弱超電荷
(ウィークハイパーチャージから転送)
概要
編集定義
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ゲージ群 SU(2)×U(1) の U(1) の部分に対応するゲージ変換の生成子である。
ヤン=ミルズ理論に従い、共変微分を
と書いたときのYW が弱超電荷︵ウィークハイパーチャージ︶である。
対応するゲージ場Bは SU(2) に対応するW3 と混合することで、観測されるZボソンおよび量子電磁力学の光子を生成する。
弱超電荷YW の実際の量子数は中野・西島・ゲルマンの法則との類推で
を満たすように定義される。
ここで、Qは電荷︵素電荷を単位とする︶で、T3 は弱アイソスピンの第三成分である。
U(1) の生成子の絶対値には意味がなく、
と定義することもある[2]。
こちらの定義では共変微分に余計な係数が出てこない。
アノマリー
編集標準模型では U(1) のアノマリーが、クォークとレプトンで相殺されている。 アノマリーの相殺のためにクォークとレプトンは同じ世代数が必要である。 これは標準模型の枠内では全くの偶然であり、理論がより大きな対称性に埋め込まれている可能性を示唆しており、大統一理論の根拠の1つとなっている。
バリオン数とレプトン数
編集弱超電荷とバリオン数 - レプトン数 (B−L )は次の関係式が成り立つ:
ここで、XはGUTに関連した保存する量子数である。弱超電荷もまた保存するので、B - Lもまた標準模型および多くの拡張モデル内で保存することを示唆する。
脚注
編集参考文献
編集- 内山龍雄『一般ゲージ場論序説』岩波書店、1987年。ISBN 4-00-005040-0。
- J. F. Donoghue, E. Golowich, B. R. Holstein (1994). Dynamics of the standard model. Cambridge University Press. ISBN 0521476526
- M. E. Peskin; D. V. Schroeder (1995). An Introduction to Quantum Field Theory. Westview Press. ISBN 978-0-201-50397-5