怪人二十面相 (小説)
江戸川乱歩による日本の小説
『怪人二十面相』(かいじんにじゅうめんそう)は月刊娯楽雑誌『少年倶楽部』(大日本雄辯會講談社)に1936年に連載された江戸川乱歩作の少年向け推理小説シリーズの第1話である。
概要
編集あらすじ
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実業界の大立者である羽柴壮太郎の家に世間で噂の盗賊﹁怪人二十面相﹂からロマノフ王家に伝わる宝石を狙った予告状が届いていた。一方で家出をして南洋に渡った羽柴家の長男壮一が10年以上を経て帰国した。しかし、ロマノフ王家の宝石は奪われてしまい、さらに次男の壮二を誘拐されることに。二十面相は次男の壮二と引き換えに、安阿弥の作といわれる観世音像を要求してきた。羽柴壮太郎は名探偵明智小五郎に依頼をしたが、明智が留守中のため、助手である小林芳雄が明智の代わりを務めることになった。
二十面相の狙ったもの
編集登場人物
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●羽柴壮太郎 - 麻布に邸宅を構える実業家。二十面相が最初に﹁予告状﹂を送り付けた標的。
●羽柴壮一 - 壮太郎の長男。家出をしてボルネオで成功し帰国するという連絡が入る。
●羽柴壮二 - 壮太郎の次男。のちに小林少年らと少年探偵団を結成する事になる[2]。
●日下部左門 - 伊豆に古画や美術品を集めた城を構えている絵画収集家。二十面相の第二の標的。
●小林芳雄 - 明智の助手で﹁小林少年﹂や﹁小林君﹂と呼ばれる。
●怪人二十面相 - 神出鬼没の怪盗で、変装が得意なため﹁二十面相﹂と呼ばれ、自らも称している。
●明智小五郎 - 名探偵。二十面相の好敵手。
●中村善四郎 - 警視庁捜査一課係長[3]
その他
編集- 小林少年が携行する「鳩のピッポちゃん」が本作で初登場。
書誌情報
編集- 大日本雄弁会講談社:『怪人二十面相』1938年[4]
- 講談社:江戸川乱歩推理文庫 第31巻『怪人二十面相/少年探偵団』1987年
- 講談社:江戸川乱歩(愛蔵版)『怪人二十面相』 1988年
- 講談社:青い鳥文庫(新装版)『怪人二十面相』 2013年
- 光文社:復刻・少年探偵団 『怪人二十面相』[5] 1947年
- 光文社:少年探偵団全集① 『怪人二十面相』 1961年
- 光文社:江戸川乱歩全集 第10巻『大暗室』2003年
- ポプラ社:少年探偵1『怪人二十面相』[6] 1964年
- ポプラ社:文庫 第1巻『怪人二十面相』 1976年
- ポプラ社:新装版 少年探偵1『怪人二十面相』 1998年
- ポプラ社:文庫(新装版) 第1巻『怪人二十面相』 2005年
- ポプラ社:文庫クラシック 第1巻『怪人二十面相』 2009年
- ゴマブックス:江戸川乱歩 名作ベストセレクション1『怪人二十面相』 2016年
- 新潮社:新潮文庫nex『怪人二十面相 私立探偵 明智小五郎』 2016年
- 岩波書店:岩波文庫『怪人二十面相・青銅の怪人』2017年
脚注
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(一)^ ポプラ文庫﹃1.怪人二十面相﹄︵ISBN‥978-4591106198︶では、2つの話に分かれているものの、独立した別章扱いは無く、まとめて﹃怪人二十面相﹄という構成である。各エピソードのタイトルは講談社﹁江戸川乱歩少年倶楽部全集︵愛蔵版︶﹂のもの。
(二)^ ﹁少年探偵団﹂の提案者であるが、次話﹃少年探偵団﹄に出た後、登場しなくなる。
(三)^ ﹁殺人﹂を行なわないと噂される二十面相の事件は、本来、捜査三課の担当と解説で言及される事がある。
(四)^ 太平洋戦争により4巻までで刊行休止。
(五)^ 戦前に刊行された﹃妖怪博士﹄までの3巻を、戦後に光文社から復刻︵表紙のタイトルは、戦前と同じ﹁1行1文字の縦書き﹂の右から︶。
(六)^ 乱歩の許可を得て発行の、オリジナル単行本は現在絶版。リニューアルの新装版や文庫が複数あり。
外部リンク
編集- 『怪人二十面相』:新字新仮名 - 青空文庫
- 『怪人二十面相』 - 国立国会図書館デジタルコレクション