きみさらずタワー
千葉県木更津市の太田山公園内にある塔
きみさらずタワーは、千葉県木更津市の太田山公園内にある塔。木更津市にまつわる伝説にちなんだ建築物で、塔の先端に日本武尊︵やまとたけるのみこと︶と弟橘媛︵おとたちばなひめ︶の銅像が向かい合って立つ[1]。日本の夜景100選やちば眺望100景に選定されている[2]。
きみさらずタワー Kimisarazu Tower | |
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情報 | |
用途 | 展望台 |
建築主 | 木更津市 |
事業主体 | 木更津市 |
管理運営 | 木更津市 |
高さ | 28 m |
竣工 | 1992年(平成4年) |
開館開所 | 1992年(平成4年) |
所在地 |
〒292-0044 千葉県木更津市太田二丁目16-2 太田山公園内 |
座標 | 北緯35度22分46.7秒 東経139度56分15.6秒 / 北緯35.379639度 東経139.937667度座標: 北緯35度22分46.7秒 東経139度56分15.6秒 / 北緯35.379639度 東経139.937667度 |
概要
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1992年︵平成4年︶3月にふるさと創生事業を導入し、木更津市の市制施行50周年記念に建設された[3][4]。
標高44 mの太田山山頂に立ち[5]、展望所の高さは11.7 m、タワーの高さは28 mである[6]。木更津市の街中にありながら、360度の風景を眺めることが可能で[7]、展望台からは木更津市街のみならず、東京湾まで一望でき[8]、対岸に東京タワーや横浜ランドマークタワーも見ることができる[7]。天気が良ければ新宿副都心まで見渡せるという[9]。タワーから西方向に見える長須賀地区の水田地帯は、前方後円墳や金鈴塚古墳など巨大な古墳が並んでいた[10]︵祇園・長須賀古墳群︶。
タワーは駐車場から見上げると船の形に見える[7]。これは、江戸時代に江戸と木更津の間で物資の往来に用いられた木更津船をイメージして造られたものである[9]。剣の形と紹介されることもある[11]。
塔の名前﹁きみさらず﹂は、木更津市が市名の由来として広めている日本武尊と弟橘媛の悲恋伝説にちなんでいる[11]。この悲恋伝説というのは後世の創作であり、其の出典を詳らかにせず吉田東伍著﹃大日本地名辞書﹄は、愈︵いよいよ︶惑へり[12]と断罪しているが[13]、﹃木更津市史﹄では、木更津市にとっては捨てがたいとしているものである[14]。﹃日本書紀﹄は、日本武尊の東征において、相模から上総に渡ろうとした際突然暴風が起こって海が荒れたので、弟橘媛が身代りに海に入ると暴風はすぐに止み船は無事岸につけられた、こうして日本武尊は上総より転じて陸奥国に入られた、そのとき大きな鏡を船に掲げて、海路をとって葦浦を廻り玉浦を横切って蝦夷の支配地に入られた[15]、とするが、悲恋伝説ではこの時日本武尊は弟橘媛の運命を悲しみ、しばらくこの地を去らなかったことから、後に﹁君不去﹂︵きみさらず︶と名付けられ、木更津に変化した、とされる[14]。しかし、実際には﹁木更津﹂の地名の由来は、アイヌ語の﹁キサラ﹂︵﹁耳﹂︶にちなむという説やキサゴ貝にちなむという説などが出されており、いまだに確定はしていないが、日本武尊や弟橘媛にちなむわけではない[16]。
夜景
編集交通
編集脚注
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(一)^ abちばぎんコンピューターサービス"きみさらずタワー"infoちば、2009年1月9日︵2011年9月25日閲覧。︶
(二)^ 千葉県教育庁教育振興部文化財課文化財保護室"眺望100景とちば遺産・ちば文化的景観/千葉県 Archived 2012年8月9日, at the Wayback Machine."2010年12月16日︵2011年9月26日閲覧。︶
(三)^ 鶴岡大治"きみさらずタワーとふるさと創生と基準財政需要額"2008年1月15日︵2011年9月25日閲覧。︶
(四)^ ab千葉観光web辞典"太田山公園 Archived 2012年10月30日, at the Wayback Machine."︵2011年9月25日閲覧。︶
(五)^ abロイヤルヒルズ木更津ビューホテル"木更津市街の代表的で施設の多い公園の太田山公園︵おおだやまこうえん︶ Archived 2012年3月14日, at the Wayback Machine."︵2011年9月26日閲覧。︶
(六)^ abWinriver"きみさらずタワー"︵2011年9月25日閲覧。︶
(七)^ abcd夜景倶楽部"千葉県木更津市の夜景"︵2011年9月25日閲覧。︶
(八)^ 東京湾観光連盟"東京湾観光連盟/伝説と情緒の街﹁きさらづ﹂"︵2011年9月25日閲覧。︶
(九)^ abイーエスケー"太田山公園 きみさらずタワー[リンク切れ]"2009年12月18日︵2011年9月25日閲覧。︶
(十)^ 千葉県教育庁教育振興部文化財課文化財保護室"眺望100景とちば遺産・ちば文化的景観[リンク切れ]"2010年12月16日︵2011年9月26日閲覧。︶
(11)^ abc木更津市観光協会"歴史通り Archived 2012年4月15日, at the Wayback Machine."︵2011年9月25日閲覧。︶
(12)^ 吉田東伍 ﹃大日本地名辞書 第六巻 坂東﹄ 冨山房、明治36年、 600ページ
(13)^ 楠原佑介 ﹃日本の地名 由来のウソと真相﹄ 河出書房新社、2015年、 ISBN 978-4-309-22627-9、66ページ
(14)^ ab木更津市史編集委員会 1972, p. 3.
(15)^ 宇治谷孟 ﹃日本書紀︵上︶全現代語訳﹄ 講談社、1988年、 ISBN 4-06-158833-8、 168ページ
(16)^ 木更津市史編集委員会 1972, p. 133.
(17)^ “夜景100選|日本初の夜景による認定ブランド”. yakei.jp. 2019年2月2日閲覧。
(18)^ 東日本旅客鉄道"えきねっと︵JR東日本︶|太田山公園︵千葉県︶ Archived 2011年7月8日, at the Wayback Machine."