原子軌道

原子核のまわりに存在する1個の電子の状態を記述する波動関数

: atomic orbitalAO1
1s2s2px2py2pz

: orbital (: orbit) [1]

軌道名

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軌道の種類名

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軌道の種類の名前 (s, p, d, f, g, h, ...) は分光法で得られたその軌道のスペクトルの形に由来している。内側の軌道からそれぞれ、sharp, principal, diffuse, fundamentalであり、残りは(fに続く)アルファベット順となる。 但し、jはのぞく。これはiとjを区別しない言語が存在するためである。

原子価軌道

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歴史

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「オービタル」という用語は「one-electron orbital wave function(1電子オービタル〈軌道の〉波動関数)」の短縮形として1932年にロバート・マリケンによって造られた[2]ニールス・ボーアは、1913年に電子は、明確な質量を持つ角の周りを回っていることを示唆した。

初期の説

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ジョゼフ・ジョン・トムソンが1892年に電子を発見したことによって、原子が最小では無く、あくまで電子の複合であるということがわかった。 また、トムソンは、複数の電子が常に帯電し、ゼリー状の物質に入っていると考えるプラムプディングモデルを1909年に提唱した。 また、その直後、長岡半太郎が土星モデルを提唱した。

ボーア原子

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アーネスト・ラザフォードが1909年に原子質量のほとんどが核に占められており、また常に帯電していることを発見した。 また、その後の彼の研究によって、プラムプディングモデルでは、説明しきれないことがわかった。 1913年、ニールス・ボーアによって、電子は、古典的的な周期で核を回るが、各質量の離散値だけを持つことを許可するボーアモデルを提唱した。

脚注

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  1. ^ C・ロヴェッリ『すごい物理学講義』河出文庫、2019年、164頁。 
  2. ^ Mulliken, Robert S. (July 1932). “Electronic Structures of Polyatomic Molecules and Valence. II. General Considerations”. Physical Review 41 (1): 49–71. Bibcode1932PhRv...41...49M. doi:10.1103/PhysRev.41.49. 

関連項目

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