ミニコンポ
主として日本で発展したオーディオ機器の一形態
ミニコンポ(mini compo)とはオーディオシステム(ステレオ)の一形態。登場当時と今日ではその意味するところに変遷がある。
概要
元来はレコードプレーヤー、アンプ、スピーカーなどが独立した製品として提供されるコンポーネントステレオ︵コンポはコンポーネントの省略形︶に分類され、19インチラック実装のプロ用オーディオ機器を範とした幅17インチ︵約432ミリ︶の﹁フルサイズコンポ﹂を横幅で80%程度に縮小したサイズの製品群をミニコンポと称した。ミニコンポは最初から各コンポーネントがシリーズ化され、セット販売を前提とした商品であった。そのため、コンポと名前が付いているものの、ゼネラルオーディオに分類される。
音楽パッケージの形態がLPレコードからコンパクトディスクに移行すると、横幅半分のサイズをミニミニコンポ、更に小さいものや一体型のものをマイクロコンポなどと呼ぶこともあったが、今日ではサイズにこだわらず据置型でスピーカーが分離できるオーディオシステム一般を指すことが多い。また大衆向けオーディオ機器全体の日用品化が進行した結果、ミニコンポとラジカセ等の間に明確な境界線は無くなった。
特徴
かつて、ステレオは大型の機種が多いため狭い部屋には置きづらく、各ユニットが単品販売で高価であった。1970年代にはエントリーモデルとしてスピーカー、チューナーアンプ︵カセットデッキ付き︶、アナログプレーヤーがセットになったモジュラーステレオが流行したが、1980年代前半から登場したミニコンポは省スペースであり、セット販売であるため低価格で大ヒットとなった。とはいえ、当時本体部はアンプ、ラジオ用チューナー、CDプレーヤー、カセットデッキというように各ユニットがバラバラの、いわゆる﹁セパレート型﹂で、各ユニットの幅も35cmほどの機種が多かった。そのため各ユニット間の配線が必要ではない本体一体型の機種に次第に移行していく。1990年代にアイワが低価格の一体型ミニコンポを発売して価格競争が激しくなり、ラジカセからミニコンポへ個人のオーディオシステムの主流は移っていった。同時期一方で、ケンウッド、オンキヨー、デノン、ソニーからは高級指向のミニコンポが登場し始める。これはセパレート型で価格も高めとなっており、単品売りのものもあり、かつての通常サイズのものに近い。しかし安っぽいというイメージを嫌ってか、ミニコンポとしていないメーカーが多い。また最近では、iPodに代表されるデジタルオーディオプレーヤーの普及に伴い、コンポ内のハードディスクドライブやフラッシュメモリに音楽を取り込んで、それを好きな時に聴いたり、デジタルオーディオプレーヤーへの転送が可能なミニコンポも登場している。
主なメーカー別ミニコンポの歴代シリーズ名
(★マークのつくシリーズは現在発売中のシリーズ)