アサバスカ諸語
北アメリカ西部の先住民の言語
アサバスカ諸語︵Athabaskan languages︶は、北アメリカ西部︵カナダおよびアメリカ合衆国︶に住むアメリカ先住民の言語。デネ諸語ともいう。ナ・デネ語族に属し、同語族の中で特に大きいグループである。またイヤック語︵死語︶とまとめてアサバスカ・イヤック諸語と呼ばれることもある。話者数の多い言語としてはナバホ語がある。
アサバスカ諸語 | |
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話される地域 | 北アメリカ西部 |
言語系統 | デネ・エニセイ語族?
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下位言語 | |
ISO 639-2 / 5 | ath |
ISO 639-5 | ath |
Pre-contact distribution of Na-Dené languages (Athabaskan + Eyak + Tlingit) |
アサバスカ諸語は次の三つのグループに分けられる。
●北部アサバスカ諸語︵Northern Athabaskan︶- アラスカ、カナダ西部
●太平洋岸アサバスカ諸語︵Pacific Coast Athabaskan︶- オレゴン、カリフォルニア
●南部アサバスカ諸語︵アパッチ諸語、Southern Athabaskan/Apachean︶- アリゾナ、ニューメキシコ等、合衆国南西部‥ナバホ語などを含む。
文法的には、動詞に多数の接辞がつく複総合的言語である。また他のナ・デネ語族とも共通の特徴として、動詞の接頭辞である"Classifier"︵類別詞︶があり、これは動詞が表す動作等の種類や、態や結合価などを表す。
アサバスカという名称はアサバスカ湖の名にちなむが、この地名はクリー語︵アルゴンキン語族︶に由来し、アサバスカ諸語とは関係ない。デネあるいはディネ︵Dene︶はアサバスカ諸語での自称である。