴哲淳︵パク・チョルスン︶以来、25年ぶりの快挙であった。また、10月3日の現代戦では、あわや完全試合という投球で斗山のプレーオフ進出を決めている。22勝5敗、防御率2.07の好成績が評価され、シーズンMVP、最優秀防御率、最優秀勝率、ゴールデングラブ賞などタイトルを総なめにした。また、6年連続二桁勝利で韓国プロ野球通算90勝となり、外国人投手通算最多勝の記録を更新した。
オフに斗山側は年俸80万ドルの契約を提示したが、リオス側は保留。残留交渉は決裂し、斗山の所有名簿からはずれた。一時オリックスが獲得に意欲を示していたが、12月25日に東京ヤクルトスワローズと1年契約年俸95万ドル︵約1億830万円︶、及び一定の成績を残せば2年目の契約が自動更新となるオプション付き︵2年総額は最大で380万ドル︵約4億3300万円︶程度の見込み︶で合意し、日本でプレーすることになった。
日本プロ野球時代
オープン戦から安定した投球を見せ先発ローテーションに定着する一方で、後述のようにボークに苦しめられている。4月12日の対読売戦で来日初勝利をあげた。
エピソード
●レギュラーシーズンの活躍に比較すると、ポストシーズンの試合を苦にする傾向が見られる。2006年までのポストシーズンの成績は1勝4敗で、上述の通り所属チームの敗退の原因のひとつにあげられることが多い。レギュラーシーズンで22勝と好成績をあげた2007年は、プレーオフと韓国シリーズの第1戦に先発して2勝をあげたが、韓国シリーズの第4戦では4失点で、金廣鉉︵キム・グァンヒョン︶との投げあいに敗れている。
●2005年に起亜を退団した際、起亜がリオスの代わりに獲得したのは、2007年にヤクルトに在籍したセス・グライシンガーであり、日韓で入れ違いが続いている。
●リオスの両親はキューバ人だが、本人はスペインで生まれている。2歳の時にアメリカに移住し、大学はアメリカのマイアミ大学に入学した。母国語に加え韓国語を勉強しており、韓国プロ野球時代はチームメイトと韓国語で会話していた。3ヶ国語を操るうえに、経済書を愛読するという。
●来日後は日本野球そのものよりも、国際試合対策からの、機械的ともいえるボークのジャッジに苦しんでいる。
年度別成績
MLB成績
- マイナーリーグ:319試合35勝24敗74セーブ、防御率3.71
- メジャーリーグ:7試合0勝1敗0セーブ、防御率9.31
韓国プロ野球
年度 | 所属 | 試合 | 勝 | 負 | セーブ | 投球回 | 被安打 | 奪三振 | 四死球 | 失点 | 自責点 | 勝率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2002 | 起亜タイガース | 54 | 14 | 5 | 13 | 157 2/3 | 140 | 102 | 68 | 59 | 55 | .519 | 3.14 |
2003 | 起亜タイガース | 30 | 10 | 13 | 0 | 188 2/3 | 186 | 121 | 90 | 93 | 80 | .435 | 3.82 |
2004 | 起亜タイガース | 32 | 17 | 8 | 0 | 222 2/3 | 209 | 145 | 95 | 75 | 71 | .680 | 2.87 |
2005 | 起亜 / 斗山 | 32 | 15 | 12 | 0 | 205 1/3 | 203 | 147 | 74 | 88 | 80 | .556 | 3.51 |
2006 | 斗山ベアーズ | 33 | 12 | 16 | 0 | 233.0 | 204 | 145 | 64 | 86 | 75 | .429 | 2.90 |
2007 | 斗山ベアーズ | 33 | 22 | 5 | 0 | 234 2/3 | 191 | 147 | 74 | 69 | 54 | .815 | 2.07 |
通算 | 215 | 90 | 59 | 13 | 1242.0 | 1133 | 807 | 465 | 470 | 415 | .604 | 3.01 |
背番号
- 59(2002年~2005年)
- 45(2005年~2006年)
- 27(2007年)
- 34(2008年~)