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{{出典の明記|date=2016年10月}}
{{Portal クラシック音楽}}
'''管弦楽法'''︵かんげんがくほう、オーケストレーション、{{Lang-en-short|orchestration}}︶とは、音楽上のアイディアを、最も合理的かつ効果的な方法によって[[オーケストラ|管弦楽団]]︵オーケストラ︶で表現する手段を <!-- 出典のない定義 - '''管弦楽法'''(かんげんがくほう)は、[[オーケストラ]](管弦楽)の[[楽譜]]を書くための技法のことである{{要出典|date=2013年2月}}。
[[オーケストラ]]に限らずさまざまな[[楽器]]編成の[[アンサンブル]]の楽譜を書くことを'''オーケストレーション'''([[英語]]:Orchestration)という{{要出典|date=2013年2月}}。管弦楽法とはそのための技法のことである{{要出典|date=2013年2月}}。また、管弦楽法のことを「オーケストレーション」ということがある。「オーケストレーション」の語には管弦楽法の意味が含まれるからである。
オーケストレーションにあたっては、単に演奏できればいいというだけでなく、演奏や練習がなるべく容易でありながら作曲者や演奏者の意図が十分かつ効果的に伝えられることも求められる。-->
<!--論拠?→どの音楽大学でも、時間と経費の問題からか「管弦楽法」をメソッド化して教えることはあまりなされていない。-->
== 管弦楽法の要素 ==
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{{節スタブ}}
=== 中世〜バロック期 ===
管弦楽法の歴史 [[バロック音楽]]の時代には、それまで世俗音楽で独奏楽器として用いられていた[[ヴァイオリン]]が飛躍的に改良されて、ヴィオラ・ダ・ガンバに代わって弦楽合奏の高音域に取り入れられ、ヴァイオリン中心の[[弦楽合奏]]を核とするオーケストラの基本形が出来上がった。バロック期前半の[[ヴェネツィア楽派|ヴェネツィア教会音楽]]では、古くから用いられてきたサックバットを加えた管弦楽が発達し、バロック中期以降のイタリアでは特に世俗音楽の分野でヴァイオリン音楽が非常に発達した。一方、フランスでは新たに改良された楽器である[[オーボエ]]︵[[バロックオーボエ]]︶と[[ファゴット]]︵[[バロックファゴット]]︶が加えられた。バロック中期頃には、他にもフラウト・トラヴェルソ︵[[フルート]]︶や[[トランペット]]、[[ホルン]]、[[ティンパニ]]など、現代の管弦楽でも使われる楽器の原型が形成され、続々と管弦楽に取り入れられた。また、しばらくはヴァイオリンと並んで弦楽合奏の中・低音部にはヴィオラ・ダ・ガンバや[[ヴィオローネ]]が用いられたが、ヴァイオリンの技術を応用した[[ヴィオラ]]︵ヴィオラ・ダ・ブラッチョ︶、[[チェロ]]、[[コントラバス]]が生まれて、次第に取って代わっていった。 101 ⟶ 108行目:
=== リムスキー=コルサコフ ===
[[ニコライ・リムスキー=コルサコフ|リムスキー=コルサコフ]]は、色彩的な管弦楽法 直弟子であった[[オットリーノ・レスピーギ|レスピーギ]]や[[イーゴリ・ストラヴィンスキー|ストラヴィンスキー]]も、それぞれが管弦楽法の大家として知られる。特に、ストラヴィンスキーはリムスキー=コルサコフの理論を受け継ぎつつも、﹃[[火の鳥 (ストラヴィンスキー)|火の鳥]]﹄、﹃[[ペトルーシュカ]]﹄などにおいてさらに色彩的な技法を開拓し、これらを﹃[[春の祭典]]﹄によって昇華させた。 109 ⟶ 116行目:
=== リヒャルト・シュトラウス ===
[[リヒャルト・シュトラウス]]は管弦楽法の大家としてよりも、 === ラヴェル ===
[[モーリス・ラヴェル|ラヴェル]]は﹁管弦楽の魔術師﹂という異名をとるほどの管弦楽法の大家であった。ラヴェルの管弦楽法は繊細・合理的であり、模範的な管弦楽法とされている{{要出典|date=2011年7月}}。 ラヴェルは、﹃[[ボレロ (ラヴェル)|ボレロ]]﹄においては音色の組み合わせを徹底的に追求し、管弦楽から全く新しい音色を得ることに成功している。編曲にも秀で、自作のピアノ曲を管弦楽曲に編曲したほか、[[モデスト・ムソルグスキー|ムソルグスキー]]のピアノ組曲﹃[[展覧会の絵]]﹄を管弦楽曲に編曲したものもラヴェルの実力が遺憾なく発揮されている。 === 新ウィーン楽派 ===
[[新ウィーン楽派]]([[アルノルト・シェーンベルク|シェーンベルク]]、[[アルバン・ベルク|ベルク]]、[[アントン・ヴェーベルン|ヴェーベルン]])の3人は、中小規模の作品を好んだ。初期には例えば、シェーンベルクの『[[室内交響曲第1番 (シェーンベルク)|室内交響曲第1番]]』などが挙げられる。時には[[ウィンナ・ワルツ]]を、また時には彼ら自身に限らず当時生まれたばかりの新しい音楽を、それらの中規模のアンサンブルのために編曲して演奏した(たとえばドビュッシーの『[[牧神の午後への前奏曲]]』をシェーンベルクは10人編成に編曲して、自身の企画による現代音楽の試演会で取り上げている{{要出典|date=2011年7月}})。これらは[[第一次世界大戦]]後の金のなくなった世相を反映した現代音楽において、中規模のアンサンブルが好んで取り上げられることになる下地を作った{{要出典|date=2011年7月}}。[[イーゴリ・ストラヴィンスキー|ストラヴィンスキー]]の『[[兵士の物語]]』などもその一環である{{要出典|date=2011年7月}}。
また特に[[アントン・ヴェーベルン]]は、一つの === その他の近代 ===
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シュトックハウゼンが多用したように、オーケストラ全体の音色をマイクで入力し、リングモジュレーターなど初期の[[シンセサイザー]]で変調・加工してスピーカーから出力し、オーケストラと共に用いることもある。
電子音響技術とオーケストラが密接に結びついた例として、[[IRCAM]]の研究が挙げられる。演奏行為と密接に結びつく電子音楽の活用の試みが行われており、これをライブエレクトロニクスと称する。初期には4X 1970年代には、コンピュータ技術の支援による音響の分析結果に基づく生楽器のオーケストレーションの作品が多く生まれた。中でも[[スペクトル楽派]]と呼ばれる一群の作曲家たち、特に[[ジェラール・グリゼー|グリゼー]]の代表作﹃音響空間﹄が挙げられる。 225 ⟶ 232行目:
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=== 注釈 ===
<references group="chushaku" />
=== 出典 ===
<references />
== 参考文献およびリンク ==
*管弦楽法の教本としては、以下のものが歴史的名著として知られる。
**[[エクトル・ベルリオーズ|ベルリオーズ]]/[[リヒャルト・シュトラウス]]補筆『管弦楽法』([[音楽之友社]] 2006年)
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**[[ニコライ・リムスキー=コルサコフ|リムスキー=コルサコフ]]『管弦楽法原理』(Alexander Books, ISBN 0939067730)(英語版)
**[[シャルル・ケクラン|ケクラン]]『管弦楽法』(原文フランス語。日本語版絶版)
*以下は、[[デスクトップミュージック|DTM]]の視点から管弦楽法について実践的に解説したものである。
**原田宏美『DTMで学ぶオーケストレーション入門』(音楽之友社 2002年)
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*その他、以下の書籍も参考になる。
**[[アラン・ルヴィエ]]『オーケストラ』([[白水社]] [[文庫クセジュ]])
{{DEFAULTSORT:かんけんかくほう}}
[[Category:音楽理論]]
[[Category:音楽用語]]
[[Category:
[[Category:編曲]]
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