持分法
会計学、会計実務における用語
(持分法適用会社から転送)
概説 編集
今日の会計においては連結財務諸表を中心とした財務情報の開示がなされる。連結財務諸表は、親会社が自己を頂点とする企業集団の財政状態経営成績を報告するものであり、企業集団には親会社が支配する連結子会社が含まれる。いっぽう、連結子会社ではないが、当該会社の投資先であり影響力を行使しうる会社︵﹁関連会社﹂︶の財政状態・経営成績も、部分的・間接的にではあれ当該会社︵親会社︶の連結財務諸表に反映すべきである。そのための手法が持分法である。
ある会社︵仮にA社とする︶が、他の会社︵仮にB社とする︶の株式を取得して、関連会社とし持分法を適用すると仮定する。A社の個別財務諸表︵個別貸借対照表︶にはB社株式が計上される︵勘定科目は﹁投資﹂または﹁関連会社株式﹂︶。なお、個別財務諸表上、関連会社株式は時価評価されず取得原価にて評価される︵強制評価減の場合を除く︶。
いっぽう、A社の連結財務諸表においては、B社株式を持分法により評価する。具体的には、B社の純資産のうちA社持分割合相当額にてB社株式︵投資︶を評価し、連結貸借対照表に資産として計上する。また、その増減額は﹁持分法による投資損益﹂として連結損益計算書に計上する。
連結会計と持分法会計は異なるものだが、連結財務諸表における純資産および当期純利益/純損失は、B社を連結子会社とした場合であっても、B社に対して持分法を適用した場合であっても基本的には一致する︵一致させるような会計処理を行う︶。ただし、持分法を適用した場合には、連結貸借対照表において、B社の個々の資産・負債が計上されるわけではなく、ただ一行の資産︵投資︶の評価を通じてB社の資産・負債を間接的に反映させることになる。同様に、連結損益計算書においても個々の収益・費用ではなく﹁持分法による投資損益﹂を通じてB社の純利益︵純損失︶を反映させる。このため、持分法の適用を一行連結︵純額連結︶と呼ぶことがある。