日本の鉄道車両検査︵にほんのてつどうしゃりょうけんさ︶では、日本の鉄道事業者による鉄道車両の検査︵点検や整備︶について説明する。鉄道車両検査は、故障による運休や鉄道事故を防いで安全に運行するために保線と並んで重要であり、法令で実施が義務付けられている。主に車両基地︵車庫︶やその中に設けられている車両工場で行なわれ、車両に対する外側のチェックから、いったん分解しての全般検査まで、規模や周期は様々である[1]。
日本の鉄道車両検査の法的な背景について以下に説明する。国土交通省の﹁鉄道に関する技術上の基準を定める省令﹂︵平成十三年十二月二十五日国土交通省令第百五十一号︶の第89条及び第90条では次のように定められている[2]。
第89条︵本線及び本線上に設ける電車線路の巡視及び監視並びに列車の検査︶
本線及び本線上に設ける電車線路は、線区の状況及び列車の運行状況に応じ、巡視しなければならない。
2本線において列車の安全な運転に支障を及ぼす災害のおそれのあるときは、当該線路を監視しなければならない。
3列車は、その種類及び運行状況に応じ、車両の主要部分の検査を行わなければならない。
第90条︵施設及び車両の定期検査︶
施設及び車両の定期検査は、その種類、構造その他使用の状況に応じ、検査の周期、対象とする部位及び方法を定めて行わなければならない。
2前項の定期検査に関する事項は、国土交通大臣が告示で定めたときは、これに従って行わなければならない。
さらに上記の省令と同時に告示の﹃施設及び車両の定期検査に関する告示﹄︵国土交通省告示第千七百八十六号︶が通達され、告示第5条で車両の検査項目や間隔などの大筋の内容が定められている[3]。これらの省令と告示に従い、各鉄道事業者が鉄道車両の検査の詳細で具体的な内容を定め、国へ届け出ることになっている。
2002年︵平成14年︶以前までは﹃鉄道車両運転規則﹄﹃新幹線運転規則﹄などの省令に従って検査が定められていた。これらの旧省令では、﹁仕様規定﹂と呼ばれるような車両の使用実態とは無関係に検査内容や検査周期を画一的に定める内容となっており、各鉄道事業者が実情に合わせて個別に検査基準を定めることができなかった。2002年の省令・告示では、技術の進歩や経済・社会のグローバル化に柔軟に対応できることを目的にして、車両が満たすべき機能が保持されていれば良しとする﹁性能規定﹂の考え方を盛り込んだ内容となった。これにより、2002年の告示では従来の検査周期も定められているが、一方で﹁ただし、耐摩耗性、耐久性等を有し、機能が別表の下欄に掲げる期間以上に確保される車両の部位にあっては、この限りでない。﹂[3]とされ、安全性が確認されれば機器毎に検査周期を各鉄道事業者が定めることができる。後述のJR東日本の新保全体系と呼ばれる検査体系は、このような省令の変遷によって許容されるようになった。
国土交通省の告示では第5条において最大検査周期︵検査期限︶が定められているが、第6条の特例において、使用を休止した上で強度や機能の低下を防止する処置を行った車両に限り、以下の期間を限度に期限を延長できる︵検査周期の計算に算入しない︶ものとしている[3]。
●状態・機能検査‥2か月︵蒸気機関車は40日︶
●重要部検査‥2年︵蒸気機関車は1年︶
●全般検査‥4年
第6条ではこのほか、現に使用を休止している車両[注釈5]や、特別の事由により検査を行うことができない車両も、それらの事由が終了するまで検査を延期できるとしている[3]。
東日本旅客鉄道︵JR東日本︶では近年の車両の技術向上を反映した﹁メンテナンスフリー﹂を図れる車両が開発されたことで、新しい検査体系の構築について検討を進めてきており、国土交通省に対して新しい検査体系の運用について制定できるよう技術基準の改定について提案をしてきた[26] 。
これを受け、2002年3月に施行された﹁鉄道に関する技術上の基準を定める省令﹂において、新しい技術の導入による耐磨耗性や耐久性に優れ、これが定められた機能以上に確保される車両の部位は、鉄道事業者自身が客観的に安全性を証明することができれば独自の検査体系を導入することが可能となった[26]。これを受け、JR東日本では2002年4月1日から209系以降の新系列電車を対象に新保全体系︵しんほぜんたいけい︶を導入した[26]。
従来からの﹁要部検査・全般検査﹂といった検査体系は、車両や機器の性能が向上したにもかかわらず、一定の検査周期を定めたものである[26]。そのため、信頼性・耐久性が向上した機器を採用して検査の省略や検査周期が延長可能な場合であっても、一定の期間ごとに決められた検査を実施することになり、言い方を変えれば過剰な検査を実施することにもなっていた[26][27] 。
これに対して新保全体系では、各機器ごとに耐摩耗性や耐久性を十分に検証した上で、各機器ごとに最適な検査周期で検査を行うものであり、安全性を確保した上での効率的な検査体系となっている[26][27]。
下記にJR東日本の新保全体系実施開始時点の対象車両を記載する[26]。
- 通勤形電車・近郊形電車・一般形電車
- 特急形電車
JR東日本では1993年︵平成5年︶初頭より、従来の車両の概念を大幅に変える﹁新系列車両﹂として209系の量産新製を開始した[27]。同系列はトータルライフサイクルコスト[注釈6]の低減と車両の大幅な軽量化による省エネルギー化、さらには部品毎に寿命を考慮して最適なメンテナンスができる設計を採用した[26]。
同系列の走行機器には三相誘導電動機を使用したVVVFインバータ制御、補助電源にはSIVの採用など電子機器を導入することで有接点機器と損耗部品の減少を図り、台車には構造の簡素化や損耗部品を減少させたボルスタレス台車を採用している[26]。特に車両の状態監視には多機能型モニタ装置を導入することでメンテナンス作業量の大幅な削減を可能としている[27]。これらの技術は、将来的に従来の検査体系を大幅に簡略化した﹁新保全体系﹂を導入することを考慮して設計したものである[27]。
その後、実際に新保全体系を実施にあたっては、このような検査体系の実施に前例がないため、事前に209系2編成︵走行距離約120万 キロメートル・新製から約7.5年︶に対して精密な解体検査を実施して経年による機器の状態や寿命の予測等の検証を行った[26]。
検証の結果、各機器の適正な検査周期を割出す事ができたが、各機器に必要な検査周期は下記の通りバラバラであり、各検査時に全ての検査をすることは手間がかかり無駄である[26]ため、検査を迎える各機器ごとにグループ化︵検査の必要な機器だけ検査をする︶することで検査効率を向上させる方式とした[26]。
各機器の検査を必要とする寿命[26]
●車輪 120万 キロメートル ︵120万キロメートル毎に検査を実施︶
●車軸軸受 180万 キロメートル︵120万キロメートル毎に検査を実施︶
●主電動機︵軸受︶ 180万 キロメートル以上︵120万キロメートル毎に検査を実施︶
●VVVF制御装置 240万 キロメートル︵120万キロメートル毎に検査を実施︶
●空制弁類 120万 キロメートル以上︵120万キロメートル毎に検査を実施︶
●車体屋根 240万 キロメートル︵240万キロメートル毎に検査を実施︶
●冷房装置60万 キロメートル以上︵60万キロメートル毎に検査を実施︶
60万 キロメートルの寿命の機器は指定保全で検査を、120万 キロメートルの寿命の機器は装置保全で、240万キロメートルの寿命の機器は車体保全で検査を実施する[26]。これは従来の検査体系︵要部検査・走行距離60万キロメートル又は4年以内、全般検査・走行距離240万 キロメートル以内又は8年以内︶からの移行も考慮して走行距離60万キロメートル毎に各検査周期を定めたものである[29] 。
以降に述べる保全内容はJR東日本を基本として記載したものであり、同様の保全体系を実施している他社では一部異なる場合もある。
各保全は走行距離毎に検査を指定しており、このうち機能保全は各車両センター︵電車区︶にて実施する。指定保全より上の保全は各総合車両センターで実施され、基本的には指定保全→装置保全→指定保全→車体保全→指定保全→装置保全…といった順で行われる。
なお、一部車両においては以下に記載の検査周期から変更されている︵﹁#検査周期延伸﹂参照︶。
6日毎に実施する[30]。
従来の交番検査[注釈7]に相当するもので、検査内容の違いで90日以内に実施する﹁機能保全︵月︶﹂と360日以内に実施する﹁機能保全︵年︶﹂がある[29]。
﹁機能保全︵月︶﹂の場合には車両のモニタ装置の自己診断機能を使用した機能確認を中心とする軽微な検査で、﹁機能保全︵年︶﹂の場合には従来の交番検査とほぼ同じ検査となる[29]。ただし、台車やドア関係の機器など重要なものは各機能保全毎に実施をしている[29]。
走行距離60万 キロメートル毎︵概ね2.5 - 4.5年程度毎︶に実施する保全で、パンタグラフや冷房装置など指定した装置の解体検査︵分解検査︶と在姿状態での機能確認検査を行う[29]。JR東日本の場合、入場から出場までは最短で5日程度となる。主な内容は以下の通り。
●パンタグラフの取り替え
●冷房装置の取り替え
●主電動機の軸受に中間給油
●空気圧縮機のオイル交換
●安全弁、速発ピン取替えなど
※上記に加え、特急車両では外板塗装、トイレ付き車両では汚物処理装置の解体検査を実施
走行距離120万キロメートル毎︵概ね5 - 9年程度毎︶に実施する。指定保全の内容に加え、台車を含めた車両全体の解体検査を行う[29]。なお、従来は台車の解体検査について要部検査︵走行距離60万キロメートル︶毎に実施していたが、台車枠や車軸軸受などの走行装置類は120万キロメートル以上の機器寿命が確認されているため、車輪取り替え時期に合わせた装置保全時に実施する[29]。主な内容は以下の通り。
- 台車枠の分解検査
- 車輪取り替え
- 車軸の探傷検査
- 主電動機の軸受グリース交換
- 基礎ブレーキの磨耗部品取り替え
- 一部電子機器の部品交換
- 空気圧縮機の空制弁類の分解検査
走行距離240万キロメートル毎︵概ね10 - 18年程度︶に実施する。指定保全・装置保全の内容に加え、機器寿命を迎える電子機器の取り替えや車体全体の大規模修繕などを施工して、車両としての機能を回復させる検査である[29]。主な内容は以下の通り。
●車体アコモ修繕
●車軸軸受の交換
●駆動装置軸受、CFRPたわみ板交換
●主電動機軸受の交換、絶縁更新
●電子機器の分解検査
●VVVF、SIV等の電子基板の交換
●屋根の塗り直し
上述した車体保全の内容は2002年4月の新保全体系開始時に考慮されたものであるが、実際に施工する時期を迎えた車両︵209系転用改造やE217系など︶への施工にあたっては、機器内の電子基板単位の細かな更新ではなく、VVVFインバータ装置やSIV装置などの主要機器一式を取り換える機器更新工事が同時施工されることがある[27]。
JR東日本では、新系列車両の割合が増加したことや、電子機器の寿命期間を従来よりも正確に判別できるようになったこと、13 - 15年程度経年した車両に対して実施することを想定した車体保全の実施時期を、運用路線によっては10年程度で迎えてしまう車両が出てきてしまうことを受け、保全周期の見直しを計画していた[31]。そこで2009年︵平成21年︶から2015年︵平成27年︶にかけて、テストカー[注釈8]を指定し、目標とする検査周期より10万キロメートル長く走行させ、検証が進められた[32][33]。
テストカーの走行実績、部外の有識者の意見を踏まえ、2019年︵令和元年︶7月1日からE231系以降の一般形車両とE653系以降の特急形車両を対象に[注釈9][34]、下記の周期が適用されている[33][35]。
●指定保全‥走行距離80万キロメートルを超えない期間ごとに実施
●装置保全‥走行距離160万キロメートルを超えない期間ごとに実施
●車体保全‥走行距離320万キロメートルを超えない期間ごとに実施
検査周期延伸の移行は、
●新製後、︵適用時期以前に︶機器保全︵指定保全・装置保全︶を施行していない新車は、新製時点から新しい周期を適用
●その他の車両は、︵適用時期以降の︶最初の装置保全または車体保全まで従来の周期で実施し、それ以降は新しい周期を適用[注釈10]
という方法で行われている[36]。
検査周期延伸後も車両の品質を保つために、
●開放型主電動機の軸受‥走行距離120万キロメートルを超えない期間で主電動機回転子風穴の気吹き清掃を行い、走行距離240万キロメートルを超えない期間で軸受を交換
●空気式戸閉装置‥解体検査周期を車体保全から装置保全へ変更
●台車枠‥ブレーキテコ受溶接部、主電動機受溶接部の改修対象台車枠は、当該箇所の溶接部の探傷検査を走行距離160万キロメートルを超えない周期で実施
上記のように、電車整備標準︵規程︶及び台車枠検査マニュアルが一部変更されている[37]。
今後、5~6年かけて対象車両の検査周期が順次延伸されていく[33]。
主電動機の気吹き清掃を省略するため、研究開発センターで開放型の主電動機を密閉式に置き換える研究が行われている[32]。
- 高橋政士『詳解 鉄道用語辞典』山海堂
- 日本鉄道車両機械技術協会『ROLLING STOCK & MACHINERY』2002年10月号「JR東日本の新しい車両保全体系(新保全体系)の概要」筆者:一木剛(JR東日本運輸車両部車両課)
- レールアンドテック出版『鉄道車両と技術』No.132「JR東日本 車両保全・検修における現状と課題」筆者:星靖夫(JR東日本 運輸車両部車両保全計画グループ)
- 日本鉄道技術協会「JREA」2011年10月号「JR東日本の車両保全体系の更なる最適化の取り組み」
- 2007年第20回鉄道総研講演会 車両のメンテナンス 発表者:石塚弘道(財団法人鉄道総合技術研究所車両構造技術研究部 部長)※インターネットアーカイブ
JR東日本では、国内人口の減少によりメンテナンスに従事する人数の減少が見込まれる状況下で、メンテナンスの必要量を削減する必要が生じていた[38]。また、近年の情報技術など汎用技術の進歩や車両の技術向上により、常時監視に近い頻度でのモニタリングによる劣化予測・状態基準保全が可能となった。これを受け、JR東日本では2018年︵平成30年︶6月1日からE235系以降の状態監視に対応した車両を対象にモニタリング保全体系を導入した[注釈11][39]。
JR東日本では、モニタリング保全体系の実現に向けて、車上での17機器[注釈12]、700項目、6000点のデータの蓄積と地上への送信が可能な状態監視に対応した車両としてE235系を導入した[40]。E353系、GV-E400系、E7系は、データの蓄積のみ行う車両として導入したため、モニタリング保全体系の対象外である[40]。
従来の機能保全(月/年)から、外観検査と最後の総合検査を除くほとんどの検査項目を運転中の機能確認に置き換えたものである[33][40][41]。
前者は90日、後者は360日以内に実施する保全である[41]。
従来の指定保全から、運転中の機能確認に置き換える検査項目を除いたものである[40][41]。
走行距離60万キロメートル毎に実施する保全で[41]、2019年7月1日からの検査周期延伸の対象である[34]。
2025年度以降に実施する計画がある[39]。
従来の装置保全・車体保全を統合の上、状態監視データの分析に基づく機器の寿命予測を検査内容に反映し、最適なタイミングでメンテナンスするものである[39][40]。
走行距離120万キロメートル毎又は240万キロメートル毎に実施する[39]。
状態監視データの分析に基づく寿命予測の方法が確立次第、状態監視データの分析に基づく機器の寿命予測を、検査内容や機器更新の時期・内容に反映し、最適なタイミングでのメンテナンスを目指す[39]。さらに、新幹線についても、状態監視データの分析に基づく機器の寿命予測を目指す[40]。
JR東海においても、2024年(令和6年)4月から313系以降に新製した在来線電車を対象に、重要部検査と全般検査の検査周期の延長を行う「新検査体系」を導入している[42]。
走行距離80万キロメートル以内、または60ヶ月(5年)以内に実施[42]。
120ヶ月(10年)以内に実施[42]。
JR西日本においても、207系以降に新製した﹁新世代電車﹂では、メンテナンス性が大幅に向上したが、それ以前に新製した﹁旧世代車両﹂と同様の検査を行っていた[43]。しかし、2018年︵平成30年︶4月から207系以降の﹁新世代電車﹂を対象に、最適な検査周期で検査を行う﹁新検査体系﹂を導入している[43]。
90日ごとに在姿状態で行う検査で、従来の交番検査に相当する。2021年度よりこの名称に変更した[44]。
走行距離80万キロメートルごとに実施する検査[43]で、台車やモーターなど走行距離によって劣化する部位を検査する[45]。下記の期間保全とはそれぞれ独立して周期が管理されている[45]。
120ヶ月(10年)ごとに実施する検査[43]で、ゴム・パッキング類の部品を使用している機器など、使用期間によって劣化する部位を検査する[45]。
(一)^ リニューアルのような大規模なものから小部品の設置・撤去など、内容は様々である。
(二)^ JR東海のN700A系とN700系は、2015年︵平成27年︶3月23日より﹁45日又は走行距離6万キロメートル﹂に規程を改定、2020年現在ではJR西日本のN700A系でも﹁45日又は走行距離6万キロメートル﹂を基準に検査を行うほか、JR西日本W7系では﹁30日又は走行距離6万キロメートル﹂を基準に検査を行う データで見るJR西日本2020 - 西日本旅客鉄道 p.118
(三)^ abc特殊車とは、雪かき車、軌道試験車、レール運搬車などの特殊な目的のための使用される専用車両のこと[19]。
(四)^ 台枠やボイラの本格的な整備・修繕が必要な場合は半年程見積もられる他、修繕に多大な時間を要する場合はそれ以上が見込まれる
(五)^ あくまでも延期であるため、使用を再開する際には検査を実施する必要がある。
(六)^ 製造費用からメンテナンス費用、電力消費量、動力費など製造から廃車になるまでに車両に掛かる費用のこと。
(七)^ 90日以内に実施
(八)^ E653系︵両数不明︶、E257系︵両数不明︶、E231系︵160両︶、E233系︵50両︶、E531系︵40両︶、E721系︵6両︶
(九)^ 初期の新系列車両︵209系、E217系、E501系、E127系、255系、701系、205系5000番台︶と、新動力車︵ハイブリッド気動車、電気式気動車等︶は対象外。
(十)^ 適用時期後に指定保全を行っても、次回の装置保全または車体保全までは新しい周期が適用されない。このため移行過程において、装置保全の次に︵指定保全を挟まず︶車体保全を行う場合、また逆に車体保全の次に装置保全を行う場合もある。
(11)^ 2018年6月1日時点ではA保全/B保全とC保全のみ実施し、装置保全・車体保全はそのまま。
(12)^ モニタ装置、WiMAX装置、パンタグラフ、マスコン、VVVFインバータ装置、SIV装置、ブレーキ制御装置、滑走防止弁装置、コンプレッサー、調圧器、ドア、戸閉保安装置、放送装置、保安装置、空調装置、蓄電池装置、標識灯
(一)^ 車両検査/車両工場 日本民営鉄道協会︵2024年4月30日閲覧︶
(二)^ “鉄道に関する技術上の基準を定める省令、最終改正‥平成二四年七月二日国土交通省令第六九号”. 総務省の﹁法令データ提供システム﹂より検索. 国土交通省、総務省行政管理局. 2015年2月8日閲覧。
(三)^ abcdefghi施設及び車両の定期検査に関する告示 国土交通省告示第千七百八十六号︵2001年12月25日︶
(四)^ abcdef石塚 2007, p. 60.
(五)^ ab“鉄道車両メンテナンス技術の動向”. jstage. 2023年6月20日閲覧。
(六)^ 井上 2012, pp. 40–45.
(七)^ ab井上 2012, p. 43.
(八)^ abc池口 2007, p. 80.
(九)^ ab福村直登ほか﹁車両運用計画自動作成アルゴリズムの開発﹂﹃鉄道総研報告﹄第22巻第6号、鉄道総合技術研究所、2008年6月、5頁。
(十)^ abcd井上孝司﹃新幹線が一番わかる﹄︵初版︶技術評論社︿しくみ図解シリーズ﹀、2009年、172-173頁。ISBN 978-4-7741-3731-5。
(11)^ “車両メンテナンス業務”. 事業内容. JR東日本運輸サービス. 2015年2月23日閲覧。
(12)^ 車輛の検査期限を超えた車両の運行について 北海道旅客鉄道釧路支社︵2023年2月22日︶2024年4月30日閲覧
(13)^ ab宮本昌幸﹃図解・電車のメカニズム﹄︵初版︶講談社、2009年、34頁。ISBN 978-4-06-257660-4。
(14)^ abc井上 2012, p. 44.
(15)^ 鉄道総合技術研究所. “月検査 つきけんさ”. 鉄道技術用語辞典. 2015年2月28日閲覧。
(16)^ 池口 2007, pp. 67–68.
(17)^ abデータで見るJR西日本2020 - 西日本旅客鉄道 p.118
(18)^ ab川辺謙一﹃[超図解]鉄道車両を知りつくす﹄学習研究社、2007年、74-75頁。ISBN 978-4-05-403569-0。
(19)^ 鉄道総合技術研究所. “特殊車 とくしゅしゃ”. 鉄道技術用語辞典. 2015年2月28日閲覧。
(20)^ abcde井上 2012, p. 45.
(21)^ ab﹃鉄道ピクトリアル﹄2013年12月臨時増刊号︵通巻884号︶﹁武蔵丘車両検修場の概要﹂pp.63-68
(22)^ abあつぎ支部だより No.147(PDf) ﹃小田急電鉄株式会社 海老名検車区見学﹄pp.4 - 5
(23)^ ﹁鉄道ダイヤ情報﹂2017年6月号︵通巻398号︶﹁西武鉄道 池袋線車両所小手指車両基地 ﹂pp.56 - 63
(24)^ 30目 車両保存費(PDF) - 横浜市 平成31年度交通局事業計画 p.13
(25)^ https://doro-chiba.org/nikkan/post_188/
(26)^ abcdefghijklmn日本鉄道車両機械技術協会﹁ROLLING STOCK & MACHINERY﹂2002年10月号メンテナンス﹁JR東日本の新しい車両保全体系︵新保全体系︶の概要﹂17-18頁記事。
(27)^ abcdefレールアンドテック出版﹁鉄道車両と技術﹂No.132﹁JR東日本 車両保全・検修における現状と課題﹂
(28)^ イカロス出版﹁首都圏新系列車両PROFILE﹂記事。
(29)^ abcdefgh日本鉄道車両機械技術協会﹃ROLLING STOCK & MACHINERY﹄2002年10月号メンテナンス﹁JR東日本の新しい車両保全体系︵新保全体系︶の概要﹂19-20頁
(30)^ 国鉄千葉動力車労働組合 (2021年9月2日) "JR東日本は仕業検査有効期間の見直し提案を撤回しろ!"
(31)^ 日本鉄道技術協会﹁JREA﹂2011年10月号﹁JR東日本の車両保全体系の更なる最適化の取り組み﹂
(32)^ ab東日本旅客鉄道労働組合 業務部 (2019年6月26日). “業務部速報 No.9” (PDF). 東日本旅客鉄道労働組合. p. 1. 2020年10月1日閲覧。 “・テストカーは、特急型の車両ではE653系、E257系。通勤近郊ではE231系、E233系、E531系、ローカル線ではE721系である。
・主電動機︵開放型︶の気吹き清掃を行うという判断に至ったのは、テストカーを走らせて、主電動機の軸受に使っているグリス分析を行った際に、一部管理基準値を超過したものが見つかり、最終的には回転子風穴の気吹きを行うとした。
・研究開発センターで今の主電動機を密閉式に置き換える研究を行っている。まもなく現車試験で行う。実用化出来れば、気吹き清掃はなくせると考えている。実用の目途は数年以上かかる。”
(33)^ abcd国鉄千葉動力車労働組合 (2019年8月1日). “検査周期延伸に関してJR東と団交 検修業務の将来展望について追及!”. 国鉄千葉動力車労働組合. 2020年9月28日閲覧。 “会社 運行している列車からテストカーを指定し、データをとり、各保全検査で周期を延伸しても問題がないかを検証した上で、部外の有識者の意見を踏まえ今回の延伸とした。
組合 テストカーの期間及び車種、編成数は。
会社09年から15年まで行った。
231系 2600両の両の内、160両
233系 1200両両の内、50両
531系 300両の内、40両両、
721系80両の内、6両
組合 テストカーの走行距離は。
会社 今回の周期延伸に踏まえ、プラス10万kmとし、指定保全で言えば80万km+10万kmまで走行し、検証した。
組合 対象車両が一巡するまでの期間は。
会社5~6年かかると見ている。
会社 235系でやっているモニタリング保全体系という定期検査の検査メニューから除き、全部、状態監視に置き換えているものもある。
組合 235系は、既存の機能保全︵月、年︶の対象から外れているのか。
会社 検査としては実施する。機能保全の最後の総合検査で運転台でハンドルを扱い、ブレーキ圧等を確認する。しかし、山手線では、運転士が扱えばリアルタイムで送信され、エラーが出ればアラートが鳴る。このアラートが鳴らない限り何もしない。90日に1回、基地に戻り、乗務員の扱いで見られない外観検査を検修社員が行っている。
組合 行うのは、消耗品交換程度か。
会社 それは残ってくる。”
(34)^ ab東日本旅客鉄道労働組合 業務部 (2019年5月13日). “業務部速報 No.91” (PDF). 東日本旅客鉄道労働組合 横浜地方本部. p. 1. 2020年9月28日閲覧。 “・対象車両は、特急ではE653系、通勤・近郊形ではE231系以降の新系列車両とする。
※205系-5000代、209系、217系、E501系、E127系、255系、701系は対象外
※新動力車︵ハイブリッド等︶は対象外
・E235系で行なっている、モニタリングC保全も同様に扱う。”
(35)^ 東日本旅客鉄道労働組合 (2019年7月20日). “緑の風699号”. 東日本旅客鉄道労働組合. p. 2. 2020年9月28日閲覧。 “労使の議論を経て7月1日から実施されています。
●研究開発センターで今の主電動機を密閉式に置き換える研究を行っている。まもなく現車試験を行う。実用化出来れば、気吹き清掃は無くせると考えている。実用化の目途は数年後になる。”
(36)^ 東日本旅客鉄道 (2019年5月). “在来線電車の保全体系の見直しについて︵電車の検査周期延伸︶” (PDF). 国鉄労働組合 東日本本部. p. 2. 2020年9月28日閲覧。 “4.検査周期延伸の移行方法
現行検査周期から新しい検査周期に移行するために、適用時期以降に装置保全又は車体保全を施行した車両から次回の検査周期を延伸して周期の変更を明確にします。
ただし、新製後に機器保全︵指定保全・装置保全︶を施行していない新車については、新製から検査周期の延伸を適用します。”
(37)^ 国鉄労働組合東日本本部 (2019年5月15日). “業務連絡報 第1442号” (PDF). 国鉄労働組合東日本本部. p. 5. 2020年9月28日閲覧。 “︻主電動機︵開放型︶の軸受︼
120万㎞を変えて使用する場合は、60万㎞から120万㎞を超えない期間で主電動機回転子風穴の気吹き清掃を行い、240万kmを超えない期間で軸受を交換
︻空気式戸閉装置︼
解体検査周期を車体保全から装置保全へ変更
︻台車枠︼
ブレーキテコ受溶接部、主電動機受溶接部の改修対象台車枠は、当該箇所の溶接部の探傷検査を160万kmを超えない周期で実施”
(38)^ “[https://www.jreast.co.jp/development/tech/pdf_23/Tech-23-28-31.pdf R&Dシンポジウム 社内講演
メンテナンスの革新
~Time BasedからCondition Basedへ~]” (PDF). JR EAST Technical Review No.23 - SPRING.2008. 東日本旅客鉄道. pp. 1,4 (2008年). 2020年9月28日閲覧。 “国内人口の減少により、メンテナンスに従事する人数が減少するため、メンテナンスの必要量を削減させる必要があります。
実現には、情報技術など汎用技術の進歩に期待するところが大きい”
(39)^ abcde東日本旅客鉄道 (2018年3月). “在来線におけるモニタリング保全体系への移行について” (PDF). 国鉄労働組合 東日本本部. p. 1. 2020年9月28日閲覧。 “1.実施時期
平成30年6月1日~
2.対象形式
E235系以降の状態監視に対応した車両
3.実施内容
従来の定期検査で実施してきた機器の状態及び機能の確認の一部を﹁運転中の機能確認﹂に置き換える。
*﹁状態監視データの分析に基づく寿命予測﹂については、現在その方法を検討しているところであり、方法が確立次第移行する。”
(40)^ abcdef東日本旅客鉄道労働組合 業務部 (2018年5月29日). “業務部速報 No.97、No.98” (PDF). 東日本旅客鉄道労働組合. pp. 1-2. 2020年9月28日閲覧。 “組合 ﹁運用中の機能確認﹂について対象となる17機器を明らかにすること。
会社 対象の機器は、モニタ装置、WiMAX装置、パンタグラフ、マスコン、VVVFインバータ装置、SIV装置、ブレーキ制御装置、滑走防止弁装置、コンプレッサー、調圧器、ドア、戸閉保安装置、放送装置、保安装置、空調装置、蓄電池装置、標識灯の17機器となる。E235系は17機器で700項目 6000点。
組合 ﹁状態監視﹂の対象となる車両形式は何か?拡大する予定はあるか?今後、対象の拡大についてはどうか?
会社 現在はE235系のみ。E353、GV-E400、E7はデータを蓄えているが地上に送れない。
組合 今後は装置保全・車体保全に関してもモニタリング体系に移行するのか。
会社 寿命予測が大きく関連しているので、まだ移行していくわけではないが実現したい。
組合 今後新幹線にも導入していくのか。
会社 現行はE7がデータを車上にためている。将来的には機器の寿命予測など取り組んでいく考えである。”
(41)^ abcd国鉄労働組合 東日本本部 (2018年3月30日). “業務連絡報 第1368号” (PDF). 国鉄労働組合 東日本本部. pp. 1-2. 2020年9月28日閲覧。 “(1)機能保全A保全︻90日以内︼‥機能保全︵月︶検査項目から運転中の機能確認に置き換える項目を除いた検査B保全︻360日以内︼‥機能保全︵年︶検査項目から運転中の機能確認に置き換える項目を除いた検査
(2)機器保全C保全︻60万㎞以内︼‥指定保全の検査項目から運転中の機能確認に置き換える項目を除いた検査
装置保全︻120万㎞以内︼‥従来と同様
(3)車体保全 ‥従来と同様
*車体保全、装置保全、C保全、B保全、A保全の順に上位検査とする。”
(42)^ abc﹃在来線電車における全般検査・重要部検査の周期延伸について﹄︵PDF︶︵プレスリリース︶東海旅客鉄道、2024年1月18日。 オリジナルの2024年3月14日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20240314144722/https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000043132.pdf。2024年4月24日閲覧。
(43)^ abcd日本鉄道車両機械技術協会﹃ROLLINGSTOCK&MACHINERY﹄2018年11月号今月のトピック﹁車両メンテナンスのシステムチェンジ﹂pp.50 - 52。
(44)^ データで見るJR西日本2021‥車両(PDF) - JR西日本HP (データで見るJR西日本)
(45)^ abcデータで見るJR西日本2018‥車両(PDF) - JR西日本HP (データで見るJR西日本)