タリーカ
スーフィーが率いるスーフィズム教団
(スーフィー教団から転送)
概説
編集タリーカ成立の歴史
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9世紀半ばから10世紀半ばにかけて、スーフィズムの思想体系が確立された。スーフィズムには﹁師を持たない者には悪魔が師となる﹂という言葉があり、単独での修行は非常に危険な行為と考えられた。スーフィズムはその成立当初から、既に神との合一を果たした導師と、少人数の弟子で構成される共同体を形成していた。修行の内容は導師の方針によってある程度異なったが、方法論自体は既に体系的に確立していた。この方法論が本来の﹁ターリカ﹂と呼ばれるものである[3]。
12世紀ごろから、各種のスーフィズム教団︵共同体︶としてのタリーカがイスラム圏において出現し始めた。
タリーカの名称の多くは、精神的指導者︵シャイフ︶や創始者の名前がとられる事が多かった[4]。タリーカのメンバーは道場に定期的に集まり、スーフィズム教義の学習や集団での修行を行った。
13世紀から17世紀にかけてタリーカは大型化し、ウマル・スフラワルディーの書いた﹃知恵の恩恵﹄と呼ばれる修行の手引書が広く採用された。初期スーフィズム以来の隠遁生活や独身主義の習慣を放棄した流派が増え、その組織も次第に官僚化していった。やがて指導者の世襲が一般化され、タリーカはゆっくりと衰退していったが[4]、分岐・伝播を繰り返しながら現在まで存続している組織も数多くある。
脚注・出典
編集参考文献
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●ティエリー・ザルコンヌ﹃スーフィー‥イスラームの神秘主義者たち﹄創元社︿知の再発見双書﹀、2011年。ISBN 9784422212128。
●高橋圭﹃スーフィー教団‥民衆イスラームの伝統と再生﹄山川出版社︿イスラームを知る﹀、2014年。ISBN 9784634474765。