追想五断章
﹃追想五断章﹄︵ついそうごだんしょう︶は、米澤穂信による日本の推理小説。﹃小説すばる﹄︵集英社︶2008年6月号から12月号に掲載され、2009年8月30日に刊行された。後に文庫化され、集英社文庫︵集英社︶より2012年4月25日に刊行された。
追想五断章 | ||
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著者 | 米澤穂信 | |
発行日 |
2009年8月30日(単行本) 2012年4月25日(文庫本) | |
発行元 | 集英社 | |
ジャンル | ミステリー | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 四六版上製(単行本) | |
ページ数 |
242(単行本) 296(文庫本) | |
コード |
ISBN 978-4-08-771304-6(単行本) ISBN 978-4-08-746818-2(文庫本) | |
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概要
編集第63回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門候補作[1]。「このミステリーがすごい!」2010年および「本格ミステリ・ベスト10」2010年版で第4位、「週刊文春ミステリーベスト10」2009年で第5位、「ミステリが読みたい!」2010年版で第3位にランクインした。
作者は本作について、それまでは〈古典部〉シリーズや〈小市民〉シリーズなど中高生が主人公のものが多かったが、いろんな人から「もう少し年齢が上の主人公も読んでみたい」と言われていたうえ、本作連載スタート時の担当者から連載依頼時に「渋い話を」と頼まれたと述べている[2]。
ストーリー
編集ある日、古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、店に来た女性・北里可南子に、彼女の父が生前に書いたという結末の伏せられた5つのリドル・ストーリーを探してほしいと依頼される。報酬に惹かれて依頼を請け負った芳光は、調査を続けるうちに22年前に起こった未解決事件「アントワープの銃声」の存在を知る。
登場人物
編集
菅生芳光︵すごう よしみつ︶
大学生。学費が続かなくなったため休学し、武蔵野市で伯父の営む古書店﹁菅生書店﹂に住み込みでアルバイトをしている。
北里可南子︵きたざと かなこ︶
父が生前に書いた小説を探すために長野県の松本市から出てきた。
久瀬笙子︵くぜ しょうこ︶
大学生。就職活動と卒業論文とサークル活動の合間に﹁菅生書店﹂のアルバイトに来ている。
菅生広一郎︵すごう こういちろう︶
芳光の伯父。﹁菅生書店﹂の店主。
菅生花枝︵すごう はなえ︶
芳光の母。夫を亡くした後、一人掛川市の家に住んでいる。
北里参吾︵きたざと さんご︶
可南子の父。未解決事件の被疑者となった後、五つの短編小説を執筆する。前年、癌で死去。
北里斗満子︵きたざと とまこ︶
可南子の母。可南子が幼い頃にベルギーのアントワープで謎の死を遂げた。
市橋尚造︵いちはし しょうぞう︶
駒込大学教授。芳光に﹁アントワープの銃声﹂のことを教える。
宮内正一︵みやうち しょういち︶
参吾の大学時代の友人。﹁朝霞句会﹂の主宰者。
弦巻彰男︵つるまき あきお︶
雑誌﹃深層﹄の記者。斗満子の死の謎を記事にし、﹁アントワープの銃声﹂と名付ける。
脚注
編集- ^ このときの受賞作は飴村行『粘膜蜥蜴』である(2010年 第63回 日本推理作家協会賞 日本推理作家協会公式サイト参照)。
- ^ “『追想五断章』米澤穂信”. 集英社 文芸公式サイト『RENZABURO』. 2020年7月10日閲覧。