放物線

二次曲線の一種
パラボラから転送)

:παραβολήparabolē: parabola: Parabel[1]
放物線
回転放物面

数学的定義

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放物線は、円錐曲線の一つである。数学的な定義としてよく知られたものはいくつかの方法があるが、いずれも適当な枠組みで互いに他を導出することができる等価なものである。

軌跡

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準線 L と焦点 F

parabola (directrix) L (focus) FLF π PPFPFPQLQ

 P(x, y) F(0, a) y= a  PQ = PF 

 



 

x  y y2= 4ax 

円錐の断面

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円錐面の平面 π による断面(赤い面の縁)が、準線 L と焦点 F をもつ放物線を描くことが確認できる

二次曲線

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y = x2x = y2 (y > 0)

1

 (0, c) y= c  x2= 4cy 

 (c, 0) x= c  y2= 4cx 

 y= ax2+ bx+ ca  0 

作図

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 l F



(一) F l

(二) |AB| 

(三) A F

(四)沿

(五) AB P

(六)沿 |PF| = |PB| 

物理学的な導出

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初速 v, 角度 θ で初期の高さ y0 から投げ出した物体の描く曲線

 m mgg  F = ma 

 

   

 

 r0 = (0, y0) 

 

 tt  a, b, c 

 



性質・例示

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正射影と焦点

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 (paraboloid) 

 

 Parabola[]=使

 

使

包絡線

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準線上の点から放物線に引いた二本の接線

LL1FLP PFL2LF

[2]
 
ナイルズの放物線

微積分

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原点での曲率円

電子

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二次近似

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 γ γ P C2-γ Pγ PC2-P C2-

C1-
 

33

カテナリー曲線

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カテナリー曲線(緑線)と放物線(赤線)の比較

カテナリー曲線(懸垂線)は、見た目が放物線と似ていて混同されることがあるが、全く別物である。共通した性質として、

  • 唯一の極小な頂点を持つ
  • 下に凸な滑らかな曲線
  • 頂点を通る直線を対称の軸として線対称

があり、両者は頂点付近の十分近くで微視的にはほぼ一致するが、巨視的にはかけ離れた形状を示す。

参考文献

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  • 『曲線の事典 性質・歴史・作図法』 礒田正美、Maria G. Bartolini Bussi編、田端毅、讃岐勝、礒田正美著:共立出版、2009年 ISBN 9784320019072

脚注

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  1. ^ 当用漢字制定以前は「拋物線又は抛物線(抛は拋の異体字)」の表記が多かったが、「拋・抛」が当用漢字表外であった為、1956年(昭和31年)に国語審議会が発表した指針「同音の漢字による書きかえ」により現在では「放」が一般に使用されている。
  2. ^ 折り紙による2次曲線

関連項目

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外部リンク

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  • Köller, Jürgen, "Parabeln" - Mathematische Basteleien. (ドイツ語)
  • Weisstein, Eric W. "Parabola". mathworld.wolfram.com (英語).
  • スコーテンの放物線作図器
  • 「みんなここに集まってくる」大科学実験