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エリダヌス座デルタ星

エリダヌス座の恒星

エリダヌス座δ星（エリダヌスざデルタせい、δ Eridani、δ Eri）は、エリダヌス座にある3.54等の恒星である。

エリダヌス座δ星
δ Eridani
星座 エリダヌス座
見かけの等級 (mv) 3.54[1]
変光星型 疑わしい
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  03h 43m 14.9005379551s[2]
赤緯 (Dec, δ) −09° 45′ 48.210955899″[2]
視線速度 (Rv) -6.230 ± 0.0001 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: -93.634 ± 0.200 ミリ秒/年[2]
赤緯: 744.360 ± 0.158 ミリ秒/年[2]
年周視差 (π) 110.0254 ± 0.1944ミリ秒[2]
（誤差0.2%）
距離 29.64 ± 0.05 光年[注 1]
（9.09 ± 0.02 パーセク[注 1]）
絶対等級 (MV) 3.747

エリダヌス座δ星の位置（丸印）

物理的性質
半径 2.328 R☉[3]
質量 1.215 M☉[3]
表面重力 6.0 G[3][注 2]
自転速度 0.7 km/s[4]
スペクトル分類 K0 IV[5]
光度 3.19 L☉[3]
有効温度 (Teff) 5,074 K[6]
色指数 (B-V) 0.92[1]
色指数 (U-B) 0.67[1]
金属量[Fe/H] 0.13[6]
年齢 6.2 ×109 年[3]
他のカタログでの名称
Rana[7], ラナ[8], エリダヌス座23番星[1], Gaia DR3 5164120762333028736[1],BD-10 728[1], HD 23249[1], HR 1136[1], IRC -10050, GJ 150[1], HIP 17378[1], SAO 130686[1]
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特徴

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エリダヌス座δ星は太陽系に近く、約30光年の距離にある[1]。準巨星段階にあるため、核では水素を使い果たしているとみられる。そうなると、恒星は主系列段階よりも膨張し、表面温度が下がる。

視線速度法に基づく太陽系外惑星の捜索も行われたが、2017年現在惑星の存在は検出されていない[9][10]。

変光

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10日程度の周期で0.02等級明るさが変わる変光が観測され、当初りょうけん座RS型変光星に分類された[11]。しかし、その後の観測では、変光の振幅がそれ程ではないことがわかり、更にカルシウムイオンのH・K輝線が非常に弱く、連星である証拠も発見されないことから、最近では変光星であるかどうか疑わしいとされている[3][12]。

名称

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ラテン語で﹁蛙﹂を意味する、ラナ[8]︵Rana[1]︶という固有名を持つ[13]。これは、ジュゼッペ・ピアッツィがいわゆる﹃パレルモ星表﹄の中でラテン語で﹁2番目のカエル﹂を意味する﹁Rana Secunda﹂と命名したことに由来している。星名研究として名高いドイツのパウル・クーニッチは、ピアッツィがアラビア先住民の風習から盗用したものであるとしている[13]。20世紀になって、アントニーン・ベチュヴァーシュのスカルナテ・プレソ星図︵1951年︶[注3]や、Ellen Dorrit Hoffleitの輝星星表第4版で省略形の﹁Rana﹂として紹介されてこの名前が広められた[13]。2022年4月4日、国際天文学連合 (IAU) の星名に関するワーキンググループ (WGSN) はRanaをエリダヌス座δ星の固有名として認証した[7][13]。

中国では、天帝の牧場を意味する天苑︵拼音: Tiān Yuàn︶という星官が、エリダヌス座δ星、エリダヌス座γ星、エリダヌス座π星︵英語版︶、エリダヌス座ε星、エリダヌス座ζ星、エリダヌス座η星、くじら座π星、エリダヌス座τ1星、エリダヌス座τ2星、エリダヌス座τ3星、エリダヌス座τ4星、エリダヌス座τ5星、エリダヌス座τ6星、エリダヌス座τ7星、エリダヌス座τ8星、エリダヌス座τ9星から形づくられる。エリダヌス座δ星自身は、天苑三︵拼音: Tiān Yuàn sān︶、つまり天苑の3番星と呼ばれている[14]。

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差（秒）より計算、光年は1÷年周視差（秒）×3.2615638より計算
  2. ^ 出典での表記は、 
  3. ^ いわゆる「ベクバル星図」。

出典

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(一)^ abcdefghijklmn"Del Eri". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年6月26日閲覧。

(二)^ abcdeGaia Collaboration. “Gaia DR3 Part 1. Main source”. VizieR On-line Data Catalog: I/355/gaiadr3. Bibcode: 2022yCat.1355....0G. https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ62b7a60015188c&-out.add=.&-source=I/355/gaiadr3&-c=055.81166330752%20-09.76008366407,eq=ICRS,rs=2&-out.orig=o. 

(三)^ abcdefThévenin, F.; et al. (2005-06), “VLTI/VINCI diameter constraints on the evolutionary status of δ Eri, ξ Hya, η Boo”, Astronomy & Astrophysics 436 (1): 253-262, Bibcode: 2005A&A...436..253T, doi:10.1051/0004-6361:20042075 

(四)^ Bruntt, H.; et al. (2010-07), “Accurate fundamental parameters for 23 bright solar-type stars”, Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 405 (3): 1907-1923, arXiv:1002.4268, Bibcode: 2010MNRAS.405.1907B, doi:10.1111/j.1365-2966.2010.16575.x 

(五)^ Keenan, P. C.; Pitts, R. E. (1980-04), “Revised MK spectral types for G, K, and M stars”, Astrophysical Journal Supplement Series 42: 541-563, Bibcode: 1980ApJS...42..541K, doi:10.1086/190662 

(六)^ abSantos, N. C.; Israelian, G.; Mayor, M. (2004-03), “Spectroscopic [Fe/H] for 98 extra-solar planet-host stars. Exploring the probability of planet formation”, Astronomy & Astronomy 415: 1153-1166, Bibcode: 2004A&A...415.1153S, doi:10.1051/0004-6361:20034469 

(七)^ ab“IAU Catalog of Star Names (IAU-CSN)”. WGSN. IAU (2022年4月4日). 2022年6月26日閲覧。

(八)^ ab原恵﹃星座の神話 - 星座史と星名の意味﹄︵新装改訂版第4刷︶恒星社厚生閣、2007年2月28日、217頁。ISBN 978-4-7699-0825-8。 

(九)^ Zechmeister, M.; et al. (2013-04), “The planet search programme at the ESO CES and HARPS. IV. The search for Jupiter analogues around solar-like stars”, Astronomy & Astrophysics 552: A78, Bibcode: 2013A&A...552A..78Z, doi:10.1051/0004-6361/201116551 

(十)^ Howard, Andrew W.; Fulton, Benjamin J. (2016-11), “Limits on Planetary Companions from Doppler Surveys of Nearby Stars”, Publications of the Astronomical Society of the Pacific 128 (969): 114401, Bibcode: 2016PASP..128k4401H, doi:10.1088/1538-3873/128/969/114401 

(11)^ Fisher, G. F.; et al. (1983-01-05), “Delta Eridani: a Very Bright New Variable Star”, Information Bulletin on Variable Stars 2259: 1, Bibcode: 1983IBVS.2259....1F 

(12)^ Eaton, J. A.; Poe, C. H. (1985-04-24), “Limits on the Variability of epsilon Eridani and delta Eridani”, Information Bulletin on Variable Stars 2712: 1, Bibcode: 1985IBVS.2712....1E 

(13)^ abcd“Annual Report WGSN 2021”. WGSN. IAU. 2022年6月26日閲覧。

(14)^ ︵中国語︶“AEEA 天文教育資訊網　中國古代的星象系統 (73)‥ 昴宿天區”. 國立自然科學博物館 (2006年7月4日). 2017年10月24日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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座標:   03h 43m 14.90088s, −09° 45′ 48.2084″

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