位相
繰り返される現象の一周期のうちの、ある特定の局面
位相︵いそう、英語: phase︶とは、繰り返される現象の一周期のうち、ある特定の局面のことであり、波動などの周期的な現象において、ひとつの周期中の位置を示す無次元量でもある。通常は角度︵単位は﹁度﹂または﹁ラジアン﹂︶で表される。
位相 phase | |
---|---|
量記号 | α |
次元 | 無次元量 |
SI単位 | ラジアン (rad) |
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/44/Simple_harmonic_motion.png/220px-Simple_harmonic_motion.png)
たとえば、時間領域における正弦波を
y(t) = Asin(ωt + α)
とすると、(ωt + α) のことを位相と言う。特に t= 0 における位相 α は初期位相あるいは位相角と呼ばれる。あるいは単に、この正弦波の位相は α であるということも多い。いずれの定義を採用するにしても、上記の式のA: 振幅、ω: 角周波数、α: 位相の3つのパラメータにより、正弦波は完全に記述される。
また、位相差を求める際には同一基準の時間領域で行う。変位を用いて表した位相も同様である。 位相差は点同士、もしくは波同士に適用可能である。
例えば上式で表される波とy(t) = Asin(ωt + α+δ)で表される二つの波の位相差はδとなる。そして、このδがπの偶数倍の時、二波は同位相、πの奇数倍の時、二波は逆位相という。
複素数による表現 編集
時間領域における複素数の正弦波は、次のように表現される。
︵1︶
ここで、
は自然対数の底︵ネイピア数︶、
は虚数単位、Aは振幅、
は角周波数、
は位相である。
オイラーの公式︵
︶より
︵2︶
が成り立つ。このように、式︵1︶の実部と虚部は実数の正弦波である。
式︵2︶は、複素平面上で時間tの経過とともに、原点を中心とする半径Aの円周上を等速で回転する。それを複素平面の実軸へ正射影したものは
であり、虚軸へ正射影したものは
である。
三相交流の波形
電流や電圧、信号が時間とともに変化するものを交流といい、その周期の位置が位相である。
正負両端子の波形が同位相であることをコモン・モードといい、逆をノーマル・モードという。
120度ずつ位相がずれた3系統の交流を三相交流という。
電圧と電流の波形がずれ、位相差が生じた際、その位相差の余弦を力率という。力率の改善に用いる進相コンデンサがある。
交流における位相 編集
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/8a/3phase_AC_wave.gif)