一角獣の殺人』(いっかくじゅうのさつじん、原題:The Unicorn Murders)は、アメリカ推理作家カーター・ディクスン(ジョン・ディクスン・カーの別名義)が1935年に発表した推理小説ヘンリー・メリヴェール卿ものの長編第4作目にあたる。

あらすじ

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主な登場人物

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[1]





HM

提示される謎

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  • フラマンドは一体、誰に化けているのか。

作品の評価

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江戸川乱歩は「カー問答」(『別冊宝石』、カア傑作集、1950年[2] の中で、カーの作品を第1位のグループから最もつまらない第4位のグループまで評価分けし、本作を第3位のグループ10作品の3番目に挙げた。第3位全般の評価として、カーの作品として中流でそれぞれとびきりの不可能性とサスペンスがあるが、解決がそれに比して何となくあっけないという不満があると記している。本作については、三人一役や一人二役が二重三重にこんぐらがって奇々怪々を極め、殺人方法が一角獣の角で刺されたような傷を残すという不気味なもので、トリックもなかなか考えた奇術が使われ、カー趣味を遺憾なく発揮したもので、あくどすぎるところもあるが、それだけにカーの体臭を存分に味わうこともできると評している。

補足

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2009[3]

他作品との関連

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ケンウッド・ブレイクはH・M卿登場第1作の『プレーグ・コートの殺人』以来の登場で、次作『パンチとジュディ』や『ユダの窓』にもイヴリン・チェインと揃って登場する。

脚注

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  1. ^ 田中潤司の訳では「オーガスト」(英語読み)
  2. ^ カー短編全集5『黒い塔の恐怖』(創元推理文庫)所収。
  3. ^ マザーグースの「ライオンと一角獣(ユニコーン)」の唄の最終節「どちらも街から追い出した」 (And sent them out of town) の歌詞が、『鏡の国のアリス』では「太鼓たたいて街から追い出した」 (And drummed them out of town) に変えられており、本作に引用されている唄の歌詞は『鏡の国のアリス』の方である。

関連項目

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