稲葉京子
稲葉京子︵いなば きょうこ、1933年6月1日 - 2016年11月19日[1]︶は、日本の歌人。歌誌﹁短歌﹂選者。
愛知県江南市生まれ。本名は大竹京子。1952年愛知県立尾北高等学校卒。小学校教師となるが、体力がなく翌年退職。童話を書くようになり、与田準一の紹介で同人誌﹁童話﹂に入会。1957年﹃婦人朝日﹄に投歌、選者の大野誠夫の薦めで﹁砂廊﹂︵のち﹁作風﹂︶入会。同年、﹁中部短歌会﹂にも入会。1958年銀行員と結婚。
童話を書いていた経験から、初期作品は少女の夢想のような物語性が濃い。第一歌集﹃ガラスの檻﹄は青井史に﹁現代のメルヘン﹂と評された[2]。後年は人生の悲哀を深く見つめた作風へと変化した[3]。
受賞歴
編集
●1960年、﹁小さき宴﹂で第6回角川短歌賞受賞。
●1981年、﹃槐の傘﹄で第6回現代短歌女流賞受賞。
●1990年、﹁白蛍﹂で第26回短歌研究賞受賞。
●2006年、﹃椿の館﹄で第21回詩歌文学館賞および第4回前川佐美雄賞受賞。
著書
編集- 『ガラスの檻』砂子屋書房 1961 現代短歌社 第1歌集文庫 2013
- 『柊の門』桜桃書林 1975
- 『槐の傘』 1981
- 『桜花の領 稲葉京子歌集』短歌新聞社 昭和歌人集成 1984
- 『稲葉京子集』牧羊社 現代短歌入門自解100歌選 1986
- 『葛原妙子 鑑賞・現代短歌』本阿弥書店 1992
- 『稲葉京子歌集』砂子屋書房 現代短歌文庫 1993
- 『紅梅坂 稲葉京子歌集』砂子屋書房 1996
- 『秋の琴 歌集』短歌研究社 1997
- 『紅を汲む 稲葉京子歌集』短歌新聞社 現代女流短歌全集 1999
- 『天の椿 稲葉京子歌集』雁書館 中部短歌叢書 2000
- 『宴 稲葉京子歌集』砂子屋書房 中部短歌叢書 2002
- 『風よりも 稲葉京子自選歌集』短歌新聞社 新現代歌人叢書 2005
- 『椿の館 稲葉京子歌集』短歌研究社 中部短歌叢書 2005
- 『花あるやうに 稲葉京子歌集』角川短歌叢書 2006
- 『忘れずあらむ 歌集』不識書院 中部短歌叢書 2011
脚注
編集- ^ “歌人の稲葉京子さん死去 歌集「椿の館」で詩歌文学館賞”. 朝日新聞. (2016年11月21日) 2016年11月21日閲覧。
- ^ 『私の第一歌集(上)』ながらみ書房、1992
- ^ 馬場あき子編『現代短歌の鑑賞事典』東京堂出版、2006年
参考文献
編集- 文藝年鑑2007
- 現代短歌全集 著者紹介
- 中部短歌会