: linear topological space R C


定義

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 K EE  

 



 

2 K K-

名称

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線型位相空間には下にあげるように様々な呼び方がある。日本語としては『岩波数学事典』(日本数学会編 1985)で用いられている線型位相空間が多く見られ、英語圏では位相ベクトル空間(topological vector space)が用いられている。

  • 線型位相空間または線形位相空間(linear topological space)
  • ベクトル位相空間(vector topological space)
  • 位相線型空間または位相線形空間(topological linear space)
  • 位相ベクトル空間(topological vector space)

線型位相空間の例

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係数体 K 自身は K 上 1 次元の線型位相空間を与えている。実・複素線型位相空間のより非自明な例としてルベーグ p-乗可積分関数の空間 Lp(R) (1 ≤ p ≤ ∞) などのバナッハ空間、とくにヒルベルト空間である自乗可積分な関数の空間 L2(R)や自乗総和可能数列空間 l2(N)、あるいはノルム空間でない例として急減少関数の空間 S(R) やソボレフ空間などがあげられる。

連続線型写像

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continuous linear functionbounded [linear] operator

 




不連続な線型写像

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L2R 

双対空間

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 E KfunctionalE  E*  E E (algebraic dual) HomK(E, K)  (smooth dual) 

E  E*  E E* E* E  E*  E** E  E E** E  E**  E, reflexive

 f: E F f

 


弱位相

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E E* E  E*  EE 

 l2N 0 E × F σ E  (σ(-, f))fF  E σ σ  F

E*  E E* × E K E*  *-

直交空間

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E の部分空間 F に対し、E* における F直交空間

 

によって定められる。

局所凸位相

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 E S2 x, y S

 

0  S



 |λ|  1  λ  λS  S S (balanced) 



S  r.S (r  R)  E S E (absorbent) 

0 

 0  E  p(x + y)  p(x) + p(y)  p(λx) = |λ|p(x)  pp(x)  1  S

p(x) =inf{r  0 | x r.S}

 E R

0  0  (pi)i 

発展的な話題

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コンパクト作用素・核型作用素

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線型位相空間の間の線型連続写像で、弱収束しているベクトルの列を強収束している列に移すようなものはコンパクト作用素とよばれる。 また、線型位相空間からバナッハ空間へのコンパクト作用素のに対してトレースの有界性にあたる概念が定式化できるが、この有界性が満たされているものは核型作用素とよばれる。

「恒等写像が核型作用素になっている」ような空間は核型空間とよばれる。核型空間の例として急減少関数の空間 S(R) や急減少数列の空間が挙げられる。

テンソル積

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二つの線型位相空間の代数的なテンソル積上に考えられる妥当な位相は一意とは限らず、射影テンソル積単射テンソル積など自然に定義される様々な位相が考えられる。片方の線型位相空間が核型である場合にはこれらの位相は一致し、テンソル積上の妥当な位相が一意的に定まることになる。

歴史

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ダフィット・ヒルベルトによる二乗和可能な数列の空間の導入、バナッハら東欧の数学者たちによるノルム空間の研究、アンリ・ルベーグによる積分論の再構成、ローラン・シュヴァルツによる超関数の数学的な定式化、ジャン・デュドネらによる局所凸空間やその双対空間の研究、アレクサンドル・グロタンディークによる核型空間と位相的テンソル積に関する研究などが挙げられる。

関連項目

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脚注

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参考文献

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  31985ISBN 4000800167 NCID BN00086340 

,   ,  1︿2019861015ISBN 4489002033 
 20,   ,  2︿2119861015ISBN 4489002041 

,   ,   ︿2219861015ISBN 448900205X 

Lax, Peter (2002). Functional Analysis. New York: Wiley-Interscience. ISBN 0471556041. NCID BA56608154