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{{山系
|名称=八ヶ岳
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|種類 = 火山群
}}
'''八ヶ岳'''︵やつがたけ、'''八ケ岳'''とも表記される︶は、[[山梨県]]と[[長野県]]に跨る[[山塊]]。南北30 km余りの山体で、大[[火山]]群である。[[深田久弥]]が選定した[[日本百名山]]の一つ。▼ ▲'''八ヶ岳'''︵やつがたけ、'''八ケ岳'''とも表記される︶は、[[ ﹁八ヶ岳﹂は特定の一峰を指して呼ぶ名前ではなく、山梨・長野両県に跨る山々の総称であるが、その範囲は﹁[[夏沢峠]]以南のいわゆる南八ヶ岳のみ﹂﹁南八ヶ岳及び[[北八ヶ岳]]の領域︵蓼科山を除いた領域︶﹂﹁[[蓼科山]]まで含んだ[[八ヶ岳連峰]]全体﹂など様々な定義がある。日本百名山でいう八ヶ岳は南八ヶ岳のみを指す{{efn|八ヶ岳連峰では他に[[蓼科山]]も日本百名山に選ばれている。}}。▼ ﹁八ヶ岳﹂の由来は、﹁八百万﹂などと同じように、山々が多く連なる様子から﹁たくさん﹂という意味で﹁八﹂としたとも、幾重もの谷筋が見える姿から﹁[[谷戸]]︵やと︶﹂にちなんで名づけられたとも、文字通り八つの峰に見えるからとも、複数のいわれが存在する。▼ ▲﹁八ヶ岳﹂は特定の一峰を指して呼ぶ名前ではなく、山梨・長野両県に跨る山々の総称であるが、その範囲は﹁ == 概要 ==
[[File:Yatsugatake Volcanic Chain 3D 2012 a.jpg|thumb|八ヶ岳火山列の火山体地形図]]
八ヶ岳は北の蓼科山︵標高2,530m︶から南の編笠山︵標高2,524m︶まで南北約25kmの距離におよそ20の峰が連なる火山列である<ref name="iguchi">{{Cite journal|和書 |author=井口隆 |title=八ヶ岳火山における山体崩壊と岩屑流-日本における火山体の山体崩壊と岩屑流(その2)- |journal=国立防災科学技術センター 研究報告 |year=1989 |volume=43 |pages=169-221 |month=mar |publisher=防災科学技術センター |issn= 1347-7471 |doi.org/10.24732/nied.00000989 |url=https://doi.org/10.24732/nied.00000989 |accessdate=2021-01-02}}</ref>。また、その周囲の南北60km、東西25kmの範囲に火山噴出物がみられる<ref name="iguchi" />。[[最高峰]]は[[赤岳 (八ヶ岳山系)|赤岳]]︵標高2,899m︶<ref name="iguchi" />。 南北に長い八ヶ岳は夏沢峠を境界として北八ヶ岳と南八ヶ岳に分けられ異なる山容を示す<ref name="iguchi" />。北八ヶ岳の山々は、山頂部は比較的なだらかな峰が多く溶岩流や溶岩円頂丘などをよく残しており、山麓部はひだ状に開析された火山麓が広がる<ref name="iguchi" />。北八ヶ岳では樹林帯が山稜近くまで続き湖沼も点在する。一方、南八ヶ岳の山々は、山頂部は侵食作用によって切り立った峰が連なり、山麓部には巨大な[[扇状地]]が取り囲んでいる<ref name="iguchi" />。南八ヶ岳には急峻な地形を利用した日本有数の[[ロッククライミング]]の岩場があり、また冬場は氷瀑の[[アイスクライミング]]でも知られる岩稜が中心となっている。
これらのほとんどのエリアが、[[八ヶ岳中信高原国定公園]]に指定されている。▼
この一帯は、火山地帯のため、多くの[[温泉]]を有している。火山としての八ヶ岳は歴史時代、確実な[[噴火]]記録は残っていないが、[[888年]]に北八ヶ岳の[[天狗岳]]が崩壊し、その結果、[[松原湖]]などの湖が誕生したと考えられている。崩壊の原因は噴火とも地震とも言われているが、地震、噴火とも今もって全く証拠が見つからず、大きな謎になっている<ref>{{Cite web |url=http://www.hayakawayukio.jp/opinion/888.html |title=宙に浮いてしまった888年八ヶ岳崩壊の原因 |publisher=[[群馬大学]]教育学部 [[早川由紀夫]]研究室 |accessdate=2016-11-04 }}</ref>。また歴史上の記録には残っていないが、[[北横岳]]には地質的に新しい[[溶岩]]噴出があり、最近の研究では600 - 800年前の噴出と見られている<ref>[http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/334_Yokodake/334_index.html 気象庁 | 横岳]</ref>。▼ ▲ 八ヶ岳の1200m位までは高原野菜が栽培され、また牧場が広がりその上に広葉樹林、針葉樹林、雑木帯、お花畑、荒々しい岩稜へと続く。<ref name=":0">{{Cite web|和書|title=八ヶ岳の登山を楽しむ8つの知識|url=https://yamatabitabi.com/archives/97162/|website=山旅旅|accessdate=2020-09-08|language=ja|last=登山ルート・山旅スポット}}</ref>広大な裾野には、東側の[[清里高原]]や[[野辺山高原]]、西側の[[富士見高原]]や[[蓼科高原]]などが広がっており、夏の冷涼な気候を利用して[[レタス]]や[[キャベツ]]などの高原野菜の栽培が行われている。山梨県、長野県にまたがるその裾野は、諏訪盆地、佐久盆地、甲府盆地へと広がっている。<ref name=":0" /> 山麓には[[伏流水]]が湧くため、特に西南側の裾野一帯にかけて[[縄文時代]]の遺跡が濃密に分布する。長野県側では[[井戸尻遺跡]]や[[尖石遺跡]]がある。山梨県側では縄文草創期の[[神取遺跡]]︵[[北杜市]]、旧・[[北巨摩郡]][[明野村]]︶や[[青木遺跡 (北杜市)|青木遺跡]]をはじめ、[[諸磯貝塚|諸磯式期]]の[[天神遺跡]]︵旧・[[大泉村 (山梨県)|大泉村]]︶がある。縄文中期には拠点集落が山麓地域から[[甲府盆地]]へ移るが、八ヶ岳山麓でも[[敷石住居]]群が見られる上ノ原遺跡がある。後晩期には全域的に遺跡数が減少するものの、[[金生遺跡]]︵旧大泉村︶は集落跡と祭祀施設が複合した遺跡で、縄文時代の精神文化が現れた[[配石遺構]]が見られる。 ▲なお、﹁八ヶ岳﹂の由来は、﹁八百万﹂などと同じように、山々が多く連なる様子から﹁たくさん﹂という意味で﹁八﹂としたとも、幾重もの谷筋が見える姿から﹁[[谷戸]]︵やと︶﹂にちなんで名づけられたとも、文字通り八つの峰に見えるからとも、複数のいわれが存在する。 == 主な山・峠 ==
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</div>
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|八ヶ岳火山列の地形図。<br /><small> |}
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* [[編笠山]] (2,524 m)
* [[西岳 (八ヶ岳)|西岳]] (2,398 m)
* [[三ッ頭 (八ヶ岳)|三ッ頭]] (2,580 m)
* [[権現岳 (八ヶ岳)|権現岳]] (2,715 m)
* [[赤岳 (八ヶ岳山系)|赤岳]] (2,899 m) - 最高峰
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* [[大河原峠]]
* [[蓼科山]] (2,530 m)
<!--* [[八子ヶ峰]] (1,833 m)-->
== 動植物 ==
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北八ヶ岳は[[コケ|苔]]の宝庫で、500種類近く︵日本国内で見られる苔の約4分の1︶が自生する<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXKZO44715240T10C19A5BC8000/ 島立正広﹁けなげなコケ、芽生えた愛◇八ケ岳で観察10年 珍種求め道なき道行く◇﹂]﹃[[日本経済新聞]]﹄朝刊2019年5月14日︵文化面︶2019年6月9日閲覧。</ref>。 八ヶ岳は独立した連峰である。よってここだけで進化した花、植物や樹木がある。花、植物ではヤツガタケキスミレ、ヤツガタケキンポウゲ、ヤツガタケタンポポ、ヤツガタケアザミ、ヤツガタケシノブ、樹木ならヤツガタケトウヒなど八ヶ岳の名の付くものが数多い<ref name=":0" />。 {{multiple image
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|image3=Kitayokodake-Shimagare.JPG
|width3=140
|caption3=北八ヶ岳の[[縞枯れ現象]]<br />(北横岳・標高約2,200 m)
|image4=Campanula chamissonis 17.jpg
|width4=158
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*西岳の[[菩薩]]像、石碑
*真教寺尾根、霊鷲山など修験道的な地名、その他<ref>『佐久の神社と信仰』発行信濃教育出版部全260頁中74頁 77頁1989年11月15日</ref>。
== 遺跡 ==
広大な山麓には[[旧石器時代]]、[[縄文時代]]からの国宝級の[[遺跡]]、[[土器]]、[[土偶]] [[石器]]などが[[発掘]]されている。[[野辺山]]では約1万4千年前の旧石器時代の石器が、[[南佐久郡]][[北相木村]]の[[洞窟]]からは縄文時代早期の人骨や生活用品が、それぞれ発掘されている。
[[茅野市]]の[[茅野市尖石縄文考古館|尖石縄文考古館]]には、この地方で発掘された出土品や、[[国宝]]に指定されている土偶([[縄文のビーナス]])や、仮面土偶({{ill2|仮面の女神|en|Masked Goddess}})などが展示されている。ほかには、[[富士見町]]の[[井戸尻遺跡]]、[[原村]]の[[阿久遺跡]]があり、[[和田峠 (長野県)|和田峠]]の[[黒曜石]]などもよく知られている<ref name=":0" />。
== 主な山小屋 ==
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* [[赤岳鉱泉]]
* [[本沢温泉]]
*行者小屋
*[[双子池ヒュッテ]]<ref>[http://www7a.biglobe.ne.jp/~g-factory/futago/ 双子池ヒュッテ]</ref>
==
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Tateshina07.JPG|比較的なだらかな地形の北八ヶ岳<br />([[車山]]山頂より・正面は蓼科山)
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=== 注釈 ===
{{notelist}}
=== 出典 ===
{{reflist}}
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* [[日本の名峰]]
* [[火山の一覧 (日本)]]
* {{Prefixindex|八ヶ岳}}
== 外部リンク ==
* 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
** [https://gbank.gsj.jp/volcano/Quat_Vol/volcano_data/E84.html 日本の火山 北八ヶ岳]
** [https://gbank.gsj.jp/volcano/Quat_Vol/volcano_data/E85.html 日本の火山 南八ヶ岳]
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{{デフォルトソート:やつかたけ}}
[[Category:山岳名目録]]
[[Category:八ヶ岳の山|*]]
[[Category:長野県の山]]
185 ⟶ 194行目:
[[Category:日本百名山]]
[[Category:日本の火山]]
[[Category:日本の名数8|かたけ]]
[[Category:複合火山]]
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