密告
密告(みっこく)とは、密かに告発すること。
字義的な意味
制度としての密告
歴史的には恐怖政治や軍事独裁、社会主義による政権下においては、政治批判や日常生活の不満を密告者によって集め、批判や不満を言う者を思想的に弾圧し、また国民同士が監視しあうことによって団結して国家への反駁を防ぐことが行なわれてきた。これら制度としての密告は、すでに密告が当然となった社会の中で行なわれるために﹁密か﹂という前提条件はあまり成立しないが、密告者が誰かという秘密は守られる。
密告する対象としては友人や隣人があげられるが、家族も対象となる場合があり実際ソ連や東ドイツではこの告発をもとに逮捕されたケースも存在する。
通常、密告を行えば、密告者には報奨が支払われる。このため、密告者の中には自身の安泰と報奨目当てにでたらめな告発を行う者もいる。密告がなされないままなんらかの原因で支配層に対する反乱、反抗、およびそれに類する行為が発覚した場合は、密告をしなかったことが処罰の対象になる場合がある。
近代国家ではこうした密告制度が現存している国は少ないが、大韓民国の国家保安法では、密告が義務付けられている︵誣告が確認された場合は密告者が処罰される︶。軍事政権時代、ゼミの学生から、反政府運動の計画を打ち明けられ、密告しなければ自分が罪に問われると苦悩した大学教授の逸話が残されている[要出典]。
同様に、日本の企業の中には、会社や経営幹部に不満を持つ社員を監視する目的で密告制度を設けている企業もあるという。