言文一致

明治時代に起こった、口語体を用いて日本語の文章を書く運動

言文一致(げんぶんいっち)とは、日常に用いられる話し言葉に近い口語体を用いて文章を書くこと、もしくはその結果、口語体で書かれた文章のことを指す。

概要

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音声言語とそれに対応する文字言語をともにもつ言語にて問題となる。日本語で特に注釈なく用いられた場合、この語は日本語での言文一致をさす。以下の記述でも同様である。

日本語を主要な言語とする日本では、明治時代に言文一致運動の高揚からそれまで用いられてきた文語文に代わって行われるようになった。言文一致運動とは言文一致を実践することを主旨とする。したがって、言文一致の実践は言文一致運動と不可分だった。文脈によっては主に言文一致運動の意味で言文一致の語が用いられている場合がある。

各国における運動

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日本語

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1887

調

使



[1]調21[2]

1885225

1886321

18877調9

18881220西調189010

1900618   1902930410

例文

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文語 口語
創世記 元始に神天地を創造たまへり
地は定形なく曠空くして黑暗淵の面にあり神の靈水の面を覆たりき
神光あれと言たまひければ光ありき(明治元訳聖書
はじめに神は天と地とを創造された。
地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてをおおっていた。
神は「光あれ」と言われた。すると光があった。(口語訳聖書
刑法38条2項[3] 罪本重カル可クシテ犯ストキ知ラサル者ハ其重キニ従テ処断スルコトヲ得ス 重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。

中国・中華圏

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脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ 水野葉舟言文一致」 - 青空文庫
  2. ^ “六法ようやく口語体で統一へ 「スルコトヲ得」やめます”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2018年5月18日). オリジナルの2018年5月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180518002252/https://www.asahi.com/articles/ASL5K75X0L5KUTIL02V.html 2023年9月24日閲覧。 
  3. ^ 文語体の法律 - 京橋・宝町法律事務所

関連文献

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関連項目

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外部リンク

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