カルスト地形

石灰岩などでできた大地が水に溶食されることで生じる地形
カルスト台地から転送)

: Karst

殿


概説

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ロシア連邦ボグドゥー・バスクンチャク自然保護区英語版のシンギングロック。風が流れ込むと音を発する。

CaCO3

湿/

語源

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CarusadusCarsusKrasKarstCarso1893Das Karstphänomen使[1]

地表地形

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チョコレートヒルズの円錐カルスト



[2]湿


ドリーネ

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沿doline: ; sinkhole10m1,000m2m100m[3][4]

uvala: ; : 

沿

ピナクルとカッレンフェルト

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羊群原の石灰岩柱(平尾台

[5] / [6];  pinnacle

karren; karrenfeld

カルスト台地

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秋吉台のカルスト地形

西西西西

10.21.2m[7]10.50.6m[8]




カルスト谷

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: : 

: : 

: : 

: : 

ポリエ

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polje; km
 
1985.7.6
 
 2015.7.12

湿1

カルスト泉

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: 

: 

: [9]

3

: 

: 沿


: 1

: ()

: 

: 


: [10]

: 

: 

: 

沈水カルスト

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小笠原南島沈水カルスト地形の空中写真(国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成)

沿沿沿20143[11][4]

石膏カルスト

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0.2g/100ccOptymistychna Cave230km/200520m2km



CaSO4  Ca2+ + SO42-

化石カルスト

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古カルストとも。過去に生じ、現在はそのカルスト化作用が停止しているカルスト地形をいう。例えば、降水がほとんどない砂漠気候下にあるカルスト地形は過去の湿潤な気候の元で発達した化石カルストである。また、過去に生じたカルスト地形がより新しい時代の地層に被覆され、保存されているものも化石カルストである。

後者の例としては、中新世海成層備北層群)によって被覆され、後に同層が削剥されたという地史をもつ吉備高原[12]にある帝釈台阿哲台は化石カルストの性格を併せもつものともいえるが、詳細はよく分かっていない。

鍾乳洞の多くは、地下川による活発な洞窟形成作用が働いているものを除けば、その多くは化石カルストといえる。

偽カルスト

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炭酸塩岩類(石灰岩白雲岩など)や蒸発岩類(石膏岩、岩塩など)以外の非溶解性の岩石等にもカルスト地形に似た凹地や洞穴、溶食性の微地形が見られることがあって、地下水系が発達することがある。これらを偽カルスト(擬似カルストとも)という。次のような岩石や土壌等の地帯に見られ、寒冷カルスト、氷河カルスト、レスカルスト、蛇紋岩カルストなどの語がある。

地下地形(石灰洞;鍾乳洞)

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鍾乳洞(シュコツィアン洞窟群

カルストの地下地形が発達していく過程には、大きく3つの過程がある。第一の過程は、石灰岩の割れ目に沿って流れる地下水の作用で溶食が進み、洞窟空間ができていくものである(石灰洞の形成)。第二の過程は、地下水中に溶けた石灰分が洞窟内において晶出し、石灰分からなる特異な沈殿物(広義の鍾乳石)が生じ、洞窟が装飾されていく過程である(鍾乳洞の形成)。第三の過程は、年齢を重ねた洞窟が終末期を迎え、崩壊していく過程である。

溶食過程

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H2OCO2H2CO3CaCO3沿



CaCO3 + CO2 + H2O  Ca(HCO3)2

Ca(HCO3)2

Ca(HCO3)2 Ca2+ + 2HCO3-

/H2SO4H2S

CaCO3 + H2SO4  Ca2+ + SO42- + H2O + CO2

3

(一)穿ponor;  / swallow hole

(二)沿沿: 

(三)沿: 

沈殿(装飾)過程

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0.04%殿

殿

Ca(HCO3)2 CaCO3 + CO2 + H2OCa2+ + 2HCO3- CaCO3 + CO2 + H2O



: 

: 

: [20][3][3][21][22]
[23]

: 

: 

: 

崩壊過程

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天然橋の唐門(帝釈峡



: 鹿

: 

: 

洞窟の分類

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鍾乳洞の調査・探検

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カルスト地形の例

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日本

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: 

: 









鹿


日本国外

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脚注

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  1. ^ Slovene Classical Karst - Kras -, pp.11-14;ZRC SAZU, Ljubljana, 1997
  2. ^ 秋吉台の自然観察, p.88;秋吉台科学博物館, 1984
  3. ^ a b c 地形学事典;二宮書店, 1981
  4. ^ a b 日本の典型地形について 3.地質を反映した地形 国土地理院
  5. ^ 「石灰岩柱」は、洞窟内において溶食から溶け残った残柱状の壁(柱石)、あるいは鍾乳石と石筍が繋がった柱状の洞窟生成物を指す用語としても用いられる。
  6. ^ 秋吉台学術調査報告書;山口県教育委員会, 1957
  7. ^ Karst Geomorphology by J.N.Jennings, 1985. Blackwell.
  8. ^ 洞窟学雑誌, 30巻, 2005. 日本洞窟学会
  9. ^ 大分地質学会誌特別号, no.5, 1999
  10. ^ 日本の天然記念物, 1995. 講談社
  11. ^ 3次元海底地形図が完成 名蔵湾の沈水カルスト 八重山毎日新聞、2014年8月28日
  12. ^ 日本の地形6 近畿・中国・四国, 2004. 東京大学出版会.
  13. ^ 洞窟研究, no.4, 1971. 山口ケイビングクラブ
  14. ^ 富士宮市立郷土資料館調査報告書, no.2, 1991. 裾野市教育委員会
  15. ^ 裾野市文化財調査報告, no.5, 1992. 裾野市教育委員会
  16. ^ 北九州市文化財調査報告書, no.67, 1995, 北九州市教育委員会
  17. ^ 地学研究, vol.13, no.10, 1963. 日本地学研究会
  18. ^ 鎌田泰彦教授論文選集, pp.299-307. 1991. 鎌田泰彦教授退官記念事業会
  19. ^ 鹿児島県立博物館研究報告, no.12. 1993
  20. ^ 新版地学辞典Ⅲ, p.314;古今書院, 1973
  21. ^ 新版地学事典, p.686;平凡社, 1996
  22. ^ カルスト-その環境と人びとのかかわり-;大明堂, 1996
  23. ^ 秋吉台の鍾乳洞-石灰洞の科学-, 1980. 河野通弘教授退官記念事業会

関連項目

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外部リンク

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