ガルガンチュワとパンタグリュエル
フランス・ルネサンス期の人文主義者フランソワ・ラブレーが著した物語
﹃ガルガンチュワとパンタグリュエル﹄︵ガルガンテュアとパンタグリュエル、Gargantua, Pantagruel︶とは、フランス・ルネサンス期の人文主義者フランソワ・ラブレー︵François Rabelais︶が著した物語﹃ガルガンチュワ物語﹄﹃パンタグリュエル物語﹄のこと。
ドレの挿画[1]、サラダと一緒に旅人を食べるパンタグリュエル
ガルガンチュワ︵ガルガンチュア[2]、ガルガンテュアとも︶、パンタグリュエルという巨人の一族を巡る物語である。第二之書・第一之書はアルコフリバス・ナジエ︵Alcofribas Nasier︶という筆名︵ラブレーのアナグラム︶で、第三之書以降は本名で刊行した。1532-1552年に4巻までが出版された。ラブレーの死後に第5巻が刊行されたが、偽書説もある。
﹃ガルガンチュワ物語﹄の方が執筆・出版とも後だが、内容的にみて﹁第一之書﹂と呼び、﹃パンタグリュエル物語﹄を﹁第二之書﹂と呼ぶ。
概要
編集評価・影響
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既存の権威を風刺する内容であったため、1543年、パリ大学により禁書目録に掲載された。
オノレ・ドーミエの風刺画、ガルガンチュア (1831年)
1831年、﹃ガルガンチュア﹄は、フランスの画家オノレ・ドーミエ (1808-1879) によって、フランス国王ルイ・フィリップの風刺画の題材にされた。
玉座に座る国王が貧しい市民から金を吸い上げる様子を、メタファーとして描いている。
この金権腐敗を風刺したリトグラフは、政府の検閲が入り、掲載した新聞は即座に発行が中止された。新聞の発行責任者シャルル・フィリポンとドーミエは、1832年2月に裁判を受け、国王を侮辱した罪で禁固6か月、罰金300フランの刑に処せられた[3]。
日本語訳
編集脚注
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(一)^ ドレ画による﹃異説ガルガンチュア物語﹄︵谷口江里也解説、未知谷 2018年︶がある
(二)^ 徳井淑子﹃色で読む中世ヨーロッパ﹄講談社、2006年、44頁。ISBN 978-4-06-258364-0。
(三)^ “︽ガルガンチュア︾画家:オノレ・ドーミエ”. MUSEY. 2022年7月4日閲覧。
(四)^ 渡辺訳は、岩波書店で単行判︵1984年︶、ワイド版岩波文庫︵1991年︶が刊行
(五)^ 渡辺訳は1964年度︵第16回︶に、宮下訳は2012年度︵第64回︶に、各・読売文学賞︵研究翻訳部門︶を受賞