シュ・シン
シュ・シン︵Shu Sin、在位‥紀元前2037年 - 紀元前2029年︶は、ウル第3王朝の第4代王である。兄弟であるアマル・シンを倒して王位を得た。名前は﹁シン神の人﹂の意。一般にウル第3王朝はシュメール系の王朝とされているが、彼の名前はアッカド語であり、メソポタミアにおけるアッカド語の普及を示す。
シュ・シン | |
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ウルの王 | |
シュ・シンの名が刻まれた5ミナの錘 | |
在位 | 紀元前2037年 - 紀元前2029年 |
死去 |
紀元前2029年 |
配偶者 | クバティム |
子女 | イビ・シン |
王朝 | ウル第3王朝 |
父親 | シュルギ |
来歴
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先々王シュルギの息子として生まれた︵シュメール王名表ではアマル・シンの息子︶。彼はエラム方面の軍事司令官として東部の都市デールに駐留していたが、王位についたアマル・シンと対立し、紀元前2040年頃までには反乱を起こした。アマル・シンの王妃アビシムティなどを味方に付けることに成功したシュ・シンは、紀元前2038年頃アマル・シンを倒して王位を獲得した。
王位についたシュ・シンはすぐに困難に直面した。紀元前2034年北西部の属国シマヌムが反乱を起こした。シュ・シンはこれを鎮圧したが、西からはアムル人の侵入が次第に勢いを増し、東ではエラムのザブシャリ国とスウ国を中心に反乱が発生した。
シュ・シンはアムル人に対応するために北西にムリク・ティドニム︵ティドニムを阻止する物の意︶と呼ばれる城壁を建設する一方︵ティドニムはアムル人の部族ディドニム族を指す︶、東でエラムの反乱を鎮圧して王朝を保った。
彼の死後、息子でありウル第3王朝最後の王なるイビ・シンが跡を継いだ。