過失犯

過失を成立要件とする犯罪

 Fahrlässigkeitsdelikt 

 ( Fahrlässigkeit ) 
  • 刑法は、以下で条数のみ記載する。

過失犯の歴史

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[1][1][1]

日本における過失犯処罰規定

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381



209210 - 

2111 - 

116

1172

1172

122

129



 - 


過失犯の構造論

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旧過失論

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(1)(2)(3)


旧過失論への批判

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(3)(2)


新過失論

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(1)(2)(3)






危惧感説

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過失の具体的判断過程

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50km

[2]

許された危険、信頼の原則

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認識ある過失

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 ( bewusste Fahrlässigkeit, luxuria )  ( unbewusste Fahrlässigkeit, negligentia ) 



 ( Eventualvorsatz ) 

重過失

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重過失失火罪
失火罪又は激発物破裂罪の行為が重大な過失によるときは、3年以下の禁錮又は150万円以下の罰金に処する(刑法117条の2)。
重過失致死傷罪
重大な過失により人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する(刑法211条後段)。

業務上の過失

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刑法上、業務上の過失が構成要件とされている例がある。

業務とは、本来人が社会生活上の地位に基づき反復継続して行う行為をいい、かつその行為は他人の身体生命等に危害を加えるおそれのあるものであることを必要とするとされる(最高裁昭和33年4月18日判決・刑集12巻6号1090頁)。

業務上失火罪、業務上過失激発物破裂罪
失火罪又は激発物破裂罪の行為が業務上必要な注意を怠ったことによるときは、3年以下の禁錮又は150万円以下の罰金に処する(刑法117条の2)。
業務上過失致傷罪
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する(刑法211条前段)。
業務上過失往来危険・業務上過失汽車転覆等
業務上の過失により汽車、電車、もしくは艦船の往来の危険を生じさせ、または汽車もしくは電車を転覆させ、もしくは破壊し、もしくは艦船を転覆させ、沈没させ、もしくは破壊した者は3年以下の禁錮または50万円以下の罰金に処せられる。(刑法129条2項)

監督過失

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脚注

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  1. ^ a b c 『つい他人に話したくなる 雑学おもしろ読本』、127-128頁。
  2. ^ 厳密には、過失犯での主観的構成要件要素である構成要件的過失では結果回避義務違反が要求され、客観的構成要件要素である実行行為では結果回避義務違反行為が要求されている。しかし、通常はこのように厳密に分けて議論されることは稀であり、構成要件段階で過失があるか否かというテーマの中で、予見可能性・(予見義務違反)・(結果回避可能性)・結果回避義務違反・結果の発生との因果関係があることを認定すれば、それで構成要件該当性は満たされるということも可能である。ここでいう結果回避義務違反は、あくまで主観的要素を構成するものであり内心の問題ととらえざるをえないから、正確には(結果回避可能性を前提とした)不相当な結果回避義務違反行為(実行行為)に向けての意識ないし無意識という意味に理解できる。犬が暴れだしたら他人に襲い掛かってしまうような状態に緩やかに手綱を持っていることが結果回避義務違反行為であり、そのような緩やかに手綱を持った状態に至っている心理状態や人格態度(意識ないし無意識)のことを結果回避義務違反とみることができる。ただし、実際にはここまでの厳密さは要求されていないと考えられる。

関連項目

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参考文献

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  • 『つい他人に話したくなる 雑学おもしろ読本』 日本社、1981年6月8日、127-128頁。ISBN 493113202-2