コリントの包囲』(フランス語: Le Siège de Corinthe)は、ジョアキーノ・ロッシーニによる3幕のフランス語オペラ叙情悲劇)で、1826年に初演された。

第3幕最終場の燃えるコリント。初演時の舞台デザイン

1820年のイタリア語オペラ『マオメット2世』の改作だが、舞台をネグロポンテからコリントに移し、登場人物の名も変えられている。

概要

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1824[1]:9518252 (Alexandre Soumet) [2]

18261824181618

1826109[2][3]:100105[1]:95-96

 (Calisto Bassi) (L'assedio di Corinto)2[4]:10

マオメット2世との違い

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2152214582

2

2[4]:7-93(Quel nuage sanglant)[2][3]:1003(Juste ciel)21(Giusto ciel)

2[3]:1012[2]

20世紀以降のリバイバル

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1949[5][4]:101969100[4]:101980 (Pier Luigi Pizzi) [4]:10

登場人物

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  • クレオメーヌ[注 1]テノール)- コリントの総督
  • パミラ(ソプラノ)- クレオメーヌの娘
  • ネオクレス(テノール)- コリントの若い将校
  • マオメ2世(バス)- トルコのスルターン
  • オマル(バス)- マオメ2世の腹心
  • アドラスト(テノール)- クレオメーヌの腹心
  • イエロス(バス)- コリントの墓守
  • イスメーヌ(メゾソプラノ)- パミラの親友

あらすじ

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序曲は既存のいくつかの作品を組みあわせて作られた。冒頭は『ビアンカとファッリエロ』(1819年)と同じであり、次の遅い部分はマイールのオラトリオ『アタリア』(ロッシーニは1822年にナポリでこの曲を指揮している)から借りたものである。主部でクレッシェンドしてくる旋律は『グローリア・ミサ』(1820年)からの転用である[3]:291-292。この旋律が第2幕の終わり近くでもギリシア軍の合唱として聞こえてきて、パミラが愛を思い切る重要なきっかけになる[4]:7-8

第1幕

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調2


第2幕

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第3幕

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コリントの民は墓地を最後の砦として選ぶ。そこへトルコから逃げてきたネオクレスがやってくる。パミラも逃亡し、遠くで女たちと祈っている。クレオメーヌはまだ娘のことを怒っているが、やってきたパミラは母の墓前でネオクレスと結婚しようとする。クレオメーヌは2人を祝福し、ギリシア人の苦難が終わることを祈らせる。イエロスは最後の時が近づいていることを告げ、ギリシアの軍旗を祝福する。パミラは神の慈悲が悲しみが終わらせることを祈る。

トルコ人たちがやってくるが、パミラは短剣で自殺する。墓室が崩れ、炎に包まれたコリントが出現する。

脚注

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注釈

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(一)^ 2

出典

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(一)^ ab︿1989ISBN 412100938X 

(二)^ abcdOsborne, Richard (1998). Siège de Corinthe, Le. In Stanley Sadie. The New Grove Dictionary of Opera. 4. Macmillan. pp. 364-365. ISBN 9780195221862 

(三)^ abcdOsborne, Richard (2007). Rossini, His Life and Works. Oxford University Press. ISBN 9780195181296 

(四)^ abcdef2018https://www.akira-rossiniana.org/%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%81%AE%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%A9/ 

(五)^ Le Siège de Corinthe. The New Kobbe's Opera Book (11th ed.). London: Ebury Press. (1997). pp. 680-682. ISBN 0091814103 

外部リンク

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