野性の少年
『野性の少年』(やせいのしょうねん、L'Enfant sauvage)は1970年のフランス映画。フランソワ・トリュフォー監督がJ・M・G・イタールによるアヴェロンの野生児の記録を映画化した。
野性の少年 | |
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L’Enfant sauvage | |
監督 | フランソワ・トリュフォー |
脚本 |
フランソワ・トリュフォー ジャン・グリュオー |
製作 | マルセル・ベルベール |
出演者 |
ジャン=ピエール・カルゴル フランソワ・トリュフォー |
音楽 | アントワーヌ・デュアメル |
撮影 | ネストール・アルメンドロス |
編集 | ヤン・デデ |
公開 |
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上映時間 | 85分 |
製作国 |
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言語 | フランス語 |
ストーリー
編集「ジャン=ピエール・レオーに」(献辞)
フランス中部の森林地帯アヴェロンで、獣の習性をもった、野性の少年が捕えられた。百姓たちはその処置にこまったが、ひとり、レミー老人(P・ビレ)だけが、この野性児に愛情ある接し方をした。やがて、少年はパリの聾唖者研究所に、研究のため引き取られた。そこのイタール博士(F・トリュフォ)と上役のピネル教授(J・ダステ)が少年を検査した結果、彼は赤ん坊の時、両親に喉を切られ、死んだと思って森に捨てられた、ということになった。この傷によって、少年は十二歳位だと判断された。少年は世間の関心を集め、見世物にされたり、悪戯されたりした。その興味が薄れた時、少年はもっと悲惨に扱われた。これをみかねたイタールは、少年の白痴的症状は、人間文化の不足によるものだとして、自分の家に引き取って、自説を証明しようとした。ビクトル(J・P・カルゴル)と名づけられた少年は、その日から、人間になるための困難な道を歩みはじめた。イタールはその過程を、克明に記録していった。それは人間味あふれる闘いであり、感情のコミュニケーションであった。家政婦のゲラン夫人(F・セニエ)も、やさしい心で少年に接し、協力した。少年の感性は、目覚めつつあった。初めて涙をながし、初めて「ミルク」と言った。そして、不当に罰せられると、反抗するようになった。これは大きな進歩であった。イタールは喜びのあまり叫んだ。「君はもう人間だ」。しかし、イタールにも失意の日はあった。絶望的になり、自分のしていることの意味がわからなくなることもあった。そして、ついにある日、ビクトルが逃亡した。だが、人間的感情を身につけてしまった少年には、一人ぼっちで自然にいることは耐えられなかった。みじめな様子でもどってきた少年を見て、イタールは自分の行ってきたことの成果をこんどこそ確信した。その時から、また彼とビクトルの新たなる勉強が、始まったのだった。
キャスト
編集- ヴィクトール(アヴェロンの野生児):ジャン=ピエール・カルゴル
- ジャン・イタール:フランソワ・トリュフォー (金内吉男)
- フィリップ・ピネル:ジャン・ダステ
- ゲラン夫人:フランソワーズ・セニエ
- レミー:ポール・ヴィレ
- 聾唖学院の看護人:ピエール・ファーブル
- レムリ氏:クロード・ミレール
- レムリ夫人:アニー・ミレール
- 赤ん坊:ナタン・ミレール