オールトの雲

太陽系を取り巻く無数の小天体から成る理論上の構造

オールトの雲(オールトのくも、Oort cloud)あるいはオールト雲(オールトうん)とは、太陽系の外側を球殻状に取り巻いていると考えられている理論上の天体群である。

オールトの雲とエッジワース・カイパーベルトの想像図。
ボイジャー1号の位置と太陽からグリーゼ445までのauを表した図。中間辺りにあるのがオールトの雲。
左上から時計回りに木星までの軌道、冥王星までの軌道、セドナの軌道、オールトの雲。
太陽系外縁天体
エッジワース
・カイパー
ベルト

(海王星との
軌道共鳴
(3:4)
冥王星族 (2:3)
(3:5)
キュビワノ族 ( - )
(1:2)
散乱円盤天体
オールトの雲
類似天体 ケンタウルス族
海王星トロヤ群
彗星遷移天体
関連項目 準惑星冥王星型天体
太陽系小天体
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名称はオランダ天文学者ヤン・オールトが、1950年長周期彗星非周期彗星の起源として提唱したことに由来する[1]。存在を仮定されている天体は、一酸化炭素二酸化炭素メタンなどのが主成分であると考えられている。

概要

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1au()10au1.58

1×10121[2]

200749[3]

ÖpikOort cloud

オールトの雲に含まれる可能性のある天体

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長周期彗星・非周期彗星

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[4]

2004C/2004 YJ3524,300au1134[5]

小惑星

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パロマー天文台2003年に発見されたセドナ準惑星候補の天体の一つ)は、オールトの雲に属する天体であるとする説があったが、その後の観測で遠日点が最大でも924auであることがわかったため、オールトの雲は1万auよりずっと内側まで広がっている(内オールトの雲という)とする説と、セドナはオールトの雲の天体ではないとする説とが対立している。同様に遠日点が数百から数千auという小天体は他にも数個発見されているが、セドナほど大きいものはない。

惑星質量天体

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199915,000au4180200912

他の恒星の影響

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637101501[6]



752,000au0.250.82200

オールトの雲に関連した作品

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脚注

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  1. ^ J.H.Oort, 1951, The Observatory Vol.71, No.863, 129-144
  2. ^ de Pater and Lissauer, Planetary Sciences, Cambridge University Press, 2001, ISBN 0-521-48219-4
  3. ^ 国際天文学連合における惑星の定義及び関連事項の取扱いについて (PDF)
  4. ^ 『宇宙がまるごとわかる本』P52 宇宙科学研究倶楽部
  5. ^ 『天文年鑑』2006年版(誠文堂新光社)より
  6. ^ ヒッパルコス衛星によるオールト雲と星の関係

関連項目

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外部リンク

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