「ミリオンダラー・ベイビー」の版間の差分
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→ボクシング・シーン: 『撮影』節に併合。 |
→作品の評価: en:Million Dollar Baby#Reception (2022-08-21 16:00 JST) を抄訳。 →解説: 映画/映画作品スタイルガイドに沿って他の節に併合。 |
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[[第77回アカデミー賞]]では7部門にノミネートされ、[[アカデミー作品賞|作品賞]]、[[アカデミー監督賞|監督賞]]、[[アカデミー主演女優賞|主演女優賞]]︵スワンク︶、[[アカデミー助演男優賞|助演男優賞]]︵フリーマン︶の4部門を受賞した。 しかし、これほどの成功を収めた作品でありながら、[[尊厳死]]という、極めて慎重に議論が重ねられている題材を映画の結末部分に用い、加えて前半部分が、『[[ロッキー (映画)|ロッキー]]』を連想させる<ref group="注">[[内田樹]]は『[[うほほいシネクラブ―街場の映画論]]』([[文春新書]]、[[2011年]])p.17で、『[[あしたのジョー]]』との類似性を指摘した。</ref>サクセスストーリーであったため、必ずしも万人が賞賛を送ったわけではなく、[[宗教]]や[[政治思想]]によっては強い反発を招き、各方面で抗議行動や論争が起こったという点でも大きな話題や賛否両論を提供した。▼
2000年代にアカデミー作品賞を受賞した作品では、日本では[[ブルーレイ]]化されていない唯一の作品である。▼
== ストーリー ==
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イーストウッドは、ガソリンスタンドでスワンクのキャラクターに手を振る少女として、彼の娘モーガン・コレットを出演させた<ref name="Hughes157">Hughes, p. 157</ref><ref>Fold 3 WWII Crew photos</ref>。
==
=== DVDリリース・派生作品 ===
公開当時74歳であったイーストウッドによる25番目の監督作品である本作品は、3000万ドルの中規模予算と37日という短い撮影期間で製作されながら、[[2003年]]公開の『[[ミスティック・リバー]]』に続き作品の完成度の高さと従来の[[アメリカ合衆国|アメリカ]]映画との異質性を高く評価され全米だけでも1億ドルの興行収入を記録した。さらに、第77回[[アカデミー賞]]において、[[マーティン・スコセッシ]]監督の『[[アビエイター]]』との「巨匠対決」を制し[[アカデミー作品賞|作品賞]]、[[アカデミー監督賞|監督賞]]、[[アカデミー主演女優賞|主演女優賞]]、[[アカデミー助演男優賞|助演男優賞]]の主要4部門を独占したのを始め、多数の映画賞を受賞した。▼
▲2000年代にアカデミー作品賞を受賞した作品では、日本では[[ブルーレイ]]化されていない唯一の作品である。
▲しかし、これほどの成功を収めた作品でありながら、[[尊厳死]]という、極めて慎重に議論が重ねられている題材を映画の結末部分に用い、加えて前半部分が、﹃[[ロッキー (映画)|ロッキー]]﹄を連想させる<ref group="注">[[内田樹]]は﹃[[うほほいシネクラブ―街場の映画論]]﹄︵[[文春新書]]、[[2011年]]︶p.17で、﹃[[あしたのジョー]]﹄との類似性を指摘した。</ref>サクセスストーリーであったため、必ずしも万人が賞賛を送ったわけではなく、[[宗教]]や[[政治思想]]によっては強い反発を招き、各方面で抗議行動や論争が起こったという点でも大きな話題や賛否両論を提供した。 == 作品の評価 ==
=== 映画批評家によるレビュー ===
[[Rotten Tomatoes]]では、本作は269のレビューに基づき90%の支持を得ており、平均評価は8.40/10である。「クリント・イーストウッドの確かな演出と、ヒラリー・スワンクやモーガン・フリーマンの見事な演技が相まって、『ミリオンダラー・ベイビー』は陳腐な表現を超越し、深い感動を与えてくれる」というのが同サイトの批評家の共通見解である<ref>{{cite web |url=http://www.rottentomatoes.com/m/million_dollar_baby/ |title=''Million Dollar Baby'' (2004) |work=[[Rotten Tomatoes]] |publisher=[[Fandango Media]] |access-date=April 1, 2021 }}</ref>。[[Metacritic]]では、39人の批評家によるレビューをもとにした加重平均スコアが100点満点中86点となり、「全世界で高い評価を受けている」ことが示された<ref>{{cite web |url= https://www.metacritic.com/movie/million-dollar-baby |title=''Million Dollar Baby'' Reviews |work=[[Metacritic]] |publisher=[[CBS Interactive]] |access-date=27 February 2019 }}</ref>。[[CinemaScore]]による観客の投票では、A+からFの評価で「A」を獲得した<ref>{{cite web |url= https://www.cinemascore.com/publicsearch/index/title/ |title= MILLION DOLLAR BABY (2005) A |work= [[CinemaScore]] |url-status= dead |archive-url= https://web.archive.org/web/20181220122629/https://www.cinemascore.com/publicsearch/index/title/ |archive-date= 2018-12-20 |access-date= 2018-12-20 }}</ref>。
=== 興行収入 ===
本作は米国公開時の2004年12月には、8館で限定公開された<ref name="Hughes160">Hughes, p. 160</ref>。後に本格的に公開されると、北米で12,265,482ドルを稼ぎ出し、瞬く間に国内外での興行的ヒットとなった。劇場興行収入は216,763,646ドル、米国で100,492,203ドル、その他の地域で116,271,443ドルであった。この映画は6ヵ月半の間、劇場で上映された<ref name="boxofficemojo">{{cite web |title=Million Dollar Baby (2004) |url=http://www.boxofficemojo.com/movies/?id=milliondollarbaby.htm |work=[[Box Office Mojo]] |access-date=1 January 2021 }}</ref>。
=== 受賞歴 ===
▲ **'''受賞・・・作品賞/監督賞/主演女優賞/助演男優賞'''▼
**ノミネート・・・主演男優賞/脚色賞/編集賞▼
**'''受賞・・・監督賞/女優賞(ドラマ部門)'''▼
**ノミネート・・・作品賞(ドラマ部門)/助演男優賞/音楽賞▼
**'''受賞・・・主演女優賞▼
**ノミネート・・・監督賞/助演男優賞▼
== 論争 ==
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=== スポーツライター ===
[[スポーツライター]]の中には、この映画はボクシング関係者から見れば非常に不正確で混乱させられるものだという批評もある。ボクシング・シーンは非現実的で、マギーを後ろから殴ったボクサーは本来ならプロの権利を剥奪され法廷送りになるのは明白だ、というものである。原作では試合中に起きた事故という設定になっている。しかし、医療機器の描き方が的確でないことを考慮すれば、こうした脚色はイーストウッドの﹁映画的演出﹂の一環である、との捉え方もある<ref>http://sports.espn.go.com/espn/page2/story?page=bayless/050225</ref>。 ▲===第77回アカデミー賞===
▲*'''受賞・・・作品賞/監督賞/主演女優賞/助演男優賞'''
▲*ノミネート・・・主演男優賞/脚色賞/編集賞
▲===第62回ゴールデン・グローブ賞===
▲*'''受賞・・・監督賞/女優賞(ドラマ部門)'''
▲*ノミネート・・・作品賞(ドラマ部門)/助演男優賞/音楽賞
▲===第10回放送批評家協会賞===
▲*'''受賞・・・主演女優賞
▲*ノミネート・・・監督賞/助演男優賞
== 脚注 ==
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