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'''接置詞'''︵せっちし、 |
'''接置詞'''︵せっちし、adposition︶は、[[名詞句]]と結びつき、文中の他の要素との関係を表す句を作る[[品詞]]である。'''側置詞'''︵そくちし︶とも言う。
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== 概要 == |
== 概要 == |
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[[File:Serbian Car bicycle.svg|thumb|250px|[[セル |
[[File:Serbian Car bicycle.svg|thumb|250px|[[セルボ・クロアチア語]]の例。[[具格]]支配の前置詞 s(a) の有無により文の意味が変わる。]]
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前置詞は、[[SVO型]]言語や[[VSO型]]言語など、動詞が目的語に先行する言語にしばしば見られる。ヨーロッパの諸言語や[[アラビア語]]などセム系言語が前置詞を持つ言語としてよく知られる。後置詞は、[[SOV型]]など、目的語が動詞に先行する言語にしばしば見られる。[[日本語]]の後置詞は[[助詞]]、[[中国語]]の前置詞は介詞と呼ばれる。
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名詞句の前に置く接置詞を'''前置詞'''︵ぜんちし︶、後に置く接置詞を'''後置詞'''︵こうちし︶と呼ぶ。前置詞は、[[SVO型]]言語や[[VSO型]]言語など、動詞が目的語に先行する言語にしばしば見られる。ヨーロッパの諸言語や[[アラビア語]]などセム系言語が前置詞を持つ言語としてよく知られる。後置詞は、[[SOV型]]など、目的語が動詞に先行する言語にしばしば見られる。[[日本語]]の後置詞は[[格助詞]]、[[中国語]]の前置詞は介詞と呼ばれる。
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短い語が多く、日本語では1~2拍、ヨーロッパの諸言語では1~3 [[音節]]、中国語では1音節︵すなわち1字︶が普通である。一般に弱く発音される。
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短い語が多く、日本語では1~2拍、ヨーロッパの諸言語では1~3 [[音節]]、中国語では1音節︵すなわち1字︶が普通である。一般に弱く発音される。
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ヨーロッパの[[印欧語族]]の場合、その起源は名詞の[[格]]の用法を[[補助]]するための[[副詞]]だったものが多く、したがってそれらは特定の格とともに用いられていた。後に[[格変化]]の統合・消失にともない[[格]]の機能を代行するようになる。 |
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[[ドイツ語]]のように格変化が残存している言語では、現在でも前置詞と格の間に結びつきがある。一般にはこれを﹁'''前置詞の格支配'''﹂と呼んで、前置詞が格を決定するかのように考えられているが、本来はそうではなく、あくまで格が主体である。例えば[[ロシア語]]などでは、同じ前置詞が複数の格と結びつき、同じ前置詞でもどの格の前にあるかによって意味に大きな違いが表れる場合がある。
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[[ドイツ語]]のように格変化が残存している言語では、現在でも前置詞と格の間に結びつきがある。一般にはこれを﹁'''前置詞の[[格支配]]'''﹂と呼んで、前置詞が格を決定するかのように考えられているが、本来はそうではなく、あくまで格が主体である。例えば[[ロシア語]]などでは、同じ前置詞が複数の格と結びつき、同じ前置詞でもどの格の前にあるかによって意味に大きな違いが表れる場合がある。
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[[イタリア語]]などの[[ロマンス |
[[イタリア語]]などの[[ロマンス語]]やドイツ語では、後ろに置かれた[[冠詞]]と規則的に[[前置詞と冠詞の縮約|結合]]する。例えば、in + il→nel︵イタリア語︶、zu + dem →zum︵ドイツ語︶。フランス語では必ずこの縮約を行わなければならない。また、イタリア語やフランス語では、[[属格|部分の属格]]を示す前置詞 di/de が定冠詞と結合し、部分冠詞という独特の冠詞を生んだ。
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英語やドイツ語の前置詞は、古くは後置詞であった。ドイツ語の前置詞 entlang は後置詞としても使われる他、英語 of that → thereof、ドイツ語 mit dem → damit のように、前置詞+代名詞が there またはda+ 後置詞でも表現されるのはその名残である。この表現は今日の英語では文章語だが、ドイツ語では口語でも用いられる。
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英語やドイツ語の前置詞は、古くは後置詞であった。ドイツ語の前置詞 entlang は後置詞としても使われる他、英語 of that → thereof、ドイツ語 mit dem → damit のように、前置詞+代名詞が there またはda+ 後置詞でも表現されるのはその名残である。この表現は今日の英語では文章語だが、ドイツ語では口語でも用いられる。
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== ロシア語 == |
== ロシア語 == |
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カッコ内の形は、後ろに続く単語が子音で始まるか母音で始まるか等により複数の形をとることを示す。例えば「о(об,обо)」の場合は |
カッコ内の形は、後ろに続く単語が子音で始まるか母音で始まるか等により複数の形をとることを示す。例えば﹁о(об,обо)﹂の場合は{{lang|ru|о тебе}}︵子音︶, {{lang|ru|об этом}}︵母音︶, {{lang|ru|обо мне}}︵発音しにくい子音連続︶等。
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{{lang|ru|о тебе}}︵子音︶, {{lang|ru|об этом}}︵母音︶, {{lang|ru|обо мне}}︵発音しにくい子音連続︶等。
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*{{lang|ru|без}}: ~無しで(生格支配) |
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*{{lang|ru|в(во)}}: ~へ([[対格]]支配) ~の中で(前置格支配) |
*{{lang|ru|в(во)}}: ~へ([[対格]]支配) ~の中で([[前置格]]支配) |
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*{{lang|ru|ввиду}}: ~の姿で(生格支配) |
*{{lang|ru|ввиду}}: ~の姿で(生格支配) |
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*{{lang|ru|вдоль}}: ~に沿って(生格支配) |
*{{lang|ru|вдоль}}: ~に沿って(生格支配) |