ハイパスフィルタ
ハイパスフィルタ︵英語: High-pass filter: HPF︶とは、フィルタの一種で、なんらかの信号のうち、遮断周波数より高い周波数の成分はほとんど減衰させず、遮断周波数より低い周波数の成分を逓減させるフィルタである。ローカットフィルタ等と呼ぶ場合もある。電気回路・電子回路では、フィルタ回路の一種である。日本語では﹁高域通過濾波器﹂とも言われる。オーディオでは﹁bass-cut filter﹂または﹁rumble filter﹂とも称する。
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e8/Filtercircuit.png/300px-Filtercircuit.png)
理想的なフィルタ回路の周波数特性
︵実際にはこのような周波数特性は取れない︶
![ハイパスフィルタ](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/3e/Chebyshev_highpass_filter.jpg/300px-Chebyshev_highpass_filter.jpg)
ハイパスフィルタ。コイルとコンデンサを用いた回路
ハイパスフィルタはローパスフィルタと対称の関係にある。こういったフィルタには他にバンドパスフィルタとバンドストップフィルタがある。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e8/Filtercircuit.png/300px-Filtercircuit.png)
![ハイパスフィルタ](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/3e/Chebyshev_highpass_filter.jpg/300px-Chebyshev_highpass_filter.jpg)
伝達関数
編集回路例
編集CとRを用いた回路
編集詳細は「RC回路」を参照
最も簡単なハイパスフィルタは、入力信号に並列する抵抗器と入力信号と直列するコンデンサから成り立っている。抵抗値と容量値の積(R×C)は時定数︵τ︶といい、遮断周波数に逆比例する。また、遮断周波数の信号を入力したとき、出力電圧は入力電圧の半分になる︵−3dB︶。遮断周波数f[Hz]、時定数τ[s]、抵抗値R[Ω]、容量値C[F]の関係は以下の式のようになる。
入力電圧値 |Vin| [V] 出力電圧値 |Vout| [V] 角周波数 ω[rad](=2πf) コンデンサ・キャパシタ容量値 C [F] 抵抗値 R [Ω] とした場合、 電圧利得の周波数特性は
ただし、
[dB]として表すのが一般的である。
位相のずれの周波数特性は
となる。なお、この場合、θの単位は[rad]︵ラジアン︶である。
入力電圧値 |Vin| [V] 出力電圧値 |Vout| [V] 角周波数 ω[rad](=2πf) コンデンサ・キャパシタ容量値 C [F] 抵抗値 R [Ω] とした場合、 電圧利得の周波数特性は
オペアンプを用いた回路
編集詳細は「微分回路」を参照