阿里山
概要
編集
阿里山は、景勝地として有名な地名であるが、特定の一つの山を指す名称ではなく、阿里山山脈一帯を指す言葉として古くより使われてきた。
最高峰は大塔山の2,663m。面積は約32700ヘクタールで、その内1400ヘクタールが﹁阿里山国家森林遊楽区﹂に指定されており、日の出・夕霞・雲海・鉄道・神木の﹁五大奇観﹂が有名である。また、3・4月には桜が満開となり﹁桜の名所﹂としても名高い。
戦前の日本統治下、1937年に隣接する玉山とともに、新高阿里山国立公園として日本の国立公園に指定されていた。
阿里山の森林が初めて日本人に発見されたのは1900年のことで、1904年から林学博士である琴山河合︵河合鈰太郎︶により調査が始められた。
植物は、熱帯・暖帯・温帯の植物が見られる。1800m以上になると樹齢1000年を超えるタイワンヒノキ︵中国語: 紅檜︶が多く自生しており、靖国神社の神門や橿原神宮の神門と外拝殿、東大寺大仏殿の垂木など、日本の多くの神社仏閣に阿里山のタイワンヒノキが使われている。さらに明治神宮の一代目大鳥居にも使われていたが、1966年7月22日の落雷で破損し、現在大宮氷川神社の二の鳥居として移築された。
2001年に中華民国︵台湾︶の国家級風景特定区︵=国家風景区︶に指定された。現在も有数の景勝地として多くの観光客が訪れる。
地域の歴史については、阿里山郷の項も参照すること。
原住民族との関わり
編集この一帯には、古くより原住民族の一つであるツォウ族が集落を形成し、暮らしてきた。
日本統治時代には、「阿里山の侠児」(日活、田坂具隆監督、1927年)、「義人呉鳳」(台湾プロダクション、千葉泰樹監督、1932年)など、原住民族をテーマにした映画の舞台にもなった。
また、戦後、テレサ・テンが歌って大ヒットした「阿里山的姑娘(阿里山の娘)」[1]は、阿里山を舞台にしており、原住民族の歌曲を取り入れた歌謡曲として有名である。
主な名所
編集阿里山を構成する山
編集阿里山山脈を構成する山々は、北から南の順番で以下の通り。
- 嶺頭山(2,025m)
- 金甘樹山(2,091m)
- 五叉崙山(2,187m)
- 獅子頭山(2,104m)
- 鹿屈山(2,288m)
- 烏松坑山(2,268m)
- 松山(2,557m)
- 小塔山(2,136m)
- 大塔山(2,663m,最高峰)
- 前塔山(2,484m)
- 對高山(2,405m)
- 祝山(2,484m)
- 小笠原山(2,488m)
- 自忠山(2,606m)
- 東水山(2,611m)
- 北霞山(2,472m)
- 霞山(2,400m)
- 雞子山(2,398m)
- 脉脉山(2,322m)
- 塔乃庫山(2,033m)
- 棚育山(2,065m)
- 棚機山(2,264m)
気候
編集- 気温は、
- 山麓:夏24度、冬16度
- 中腹:夏19度、冬12度
- 山頂付近:夏14度、冬5度
交通
編集- 台鉄嘉義駅からバス(嘉義県公車処台湾好行 阿里山ラインB):片道230元(2時間半)
- 台鉄嘉義駅発 6:10/6:40/7:10/7:40/8:10/8:40/9:10/10:10/11:10/12:10/14:10(2016年5月現在)
- 阿里山発 9:10/11:40/12:40/13:40/14:10/14:40/15:10/15:40/16:10/16:40/17:10(2016年5月現在)
- 高鉄嘉義駅(3番バス停)からバス(嘉義県公車処台湾好行 阿里山ラインA):片道271元(2時間半)
- 高鉄嘉義駅発
- 10:10/11:00/13:10(2016年5月現在)
- 阿里山発
- 10:40/14:40/16:40(2016年5月現在)
脚注
編集- ^ もとは1949年に製作された映画「阿里山風雲」の主題歌として作られた歌で、何度かアレンジされていろいろな歌手に歌われている。題名も改名されて「阿里山之歌」「高山青」とも呼ばれている。
関連項目
編集外部リンク
編集- 阿里山国家風景区(日本語版)
- ウィキトラベルには、阿里山国家風景区に関する旅行ガイドがあります。