『字彙補』(じいほ)は、清の呉任臣(中国語版)(ごじんしん)によって編纂された、『字彙』を補足訂正した書物。康熙5年(1666年)序。『康熙字典』に出典のひとつとして使われている。
著者の呉任臣は字を志伊といい、ほかに﹃十国春秋﹄﹃山海経広注﹄などの著作がある[1]。呉任臣は﹃字彙﹄が優秀であることを認めながら、古典や大蔵経・道蔵などの字が載っていないことが多いのを欠点として、その追補を作った。
﹃字彙﹄と同じ214部首に従い、部首ごとに﹁補字﹂︵字を補う︶﹁補音義﹂︵音義を補う︶﹁較譌﹂︵誤りを正す︶の3点について補っている。
全体で補字が12,371字、補音義が5,525字、較譌が269字ある[2]。
較譌の例として、﹃字彙﹄の﹁候﹂の字を﹁𠊱﹂に直すなど、﹃字彙﹄が一般に行われている字を取ったのに対して、﹃字彙補﹄は古い書籍に根拠のある字を正としている[3]。