熟語
複数の語や形態素が比較的強く結びつき、独立したまとまりをなす表現
熟語(じゅくご)とは、複数の語や形態素が比較的強く結びつき、独立したまとまりをなす表現を指す用語である。この用語は文脈によって定義付けが少しずつ異なる。
慣用表現としての熟語
編集俚諺や格言としての熟語
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熟語の原義は﹁こなれた︵熟︶、ことば︵語︶﹂であり、漢字文化圏において頻用される格言などを意味することもある[5]。特に中国語で熟語︵拼音: ︶といった場合、以下のような表現を総括する用語とされる[6]。
●﹁矛盾﹂﹁破天荒﹂﹁臥薪嘗胆﹂など、故事と呼ばれる古典から引用される短い表現。成語︵せいご、拼音: ︶と称される。中国語だけではなく、日本語にも流入した表現が多い。成語の大部分は漢字4字で構成される。
●﹁騎驢看唱本、走著瞧﹂︵ロバの上で歌の本を読む、成り行きを見守る︶など、前の句と後の句からなる一種のしゃれ言葉。歇後語︵けつごご、拼音: ︶と称される。上述の例の場合、﹁看﹂と﹁瞧﹂をかけている。﹁塞翁失馬、因禍得福﹂︵塞翁が馬、災い転じて福と成す︶のように故事に由来するものは、上記の成語と重なる。日本語には馴染みないものがほとんどであるが、﹁井の中の蛙、大海知らず﹂﹁兎の逆立ち、耳が痛い﹂のように歇後語の影響を受けたと考えられる表現も散見する。
●その他雑多な諺は﹁諺語﹂︵拼音: ︶﹁俗語﹂︵拼音: ︶などと称される。
複合語としての熟語
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複数の語が結合して、1つの語となったものを熟語と称することもある[7]。「うみかぜ」「月明かり」「年忘れ」などの語がこれに該当するが、通常これらは複合語(compound)と呼ばれることが多い。
漢字と熟語
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四字熟語
編集「四字熟語」を参照
漢字4字で構成される表現を四字熟語と称することもある。この用語の意味する範囲は文脈によってまちまちであるが、試験などで問われる狭い意味での四字熟語は、﹁臥薪嘗胆﹂のような4字の故事成語や、﹁色即是空﹂のような4字の仏教語に限定されるという[10]。
出典
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(一)^ ﹃漢字百科大事典﹄明治書院、1996年1月、90頁。
(二)^ ﹃言語学大辞典﹄第6巻、三省堂、1996年1月、51-53頁。
(三)^ 小池直己、佐藤誠司 ﹃中学英語を5日間でやり直す本 ︿パワーアップ編﹀﹄PHP研究所、2005年3月、92-93頁。
(四)^ 国立情報学研究所﹁J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター﹂ 2011年1月19日閲覧。
(五)^ ﹃日本国語大辞典﹄第6巻、小学館、2001年5月、第二版。
(六)^ ﹃中日大辞典﹄ 愛知大学中日大辞典編纂処、大修館書店、1987年2月、増訂第二版
(七)^ ﹃類語大辞典﹄講談社、2002年11月。
(八)^ ﹃ベネッセ表現・読解国語辞典﹄ベネッセコーポレーション、2003年5月。
(九)^ ﹃小学館日本語新辞典﹄小学館、2004年11月。
(十)^ 高島俊男 ﹃ちょっとヘンだぞ四字熟語﹄文藝春秋、2009年3月、12-14頁。