自由落下
一様重力下での自由落下運動(落体の法則) 編集
地表付近の十分に狭い空間内にある物体は、その位置に関係無く一定の重力を受けると考えることができる。このような物体の自由落下運動は、鉛直方向下向きに一定の重力加速度 gで加速する運動と考えることができる。
鉛直方向上向きに 軸をとり、運動を開始する位置を とする。物体を 平面内で投射角 、初速 で投げ上げた場合、速度及び位置は、真空中若しくは空気の抵抗を無視した場合、
●速度
●位置
となる。[1]この物体の軌跡は放物線となる。
物体を初速度ゼロで静かに落下させた場合の等加速度直線運動は、この特殊な場合と言える。逆に、放物運動を水平方向の等速直線運動と自由落下︵鉛直方向の等加速度直線運動︶の合成とする説明もなされる。これらの自由落下に関する事柄は﹁落体の法則﹂と呼ばれることがある。
空気抵抗を伴った自由落下
物体が大気中を運動する場合は空気抵抗を受けるため、厳密には自由落下とは呼べない。にもかかわらず、物体の落下運動が明らかに空気抵抗の影響を受けている場合でも自由落下と呼ぶことがある。落下する物体が空気抵抗を受ける場合、空気抵抗は物体の密度に反比例し、回転や形状や気流によっても異なり、下部表面積や速度に比例するため、無限の時間が経過すれば空気抵抗と重力が釣り合って等速運動となる。このときの速度を終端速度という。物体の運動速度が終端速度に比べて十分に小さい場合、例えば実験室中でおもりの落下運動を観察する場合などは、空気抵抗を無視して自由落下と考えて差し支えない。
空気抵抗を受けながら自由落下する物体の落下速度及び位置︵高度︶は、落下速度を 、高度を とすると次のようになる。ただし落下速度、高度ともに鉛直上向きを正とする。
は物体の初期高度、 は初速度、 は質量、 は空気抵抗係数である。
終端速度 は の極限をとることで求められる。