辻本豪三
来歴
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奈良県出身[1]。1978年、北海道大学医学部卒業。淀川キリスト教病院、東京女子医科大学脳神経センター、東京国立病院、スタンフォード大学への留学を経て、1984年、山梨医科大学薬理学教室助手、のち講師[5]。1985年、﹁Desensitization of β-adrenergic receptor-mediated vascular smooth muscle relaxation︵アドレナリン作働性β受容体を介する血管弛緩反応の脱感作現象︶﹂により、信州大学から医学博士を取得[6]。1989年、文部省在外研究によりアメリカ国立衛生研究所・国立がんセンターへ派遣、引き続き1990年にメリーランド大学ボルチモア校 (University of Maryland, Baltimore) 招聘教授として米国に滞在[5][7]。1991年、国立小児病院︵国立成育医療研究センターの前身の一つ︶小児医療研究センターを経て、2002年、京都大学大学院薬学研究科教授[5]。
辻本が研究するゲノム創薬は、ヒトゲノムの解析を基に、新しい薬物療法を開発し、最終的には至適薬物療法︵テーラーメード医療︶の実現を目指すものである[3][5]。腎炎の進行に関与する酵素の特定[8]、肥満の原因遺伝子の発見[9]など、一般に注目される[誰によって?]研究成果も上げた。
辻本は、2012年6月28日付で﹁一身上の都合﹂により京都大学を退職した[10]。その後、2012年7月31日に至り、京都大学が行った物品購入に絡む収賄の容疑で、東京地方検察庁特別捜査部に逮捕された[10]。2014年2月17日、東京地方裁判所で懲役2年・追徴金940万円の実刑判決が言い渡された[11]。その後控訴し、2015年2月26日に、二審の東京高等裁判所にて懲役1年8ヶ月・追徴金940万円の実刑判決となり[12]、翌年の8月30日付けで上告が棄却され、高裁判決が確定した[13]。すでに退職していたため、京都大学からは懲戒解雇相当の処分を受けている[14]。京都大学は、研究費が不正使用されたとして辻本に約1億5000万円の損害賠償を求める訴訟を起こし、2019年11月5日、京都地方裁判所は全額の支払いを命じた[15]。
著書
編集単著
編集- α交感神経受容体の分子治療学―遺伝子から機能へ、メディカルレビュー社、1997
主な共編著
編集出典・脚注
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(一)^ abゲノム創薬の研究現状および展望 - SciencePortal China 第48号
(二)^ “科学研究助成費データベース 辻本豪三”. 国立情報学研究所. 2012年8月12日閲覧。
(三)^ ab“1101000 - ゲノム創薬概論(辻本 豪三), 前期不定”. 京都大学. 2012年8月14日閲覧。
(四)^ 鍛冶信太郎 (2012年8月1日). “ゲノム創薬 第一人者”. 朝日新聞︵朝刊︶: p. 38
(五)^ abcd辻本豪三 (2008). “テーラーメイド医療の展望” (PDF). TDM研究 (日本TDM学会) (3): s54-s55 2012年8月14日閲覧。.
(六)^ “Desensitization of β-adrenergic receptor-mediated vascular smooth muscle relaxation 辻本豪三”. 国立国会図書館. 2012年8月14日閲覧。
(七)^ 典拠とした資料には﹁メリーランド州立大学ボルチモア校﹂とあるが、ボルチモアにある医科大学院のある州立大学は University of Maryland, Baltimore であり、通常は﹁メリーランド大学ボルチモア校﹂と表現されるので、ここでは表記を改めた。
(八)^ “腎炎の進行に関与のたんぱく質を特定 京大、治療薬に道”. 朝日新聞︵夕刊︶: p. 9. (2005年5月20日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
(九)^ “肥満の原因遺伝子を発見 予防に役立つかも”. 朝日新聞︵朝刊・大阪︶: p. 39. (2012年2月20日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
(十)^ ab小林恵士、須藤龍也﹁元京大教授を逮捕 入札巡り600万円収賄容疑 東京地検﹂﹃朝日新聞︵夕刊︶﹄2012年7月31日、12面。 - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
(11)^ 京大の汚職事件、元教授に実刑判決…東京地裁 読売新聞 2014年2月17日
(12)^
収賄罪に問われた京大元教授の二審判決、懲役1年8月の実刑 バイオの社 2015年2月26日付
(13)^
京都大元教授の物品納入汚職、懲役1年8カ月確定 朝日新聞 2016年8月31日付
(14)^ “元京大教授を懲戒解雇相当 贈収賄事件で実刑”. 産経新聞社. (2017年4月18日) 2017年7月2日閲覧。
(15)^ “研究費不正の京大元教授に賠償命令1億5000万円”. サンケイスポーツ. (2019年11月5日) 2019年11月30日閲覧。
外部リンク
編集- 研究者 辻本豪三 - J-GLOBAL