レントゲン (単位)

かつて使われていた照射線量の非SI単位

レントゲン(röntgen または roentgen)は、かつて使われていた照射線量(照射した放射線の総量)の非SI単位である。

レントゲン
röntgen, roentgen
記号 R
度量衡 メートル法非SI単位
CGS静電単位系 (CGS‐esu)
照射線量
SI 2.58×10−4 C/kg (計量法NISTによる定義)
組立 esu/cm3
定義 空気 1 cm3 あたりに1 esu のイオン電荷が発生するときの照射線量
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Xγ1(STP)1(cm3)1(esu)12.08×109

CGSCGSSI19894使JIS Z8203:2000[1]使CIPM

単位記号

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R[2]X1928r1962R

SI単位との換算

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(SI)(C/kg)1 3.3356×1010C1 cm31.29×106kg1 R = 3.3356×1010/1.29×106 = 2.58×104 C/kg 

NIST1 R = 2.58×104 C/kg [3][4]

Xγ調"röntgen equivalent man"rem使SI

レントゲンによる値の例

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自然界における放射線の量は、場所によって異なる。低い所では17 µR/h で、高い所では1100 µR/hに達する。一般に、都市部では高い値を示す。人が一生の間に被曝する自然放射線の量は約16レントゲン(160ミリシーベルト)である(寿命を60年とし、自然放射線の量を 30 µR/hとして計算)。

人間が500レントゲンの放射線を5時間程度の短時間に浴びると致命的である。

計量法における位置付け

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42005使[5]
表 暫定的使用の放射能の非SI単位とそのSI単位
番号 物象の状態の量 計量単位(非SI単位) SI単位
64 放射能 キュリー(Ci) ベクレル(Bq)
65 吸収線量 ラド(rad) グレイ(Gy)
69 照射線量 レントゲン(R) クーロン毎キログラム(C/kg)
71 線量当量 レム(rem) シーベルト(Sv) 

番号は計量法第2条第1項第1号における物象の状態の量の列挙順の番号である。

脚注

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  1. ^ 日本産業標準調査会:データベース-廃止JIS規格リスト Z8203
  2. ^ 計量単位規則 別表第2、照射線量の欄
  3. ^ 計量単位令 別表第1、項番62、照射線量の欄
  4. ^ Guide for the Use of the International System of Units (SI), NIST Special Publication 811 2008 Edition Table.9, p.10, Appendix B. Conversion Factors, p.54
  5. ^ 単位について p.20、(参考)法定計量単位とSI(国際単位系 )との関係 一覧表 項番57,58,62,63,64,65、2005年度第1回 計量行政審議会 開催資料 資料4(12)、経済産業省 計量行政審議会、2005-07-26
放射能に関する単位と量[編集]
単位 記号 定義 導入年 SI単位
放射能 (A) キュリー Ci 3.7×1010 s−1 1953年 3.7×1010 Bq
ベクレル Bq s−1 1974年 SI単位
ラザフォード Rd 106 s−1 1946年 MBq
照射線量 (X) レントゲン R esu / 0.001293 g(空気) 1928年 2.58×10−4 C/kg
フルエンス (Φ) 毎平方メートル m−2 m−2 1962年 SI単位
吸収線量 (D) エルグ erg erg⋅g−1 1950年 10−4 Gy
ラド rad 100 erg·g−1 1953年 10−2 Gy
グレイ Gy J·kg−1 1974年 SI単位
等価線量 (H) レム rem 100 erg·g−1 1971年 10−2 Sv
シーベルト Sv J·kg−1 × WR 1977年 SI単位