受動喫煙症(じゅどうきつえんしょう)とは、受動喫煙環境たばこ煙:ETSに晒され、または吸引すること)による人体への生理的悪影響と健康被害について、日本禁煙学会禁煙推進医師歯科医師連盟受動喫煙の診断基準委員会が連名で定めた病名である[1][2]

概念

編集

[3]

[4][5]

症状の進行

編集



[6]


発症環境

編集

 (ETS)() (=)[7]

ETS濃度環境

編集

タバコ煙濃度がPM2.5をマーカーとして約4µg/m3存在すれば臭いを感じ刺激のある状態で、約1µg/m3存在していればヒトはタバコの臭いを感じる濃度で、生理的悪影響の在る有害な濃度の状態である[8]。喫煙席で煙の見えない状態では約100µg/m3(「職場における喫煙対策のためのガイドライン」(平成15年5月9日付け基発第0509001号厚生労働省労働基準局長通達)の基準SPM PM10 0.15mg/m3相当)で、危険な状態である。

発症場所

編集
  • 屋外:歩行喫煙、自転車喫煙、自動車運転中の窓明け喫煙、路上喫煙所、店舗前の灰皿、私設喫煙所
  • 商業施設:分煙ファミレスの喫煙席と禁煙席(分煙によっても煙草煙は店舗内に拡散するため)、パチンコ、非禁煙宿泊施設
  • 屋内:喫煙のなされた個室、喫煙室の周辺および喫煙者の通り道、喫煙者の吐く息
  • ビル:喫煙(かご内禁煙違反)後のエレベータ、マンション共有廊下側への換気扇排気に含まれる煙草煙
  • 公共交通:非禁煙自動車、乗務員喫煙後のタクシー、喫煙者の多い飛行機、バスや電車内でのヘビースモーカーの隣の席

発症時間

編集

急性症状の場合 濃度に応じて1呼吸から数時間。煙草成分への暴露解消後に回復することが特長である。平日に勤務する者が職場で受動喫煙を避けられない場合、週末にのみ症状が軽快するケースもある。

無症状・無自覚

編集

環境たばこ煙(ETS)、残留タバコ成分に曝露された際に、人は生理的に心拍増加、血管収縮等の急性受動喫煙症状がある。その状態で無症候の場合。

急性受動喫煙症

編集

(ETS)  



(一)(ETS)

(二)(ETS)

(三)(ETS)

3 (ETS)

ETS

慢性受動喫煙症

編集















COPD











124尿 111

重症受動喫煙症

編集













COPD





124尿111

診断医療機関

編集

日本禁煙学会の認定医師により、受動喫煙症の診断可能な医療機関[9]にて診断が可能である。

現行の診断基準

編集

現在の受動喫煙症診断基準は、2016年に日本禁煙学会により改訂された「Version2」である。[10]

ここでは尿検査によるコチニン検出は不要とされており、その理由について作田学理事長は「尿検査によるニコチン検出が、受動喫煙症の各段階に必ずしも対応しないことが明らかになった為」としている。[11]

裁判所の判決における判断

編集

2949521128[12]調20調

2102920


「政策目的」という批判

編集

上記判決で横浜地方裁判所は、受動喫煙症の診断が患者の申告のみに依拠して客観的根拠を持たないことを踏まえ、その診断を「一種の政策目的によるもの」と指摘している(高裁判決にはこれを否定する文言はない)。

受動喫煙症には治療という論点が存在しない一方で、診断書を根拠とした訴えを起こすことが推奨されており[13]、「政策目的」との指摘はこの点を捉えたものと考えられる。

また同判決で「医師法20条違反」を認定された日本禁煙学会理事長の作田学は、控訴審に寄せた追加意見書[14]のなかで「私たちが『受動喫煙症』を2005年に考案した目的は(中略)これを根拠に、人々がタバコ煙に悩まされない社会を作り出していくことにあった」と、受動喫煙症の考案がそもそも政治目的であったとの記述をしている。

出典

編集


(一)^ http://www.nosmoke55.jp/ 

(二)^ http://www.nosmoke-med.org/ 

(三)^ https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/tobacco/dl/tuuchi-121029.pdf  10295241029 (  1.()

(四)^ http://www.nosmoke55.jp/passive_dx.html 

(五)^ http://www.nosmoke-med.org/judoukituensyo.html 

(六)^ http://www.moriokahosp.jp/pdf/clair0809.pdf 便 20089Vol.6 No.3

(七)^ https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/tobacco/dl/tuuchi-121029.pdf  10295241029 

(八)^  http://www.nosmoke55.jp/gakkaisi/200804/index.html#matuzaki 

(九)^ http://www.jstc.or.jp/modules/diagnosis/index.php?content_id=4  

(十)^  http://www.jstc.or.jp/uploads/uploads/files/%20%20%E5%8F%97%E5%8B%95%E5%96%AB%E7%85%99%E7%97%87%E8%A8%BA%E6%96%AD%E5%9F%BA%E6%BA%96version2%20.xlsx%281%29.pdf

(11)^ 43  / 52note. note. 2021824

(12)^ 12.  (2021212). 2021824

(13)^ http://www.jstc.or.jp/uploads/uploads/files/information/JUDOK20210218(2).pdf

(14)^ 661 / 54 20note. note. 2021824

参考文献

編集
  • 禁煙学 南山堂 ISBN 978-4-525-20171-5
  • 「受動喫煙高まる『ノー』『診断』に基づき職場改善を図る」朝日新聞、2005年6月4日付け朝刊、生活面。

読書案内

編集

外部リンク

編集