元期
主に天体観測や測量において、時間的な起点をいう用語
(J2000.0から転送)
天体観測における元期
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主に、彗星や小惑星、衛星などの軌道計算の起点を示すのに用いられる。
軌道要素がいつ観測されて得たものかを示し、通常は、西暦とその年の1月1日から何日過ぎたかで表される︵例‥2006年1月1日UT︶。
特に、彗星や小惑星など他の惑星などの引力の影響を受け、軌道が変化しやすい天体の観測に用いられることが多い。特に、彗星観測などでは、観測毎に軌道が変化するため、長期的な軌道を算出することが困難である。このため、元期が最新の物を使用することにより、より観測時に正確に近い軌道を知ることができる。
歴史的には、元期は、1900年、1950年、2000年︵J2000.0︶のそれぞれ1月1日の12時︵正午︶が用いられることが多い。
測量における元期
編集地殻変動による位置座標の歪みを修正するために導入されたセミ・ダイナミック補正では、測量成果の基準日を元期という。元期に対して観測を行った時点を今期(こんき)と呼ぶ[1]。
2023年現在で公開されている日本の「測量成果2011」における元期は、おおむね東日本では2011年5月24日、西日本では1997年1月1日である。
コンピュータにおける元期
編集詳細は「元期 (コンピュータ)」を参照
Unixにおける元期
編集Unixでは協定世界時1970年1月1日の0時0分0秒が元期と定められている[2]。UNIX時間はこの元期からの秒数である。
Classic Mac OSにおける元期
編集Classic Mac OS(およびMacintosh File System、HFS、HFS+)では協定世界時1904年1月1日の0時0分0秒が元期と定められている[注釈 1]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ [1] セミ・ダイナミック補正 国土地理院
- ^ “Definitions”. IEEE及びThe Open Group (2018年). 2020年7月12日閲覧。