quilt綿綿綿
ジーズベンドのキルト英語版」を刺す女性

服飾資材のキルティング

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キルティングとは、針と糸を使ったミシンや特殊なロングアームキルティングシステムを使用して機械的にステッチすることにより、最低2層の生地を結合するプロセスに与えられる用語である。ステッチの配列が生地のすべての層を通過して、3次元のパッド入りの表面を作成する。3つの層の場合は、通常、トップファブリックまたはキルトトップ、中綿(なかわた)または断熱材、および裏地(無い場合もあり)等と呼ばれる。ダイヤ柄が最も一般的で柄の型を作成依頼する事や、柄通りにミシンを掛ける事でどんな柄でも表現できる。

手芸としての各地のキルト

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綿 (kilt)  (quilt) 

ヨーロピアンキルト

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綿


アメリカンキルト

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1800
 
(1973)

1900退1970()

ボルチモアキルト(バルチモアキルト)

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18401860
 
ベビーベッドアルバムキルト(1850年頃)

アーミッシュキルト

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アーミッシュが作ったパッチワークキルト英語版。無地の布を使った幾何学模様が特徴。

 
ペンシルベニア州ランカスター郡のキルティングビー(1941年)
 
キャロル・M・ハイスミス英語版のアーミッシュカントリーキルト

ハワイアンキルト

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ハワイアンキルト

1820年代にイギリス人宣教師によって伝えられたパッチワークキルトが独自に発展したもの。大判の一枚布を8つに折り畳んでカットするため、左右対称のモチーフができる。ハワイでは、ハギレを利用する習慣がなかったため、大判の布をあえて細かく裁断して使用したといわれている。パイナップルや花などのモチーフが特徴。

ジャパニーズキルト

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刺し子を『日本のキルト』と呼ぶ場合もあるが、通常はキルトに含めず、日本的な感性で配色されたキルトや、和の素材を使用して作ったキルトを『ジャパニーズキルト』と呼ぶ場合が多い。

 
1850年頃のアップリケキルト(ミズーリ歴史博物館蔵)

1975年資生堂の主催で開催されたキルト展において、ジョナサン・ホルスタインのコレクションが公開されたことから徐々に『キルター』と呼ばれる愛好家が増え、アメリカに次いでキルトが盛んになった。

当初はパッチワークキルトが主流だったが、トラプント英語版やスラッシュキルト、クレイジーキルト英語版などさまざまな技法を取り入れ、発展している。 しかし、日本においてキルトは趣味の範囲にあり、生活に根ざしたものとはなっていない。

アイランドキルト(カオハガン)

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フィリピンカオハガン島で作られたキルト。自由な配色と南国的な明るいデザインが特徴。1990年にカオハガン島を購入した崎山克彦夫妻が、現地の住民に伝えたキルトが元になっている。島の観光資源として注目されており、日本から招かれたキルト作家が技術指導にあたっている。

技法

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パッチワークキルト

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パッチワークキルト

布をはぎ合わせて一枚の布にしたもの(パッチワーク英語版)を、トップにして作ったキルト、パッチワークキルト英語版ペーパー・ピーシング英語版という台紙に図案を写し、その台紙ごと布を縫いつないでいく技法もある。

パッチワークはエジプトで紀元前3、400年からあり、インドやパキスタン、アジア等でも伝統的に行われている。チャイナ・パッチワーク英語版ポジャギ英語版(韓国)が知られる。

ストリングキルト(ストリッピーキルト)

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パッチワークキルトの一種で、紐状の布を直線的にはいで作る。

アップリケキルト

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アップリケキルト(部分拡大)

土台布の上にモチーフを縫い付ける技法(=アップリケ)でトップが作られているキルト。ハワイアンキルトも、そのひとつである。

アップリケキルトやパッチワークキルトに「ドレスデン・プレートポルトガル語版」や「サンボンネット・スー」(日本ではスーちゃん)等のブロック英語版が使用される。

サンボンネット・スーは、アメリカのイラストレーターのバーサ・コーベット・メルチャーが1900年代に発表したサンボンネットを被ったキャラクター「サンボンネットの赤ちゃん英語版(サンボンネット・ベイビー)」を、1910年代にキルト作家のマリー・ウェブスター英語版が「サンボンネット・スー」としてキルトに使用したのが始まり。

 
ユーラリー・オズグッド・グローバー著 バーサ・コーベット・メルチャー絵『オランダのサンボンネットの赤ちゃん』(1915)
 
エドウィン・ジョージ・ラッツ英語版『Drawing Made Easy: A Helpful Book for Young Artists; The Way to Begin and Finish Your Sketches, Clearly Shown Step by Step (Classic Reprint)』のサンボンネットの赤ちゃん
 
カナダスタインバッハ英語版メノナイト・ヘリテイジ・ビレッジ英語版に展示させているキルト

ホワイトキルト(ホールクロスキルト)

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トップに一枚布を使い、キルティングで模様を描いたキルト。

ブティ

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ブティ

フランスで考案された技法。プロヴァンスのキルト英語版コード付きキルティング英語版とも呼ばれ、中綿を入れずにステッチを施し、ステッチの間に綿糸を詰めて凹凸を出す。通常のキルトに比べ、モチーフ部分を強調して立体化させることができる。昔は、専門の職人がアトリエで作った。貴族に好まれたことから、フランス革命の際に作品の大半が破棄された。

トラプント

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綿綿

セルティックキルト

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アイルランドケルト族の伝統模様を使ったキルト。バイアステープを使用して模様を作り、キルトトップにアップリケする。最近では、伝統模様だけでなく、独自にデザインされた作品も多い。

セミノールキルト

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フロリダセミノール族の模様を再現したキルト。ミシンを主に使用する。紐状の布をはいで一枚布に仕立て、それを切って角度をつけて並べ替え、縫い直す技法。セミノールパッチワーク英語版等もある。

クレイジーキルト

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19綿綿使
 
ミズーリ歴史博物館英語版1890年頃のクレイジーキルト

スラッシュキルト(シュリッツェ)

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16世紀ドイツで考案された技法。 シェニール織と同じ技法で、数枚の布を重ね、0.5cm - 2cm 間隔で縫い、縫い目と縫い目の間に切れ込みを入れて水にさらすと切れ込みの部分がほどけ、起毛し、リボンやモールを連ねたような作品が仕上がる。格子状に縫い目を入れて×字型に切れ込みを入れる場合と、バイアス方向に直線上に縫い目と切れ目を入れる場合とがある。

ステンドグラスキルト

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使使
 
ステンドグラスキルト

キルトに似た技法

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キルトを扱った作品やイベント

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キルト作家

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関連項目

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