カンタベリー大主教
カンタベリー大聖堂を主教座とするイギリス国教会の大主教
概要
編集
イギリス国教会とその世界的組織である聖公会︵アングリカン・コミュニオン︶の最上席の聖職者である。イングランドの大主教の間では、次席はヨーク大主教となる。
カンタベリー大主教は、カンタベリー管区総監督︵the Metropolitan of the Province of Canterbury︶ならびに全イングランドの首位聖職︵the Primate of All England︶である。カンタベリー大主教区自体は、東ケントを範囲とする。カンタベリー大主教は、ヨーク大主教、他の24名の主教とともに、大主教職にある間、貴族院の議員となる。カンタベリー大主教の公邸はロンドンのランベス宮殿で、カンタベリーではオールド・パレスである。
元来はローマ・カトリック教会のカンタベリー大司教であった。初代のカンタベリー大司教は、597年にケントに到着したアウグスティヌス︵ヒッポのアウグスティヌスとは別人︶であり、以来カンタベリー大主教職は﹁聖アウグスティヌスの椅子﹂の異名を持つ。
ヘンリー8世がローマ教皇庁から離脱し、イギリス国教会を創設して以来、イングランド王︵後にはイギリス王︶に選任される。現在では、国王︵ないし女王︶の名により指名されるものの、実際の選任はイギリス首相により、聖職者と信徒からなる委員会が選んだ2名の候補から選択される。20世紀以降は、高教会派と低教会派から1名ずつが候補となる。