物質微分

流れに乗って移動する流体粒子の物理量の時間変化率

物質微分(ぶっしつびぶん、: material derivative)とは流れに乗って移動する流体粒子の物理量 (温度運動量)の時間変化率のことで、連続体力学の概念の一つである。固定された場所での物理量の時間変化でなく、流れに乗って動く仮想的な「観測者」が観た物理量の時間変化を記述する。

連続体力学



  [1]

[2][3][4][5]

定義

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2

直観的意味

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( )

 

   

  

定常流

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(   )沿  

定常流における加速度

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0沿沿

 

           
導出
 

ただし、 曲線の曲率についての関係式

 

を使った。

加速度の流線方向の成分は流線にそった速さの変化率に対応し、加速度の法線方向の成分は流線が曲がることによる向心加速度に対応する。

ベルヌーイの定理と流線曲率の定理

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   ()

 



 

使

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対流項

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             [5]      

使[5]

 



 


エディントンのイプシロンを用いた導出



 

使

 



 


曲線直交座標系

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         [6]

 



 

  



 

   

  ()2

 



       

 

     使

相対論的物質微分

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時間 の代わりに固有時間 による物質微分を構成することもできる.具体的に,次式で与えられる[要出典]

 

 は流体の四元速度, は四元時空を変数とするベクトルである.とくに, を速度とすると,測地線方程式となり,零になる.

 

脚注

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出典

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  1. ^ 吉澤徴『流体力学』東京大学出版、2001年9月6日初版発行、ISBN 4130626035
  2. ^ 田村武『連続体力学入門』朝倉書店、2000年2月20日初版1刷発行、ISBN 4254201028
  3. ^ 日野幹雄『流体力学』朝倉書店、1992年12月10日初版1刷発行、ISBN 4254200668
  4. ^ 中村育雄『流体解析ハンドブック』共立出版、1998年3月20日初版1刷発行、ISBN 4320081188
  5. ^ a b c 巽友正 『新物理学シリーズ21 流体力学』 培風館、1982年 4月15日初版発行、ISBN 4-563-02421-X
  6. ^ Eric W. Weisstein "Convective Operator" MathWorld http://mathworld.wolfram.com/ConvectiveOperator.html

関連項目

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