「レクイエム (モーツァルト)」の版間の差分
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== 作品の補筆から初演・出版 ==
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モーツァルトの死後、貧窮の中に残されたコンスタンツェは、収入を得る手段としてこの作品を完成させることを望んだ。まず、モーツァルトも高く評価していた[[ヨーゼフ・アイブラー]]が補作を進めるが、なぜか8曲目の途中までで放棄する。作業は他の弟子、[[:de:Franz Jakob Freystädtler|ヤコプ・フライシュテットラー]]およびジュースマイヤーに委ねられ、ジュースマイヤーが改めて一から補筆を行って最終的に完成させた。完成した[[総譜]]は作品を受け取りに来た使者ライトゲープを通じてヴァルゼック伯爵に引き渡され、コンスタンツェは作曲料の残りを得た。 伯爵は自分の作品であるとして、[[1793年]][[12月14日]]にウィーンのノイクロスター教会において自身の指揮でこの曲を演奏したが、コンスタンツェは手元に残した写譜から亡夫の作品として出版する。このため後に伯爵が抗議するという一幕もあったというが、モーツァルトの名声はすでに高まりつつあり、この作品はモーツァルトの作品として広く認知されるようになった。なお、{{仮リンク|ゴットフリート・ヴァン・スヴィーテン|de|Gottfried Freiherr van Swieten}}男爵の計らいで、コンスタンツェのために[[1793年]][[1月2日]]に本当の初演が行われたという説がある。 典礼の際に利用するため、﹁リベラ・メ﹂︻我を救い給え︼の補作が行われることがあった。著名なものに、[[1819年]]に[[リオ・デ・ジャネイロ]]で演奏するために作曲された[[ジギスムント・フォン・ノイコム]]によるものと、[[1827年]]の[[ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン|ベートーヴェン]]の葬儀で演奏された[[イグナーツ・フォン・ザイフリート]]によるものがある<ref>{{Cite web == 作品の概要 ==
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:'''第7曲 コンフターティス'''【呪われ退けられし者達が】 ([[イ短調]] アンダンテ 4分の4拍子 合唱)
::第5曲同様、他の補筆版では速いテンポで演奏されることが多い。
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::モーツァルトの絶筆︵8小節、"judicandus homo reus:" まで︶。9小節以降はジュースマイヤーの補筆であるが、作曲は必ずしも曲順に進められるわけではないため、後述の通り、続く第9、10曲も第3~7曲同様、旋律や和声など主要な部分はモーツァルトの作曲である。 87 ⟶ 89行目:
:'''第14曲 ルックス・エテルナ'''【永遠の光】 (ニ短調 アダージョ 4分の4拍子 ソプラノ独唱・合唱)
合唱部分は全て混声四部合唱で、四重唱はソプラノからバスまでの独唱者による。
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: イギリスの音楽学者・作曲家・弦楽器奏者{{仮リンク|ダンカン・ドルース|en|Duncan Druce}}による版。﹁モーツァルトのつもりでというよりは、モーツァルトのスタイルに共鳴し、モーツァルトの技法に精通した18世紀の有能な作曲家になったつもりで﹂補作しようとしたという。﹁涙の日﹂のモーツァルトの絶筆以降と﹁アーメン・フーガ﹂を独自に補作した。﹁サンクトゥス﹂﹁ベネディクトゥス﹂および﹁オザンナ・フーガ﹂はジュースマイヤー版の主題を基に新たに作曲しなおしている。﹁聖体拝領唱﹂の冒頭には﹁入祭唱﹂から取った器楽演奏部が挿入されている。﹁涙の日﹂の9-10小節目に、アイブラーが補筆した2小節を使用しており、﹁涙の日﹂は﹁怒りの日﹂とパラレルになるように作曲したという。 ; その他
: 主要なものとして、古いものでは[[マリウス・フロトホイス|フロトホイス]]︵[[1941年]]︶から、近年のものではTamás︵[[2005年]]<ref>{{Cite web |url =https://www.ph-publishers.com/autor_info.php?manufacturers_id=87 |title =Mozart's Requiem from Pánczél Tamás|publisher =www.ph-publishers.com |date = |accessdate =2018-11-21}}</ref>︶、Cohrs︵[[2013年]]<ref>{{Cite web |url =https://bachtrack.com/review-dortmund-mozart-requiem-benjamin-gunnar-cohrs |title =Mozart's Requiem renewed by Benjamin-Gunnar Cohrs in Dortmund |publisher =bachtrack.com |date = |accessdate =2018-11-21 }}</ref>︶、Dutron︵[[2017年]]<ref>{{Cite web |url =https://www.prestomusic.com/classical/articles/1929--recording-of-the-week-mozarts-requiem-from-rene-jacobs |title =Mozart's Requiem from René Jacobs|publisher =www.prestomusic.com |date = |accessdate =2018-11-21}}</ref>︶による版がある。また、日本人による補作としては[[鈴木優人]]による版︵[[2013年]]︶がある<ref>{{Cite web == その他 ==
本作品は弟子による補作によっているとはいえ、モーツァルトの傑作の一つとしてしばしば演奏される。演奏会だけでなく、ミサ曲本来の目的である死者の追悼のためにも使われてきた。
[[フレデリック・ショパン|ショパン]]の葬儀でも演奏され、[[1964年]]1月19日には[[カトリック教会|カトリック]]信者であったアメリカ合衆国大統領[[ジョン・F・ケネディ]]の追悼ミサ<ref group="注">1963年11月25日に行われた{{仮リンク|ジョン・F・ケネディの国葬|en|State funeral of John F. Kennedy}}とは別。</ref>でも[[エーリヒ・ラインスドルフ]] [[1989年]]7月23日にはザルツブルグ大聖堂において[[指揮者]]の[[ヘルベルト・フォン・カラヤン]]の追悼ミサで[[リッカルド・ムーティ]]指揮、[[ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団]]によって演奏が行われた<ref>{{Cite web|url=https://www.wienerphilharmoniker.at/ja/konzerte/salzburg-festivalrequiem-for-karajan/2545/ |title=Salzburg Festival/Requiem for Karajan |publisher=Vienna Philharmonic |accessdate=2023-12-17}}</ref>。
また、1991年にはモーツァルト没後200年ミサが[[ゲオルク・ショルティ]]指揮、ハンス・ヘルマン・グローエル[[枢機卿]]の司式で、ランドン版を用いて執り行われた<ref>{{Cite web |url=https://tower.jp/item/3629634/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88%EF%BC%9A-%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%A0%EF%BC%9C%E3%82%BF%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E9%99%90%E5%AE%9A%EF%BC%9E |title=ゲオルグ・ショルティ/モーツァルト:レクイエム<タワーレコード限定> |website=[[タワーレコード|タワーレコード オンライン]] |accessdate=2020-10-12 |quote=当該ページ中程左半分「収録内容」項記載内容から}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.hmv.co.jp/artist_%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88%EF%BC%881756-1791%EF%BC%89_000000000018888/item_%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%A3%E3%82%A8%E3%83%A0-%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3%EF%BC%86%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB-%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%86%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E5%A4%A7%E8%81%96%E5%A0%82%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B4%EF%BC%88DVD%EF%BC%89_1874267 |title=レクィエム ショルティ&ウィーン・フィル シュテファン大聖堂ライヴ(DVD):モーツァルト(1756-1791) |website=[[HMV#日本|HMV&BOOKS online]] |accessdate=2020-10-12 |quote=当該ページ中程左半分「商品説明」項記載内容から}}</ref>。▼
▲また、1991年にはモーツァルト没後200年ミサが[[ゲオルク・ショルティ]]指揮、ハンス・ヘルマン・グローエル[[枢機卿]]の司式で、ランドン版を用いて執り行われた<ref>{{Cite web [[アカデミー賞]]の[[アカデミー作品賞|作品賞]]はじめ8部門や[[ゴールデングローブ賞]]など多数受賞したモーツァルトを描いた映画﹃[[アマデウス (映画)|アマデウス]]﹄︵1984年︶の作中において、[[アントニオ・サリエリ|サリエリ]]にレクイエムの第7曲を口述筆記させるモーツァルトの作曲シーンがあるが、これは史実ではなくフィクションであり、サリエリとレクイエムに関わりはない。この映画にはモーツァルトの楽曲が全編に渡って多数使われているが、バイヤー版、ジュースマイヤー版の両方で録音を発表している音楽監督の[[ネヴィル・マリナー]]は、この映画では2つの版を混成で使用しており、特にモーツァルト埋葬の場面でバイヤー版の特徴が現れている。 == 脚注 ==
{{脚注の使い方}}
=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注"}}
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[[Category:絶筆作品の楽曲]]
[[Category:ニ短調]]
[[Category:1791年の
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