浸透 (水文学)
土壌に水などが染み込むこと。
水循環の中の浸透
編集浸透する水の起源
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大気中の水蒸気を起源とする雨や雪などの降水によって、地上に水が降る。また、人工的に水撒きや灌漑を行うことで降る水もあるが、これは河川、湖沼、地下水などを起源とする。いずれも水は淡水であるが、塩湖・塩河・海の近くでは塩分を含んだ水が浸透する場合もある。
液体の水は土壌にそのまま染み込む。すぐに染み込めなかった水は水たまりとなって、その場所に残りゆっくりと浸透するか、蒸発して大気中に還る。地形の影響で水溜りができずに低地に流れてしまう場合や、水溜りの水の量が多い場合は、地表を水が流れることになり、これが集まってやがて川となる。
固体の水︵雪や氷︶は土壌の上に残り、気温が上がると融解して水となり、液体の水と同じような道筋をたどる。液体として降った水が土壌の上で凍結して固体になる場合もある。
土壌中の水の流れと土壌外への流出
編集浸透量・浸透速度
編集その名の通り、浸透量(しんとうりょう, infiltration amount)は土壌に水が浸透する量、浸透速度(しんとうそくど, infiltration rate)という。
浸透計
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浸透計︵しんとうけい, Infiltrometer︶は、土壌の表面に設置して、浸透量や浸透速度を測る道具。複雑な構造は必要ではないので、簡単な道具を使えば測定可能である。まず、ある程度の長さがある水を通さない金属の筒などを、数十センチくらい地表に出した状態で土壌に差し込み、筒に長いものさしを固定する。次に筒の中に水を流し込み、時間を計測しながら水の高さの減少量を測っていく。
浸透量の単純算出
編集浸透力・保水力
編集土壌が水を浸透させる能力を浸透力(しんとうりょく)や浸透性、土壌が浸透させた水を保持する能力を保水力(ほすいりょく)や保水性という。
出典
編集- 第3回 土壌・地下水汚染シンポジウム-浸透・生物影響・生物解- 環境省, 国立環境研究所. 1988.