差集合
(補集合から転送)
定義
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集合 Bから集合 Aに属する元を間引いて得られる集合を
または B− Aと表現し、B から Aを引いた差、差集合あるいは Bにおける Aの︵相対︶補集合と呼ぶ。記号を用いて書けば、
すなわち
が差集合の定義である。これは A∩ Bとは限らない場合にも定義される。後述の補集合の言葉で書けば、
とは、B における A∩ Bの補集合である。なお、一般に集合の差は交換法則を満たさない‥
これらが等しくなるのは、 A= Bのとき、またそのときに限る。
注意
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集合 A, Bが加法﹁+﹂を持つ代数的構造︵特に加法群︶の部分集合であるとき、 B− Aは集合 {b − a| a∈ A, b∈ B} と紛らわしいので、この記法を使用する場合は注意が必要である。
また、LaTeXで入力するとき、差集合としては
) ではなく
) を用いるか[3][4]、
) を用いる[5][4]。
B \backs
lash A
(B \setminus A
(B \smallsetminus
A
(例
編集このとき
であり、
である。
補集合
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全体集合や普遍集合[注釈1]などと呼ばれる︵大きな︶集合 Uを固定して、その部分集合についてのみ考えているとき︵例えば、U が自然数全体、実数全体やある位相空間であるときなど︶ Uの部分集合 Aについて、
を Aの︵絶対︶補集合︵ほしゅうごう︶[注釈2]といい、U が了解されている文脈では単に
●
●
●
のように表す。
●ある集合の補集合の補集合は、もとの集合自身である。
●自然数について考えているとき、奇数全体の集合の補集合は偶数全体の集合である。
●実数全体 Rについて考えているとき、有理数全体 Qの補集合
は無理数全体である。
注意
編集ド・モルガンの法則
編集関連項目
編集注釈
編集出典
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(一)^ "差集合". ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. コトバンクより2022年2月15日閲覧。
(二)^ "補集合". ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. コトバンクより2022年2月15日閲覧。
(三)^ Knuth, D. (1986). The TeXbook. Addison–Wesley. p. 436. ISBN 0-201-13447-0
(四)^ ab小田忠雄﹁数学の常識・非常識‥由緒正しいTeX入力法﹂︵PDF︶﹃数学通信﹄第4巻第1号、1999年5月、95–112頁。
(五)^ “Users’ guide to the fonts (for version 2.2d)”. CTAN. p. 20. 2023年11月7日閲覧。
(六)^ 丹下基生﹃SGCライブラリ-163 例題形式で探求する集合・位相(連続写像の織りなすトポロジーの世界)﹄サイエンス社、2020年、p.6