マドリガーレ
イタリア発祥の歌曲形式の名称
中世マドリガーレ
編集ルネサンス・マドリガーレ
編集
16世紀初頭、フロットラの流行の中から突如現れた形式。詩節がなくリフレインもない自由詩を用い、テキストの抑揚に合わせてメロディーが作られた。感情表現を豊かにするためにポリフォニーやモテットの様式、模倣対位法、半音階法、二重合唱法などあらゆる音楽形式が採られ、多くの作曲家が作品を作った。
17世紀に入ってカンタータに取って代わられたが、その後も幾人かの作曲家がこの形式の作品を残している。
代表的な作曲家としては、初期のアドリアン・ヴィラールト、中期のチプリアーノ・デ・ローレ、後期のカルロ・ジェズアルド、ルーカ・マレンツィオ、クラウディオ・モンテヴェルディが挙げられる。
派生
編集
●宗教マドリガーレ
信徒会やオラトリオ会などの民間宗教団体の集会で演奏するために、宗教的な内容のマドリガーレも作られた。代表的な作曲家にジョヴァンニ・ダ・パレストリーナが挙げられる。
●マドリガル・コメディ
16世紀末に現れた仮装の即興演劇コンメディア・デッラルテのうち、ヴェネツィアでは対話形式でマドリガーレを歌いながらコメディを演じる形式が現れた。
●イングリッシュ・マドリガル
エリザベス朝イングランドの宮廷作曲家たちによって、イタリアの形式を真似て作られたが、イタリアほど複雑でなく和声を主体にした曲が多い。代表的な作曲家にウィリアム・バードが挙げられる。