キュロス・シリンダー
アケメネス朝ペルシアのキュロス大王の功績を讃える遺物
キュロス・シリンダー︵キュロスの円筒、英語: Cyrus Cylinder、ペルシア語: منشور کوروش︶は、アケメネス朝ペルシアのキュロス大王の功績を称える文章が印刻された古代の遺物。現在、ロンドンの大英博物館に所蔵されている。
キュロス・シリンダー | |
---|---|
![]() ![]() キュロス・シリンダー、前面及び背面 | |
材質 | 粘土 |
寸法 | 22.5センチメートル (8.9 in) x 10センチメートル (3.9 in) (最大部) |
文字 | アッカド語 楔形文字 |
製作 | BC 539–530 頃 |
時代/文化 | アケメネス朝ペルシア |
発見 | メソポタミアのバビロンにて、ホルムズド・ラッサムにより、1879年3月に発見 |
所蔵 | 大英博物館、ロンドン |
識別 | BM 90920 |
登録 | 1880,0617.1941 |
概要
編集内容
編集
刻文の内容は、まずバビロニア王︵ナボニドゥス︶がマルドゥク神に罪を得たことを述べ、怒ったマルドゥク神がアンシャン王であったキュロスに世界の王としての地位を与えたと記す。キュロスはマルドゥク神の命令によって諸国を征服し、バビロンに無血入城した(1-19行)。
ついでキュロスの一人称による記述になり、キュロスはテイスペスの子孫たる自分の家系を記す。キュロスはバビロニアの民衆に安寧をもたらすものであること、マルドゥク神がキュロスとその軍隊を祝福していると述べる。各地の王が貢ぎ物を持ってキュロスを訪れてひざまずいた。キュロスは信仰を奪われた各国に対してその神々の像を返し、ナボニドゥスがバビロンに連れ去った各地の住民を元の国に返した。キュロスは諸国の人々がキュロスとカンビュセスのために祈るように命じた。
最後に、自分が多くの生贄をささげ、またバビロンを囲む城壁を築いていることを述べている。バビロンの町の建設中にアッシュールバニパルの碑文を発見したことが記されている。
聖書との関係
編集近代のプロパガンダ
編集脚注
編集- ^ Muhammad A. Dandamayev (2011). “CYRUS iv. The Cyrus cylinder”. イラン百科事典. VI, Fasc. 5. pp. 521-522
- ^ Shapour Ghasemi. “History of Iran: The Cyrus the Great Cylinder”. 2015年7月25日閲覧。