海洋化学

海洋に存在するすべての物質・生物の化学に関する学問

chemical oceanography



CTD使Go-Flo1980100L

海洋化学の分野

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海洋化学はその研究対象によりさらに細分されるが、その基準が多元的であるため、必ずしも体系的に区別されるわけではない。また、多くの研究は複数の分野を横断している。以下に、主なもの挙げる。

海洋無機化学

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海洋に存在する無機物質の存在量や存在形態を明らかにする学問。太平洋外洋における各種元素の鉛直プロファイルは1990年代後半にほぼ解明されており、現在は存在形態の解明や生物過程との関連を中心に研究が進められている。 広義には熱水噴出孔や海底堆積物における無機物質も海洋無機化学の対象とされている。

海洋有機化学

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1980 (Microbial loop) 

海洋同位体化学

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海水中の溶存気体、溶存物質および懸濁粒子中の元素の同位体組成を明らかにする学問。海水の起源や年代、また生物過程にともなう物質循環を解明する上で非常に重要である。

海洋エアロゾル化学

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下層大気におけるエアロゾルの化学組成や性状を明らかにする学問。エアロゾルによる海洋表層への微量金属の供給が生物生産を規定している海域が存在することが1990年代以降着目されており、生物海洋学との連関を強めている。

海洋(水産)天然物化学

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海産生物から有用物質を抽出し、医薬品や材料物質としての有効活用を目指す学問。特にカイメンなどは未知の有機物質を含み、そのいくつかが抗癌作用があるとして医薬品に実用化されつつある。

関連項目

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外部リンク

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