鉄道営業法(てつどうえいぎょうほう、明治33年法律第65号)は、鉄道の職制、運転、運送等に関する日本法律である。国土交通省鉄道局鉄道事業課が所管する。

鉄道営業法
日本国政府国章(準)
日本の法令
通称・略称 鉄営法
法令番号 明治33年法律第65号
種類 経済法
効力 現行法
成立 1900年2月22日
公布 1900年3月16日
施行 1900年10月1日
所管逓信省→)
(帝國鉄道庁→)
(鉄道院→)
鉄道省→)
運輸通信省→)
運輸省→)
国土交通省
[鉄道局→監督局→鉄道総局→鉄道監督局地域交通局鉄道局
主な内容 鉄道の運輸と利用者の関係
関連法令 鉄道事業法消費者契約法
条文リンク 鉄道営業法 - e-Gov法令検索
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構成

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  • 第1章 鉄道ノ設備及運送(1条 - 18条ノ4)
  • 第2章 鉄道係員(19条 - 28条ノ2)
  • 第3章 旅客及公衆(29条 - 43条)




主な法解釈

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22121

152[1]

26[2]

34242退2[3]

罰則

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1000112 4683444671
  • 鉄道係員職務取扱中旅客若は公衆に対し失行ありたるとき(24条):罰金又は科料
  • 鉄道係員職務上の義務に違背し又は職務を怠り旅客若は公衆に危害を醸すの虞ある所為ありたるとき(25条):三月以下の懲役又は罰金
  • 鉄道係員道路踏切の開通を怠り又は故なく車両其の他の器具を踏切に留置し因て往来を妨害したるとき(28条):罰金又は科料
  • 鉄道係員の許諾を受けすして左(以下)の所為を為したる者:罰金又は科料
    • 有効の乗車券なくして乗車したるとき
    • 乗車券に指示したるものより優等の車に乗りたるとき
    • 乗車券に指示したる停車場に於て下車せさるとき
  • 列車警報機を濫用したる者(32条):罰金又は科料
  • 旅客左(以下)の所為を為したるとき(33条):罰金又は科料
    • 列車運転中乗降したるとき
    • 列車運転中車両の側面に在る車扉を開きたるとき
    • 列車中旅客乗用に供せさる箇所に乗りたるとき
  • 制止を肯せすして左の所為を為したる者(34条):科料
    • 停車場其の他鉄道地内吸煙禁止の場所及吸煙禁止の車内に於て吸煙したるとき
    • 婦人の為に設けたる待合室及車室等に男子妄に立入りたるとき(ただし、現代の女性専用車両には適用されない)
  • 鉄道係員の許諾を受けすして車内、停車場其の他鉄道地内に於て旅客又は公衆に対し寄附を請ひ、物品の購買を求め、物品を配付し其の他演説勧誘等の所為を為したる者(36条1項):科料
  • 信号機を改竄、毀棄、撤去したる者(36条2項):三年以下の懲役
  • 停車場其の他鉄道地内に妄に立入りたる者(37条):科料
  • 暴行脅迫を以て鉄道係員の職務の執行を妨害したる者(38条):一年以下の懲役
  • 車内、停車場其の他鉄道地内に於て発砲したる者(39条):罰金又は科料(ここでの発砲とは、大きな音を出す事である)
  • 列車に向て瓦石類を投擲したる者(40条):科料
  • 第四条の規定に違反し伝染病患者を乗車せしめたる者、伝染病患者其の病症を隠蔽して乗車したるとき亦同し(41条1項):罰金又は科料

鉄道と軌道での矛盾

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227212219471231

本法に対応するものが失効している軌道法令

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1730

1943

2037

退 2142

2224

軌道法令で対応しなかった例

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29

32

33

34

35

36

38

39

40

退 42

40

問題点

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制定年代が古いこともあり、現代の事情にそぐわない条文の存在や、罰則が軽いことによる抑止効果の低さが問題視されている。例えば、第24条『鉄道係員職務取扱中旅客若ハ公衆ニ対シ失行アリタルトキハ三十円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス』は、失行の定義がきわめて抽象的であり、何が違法行為であるかを厳格に規定し明示することが求められる刑罰法規としてそぐわないのではないかとの指摘がある[4]。また、近年多発する線路内立ち入り事件に際し、その影響が大きいにもかかわらず第37条に定められた罰則は『停車場其ノ他鉄道地内ニ妄ニ立入リタル者ハ十円以下ノ科料ニ処ス』と軽く、線路内立ち入りに対する抑止力として作用していないと疑問視されている。ただ、本法の定める罰則が軽いのは、鉄道に関する秩序違反行為を取り締まることが本法の罰則の主目的とされていること、その行為の結果重大な事態が発生した場合、本法ではなく刑法に規定されたより重い罰則を適用することによって処罰すればよいとの解釈によるものとされる[5]

免許・資格

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脚注

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  1. ^ 本当は「満席の場合は電車に乗ってはいけない」 - プレジデントロイター、2010年5月6日
  2. ^ 鉄道法規漫筆 9. 定員のはなし、和久田康雄、電気車研究会鉄道ピクトリアル』1963年4月号(通巻143号)
  3. ^ 朝日新聞大阪版(2007年1月28日)
  4. ^ 鉄道法令、なぜ「文語体カタカナ」にこだわるのか - 東洋経済オンライン(2021年7月7日)、2022年3月21日閲覧
  5. ^ 線路立ち入り頻発、鉄道営業法の罰則が軽すぎる - 東洋経済オンライン(2021年9月21日)、2022年3月21日閲覧

関連項目

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