ブローダーバンド
(Broderbundから転送)
ブローダーバンド (Brøderbund) は、1980年2月にアメリカ合衆国で設立されたコンピューターゲームおよび教育ソフト、実用ソフトのメーカーである。「Broderbund」との表記もある。
概要
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設立者であるダグ・カールストンはもともとは弁護士であり、ブローダーバンド設立前は趣味としてTRS-80でプログラムを組み、大手のソフトハウスに投稿していた。
1980年、ソフト開発に専念すべく弁護士を廃業し、弟のゲーリー、妹のキャシーと共同でブローダーバンドを設立。社名の﹁Broderbund﹂というのは、英語でいう﹁Brotherhood﹂︵兄弟の縁・愛情︶を意味するスウェーデン語で[要出典]、3人兄妹で創業したことから命名したものである。同社製ゲームソフトのタイトル画面でもよく表示され1998年まで使用された﹁トリプル・クラウン︵3つの王冠︶﹂のコーポレートマークもここに由来する。会社設立後、Apple II用ソフトウェアの開発・販売を開始。当初は社長であるダグ自らプログラムを組み、セールスして回っていた。
基本的に同社のゲームソフトは、優秀な投稿作品を送ってきたユーザーと個人契約を交わし、共同で作品をブラッシュアップして製品化する形態が多く、そういった作品はタイトル画面に制作者の名前が明記されていた。
日本国内においても、1980年代前半にロードランナー、チョップリフター、バンゲリングベイ、スペランカー、カラテカをはじめとする同社の作品が次々に日本国産のパーソナルコンピュータや家庭用ゲーム機へ移植され、知名度を上げていく。1986年︵昭和61年︶には、日本法人の株式会社ブロダーバンドジャパン[1][2][3]を設立するに至った。
1998年に、同じく教育ソフトメーカーのThe Learning Companyに売却されたが、2024年現在も実用ソフトのブランドとしてブローダーバンドの名前は存続し公式ウェブサイトもある。
発売された主なゲーム
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日本国産機への移植・販売についてはブローダーバンドは直接関わらず、日本国内の各ソフトハウス、もしくはブロダーバンドジャパンが行っていた。なお、日本国産のゲーム機へ移植された作品については太字で表記する。
●ギャラクティックサーガシリーズ - ダグ自身がプログラミングした。このシリーズを販売するために会社が設立された。
●ギャラクティック・エンパイア︵1980年︶
●ギャラクティック・トレーダー︵1980年︶
●ギャラクティック・レボリューション︵1980年︶
●タワラズ・ラスト・リダウト︵1981年︶
●エイリアンレイン︵1981年︶ - スタークラフトのトニー鈴木が制作した、ギャラクシアンタイプの固定画面シューティング。
●ジェネティック・ドリフト︵1982年︶
●アップルパニック︵1982年︶ - ロードランナーの原型ともいえる固定画面アクション。
●トラック・アタック︵1982年︶
●A.E.︵1982年︶ - ギャラクシアンタイプの固定画面シューティング。制作者が日本人で、敵機がエイのためA.E.と命名された。
●チョップリフター︵1982年︶
●デイヴィッズ ミッドナイトマジック︵1982年︶ - PC-6001mkIISRやPC-6601SRの標準添付ソフトにも選定された、ピンボールゲームの人気作。盤面デザインはピンボール機﹁Black Knight﹂︵1980年、Williams︶を参考にしている。
●スカイブレイザー︵1983年︶
●ディアブロ︵1983年︶ - PC-8801版は1988年発売[4]。PCエンジン版は﹁ブロディア﹂と改題。
●スペランカー︵1983年︶
●ドロール︵1983年︶
●ガムボール︵1983年︶
●ロードランナー︵1983年︶
●チャンピオンシップロードランナー︵1984年︶
●バンゲリングベイ︵1984年︶
●カラテカ︵1984年︶
●ステルス︵1984年︶
●アート・オブ・ウォー︵1984年︶ - PC-8801版は1986年発売[1][5]。
●キャプテン・グッドナイト︵1985年︶
●カルメン・サンディエゴを追え!世界編︵1985年︶ - ゲーム仕立ての教育ソフトシリーズ。
●エアーハート︵1986年︶
●アート・オブ・ウォー 海戦版︵1987年︶
●ウイングス オブ フューリー︵1987年︶
●シャッフルパック・カフェ︵1988年︶ - ゲームセンターなどで見かける﹁エアーホッケー﹂をパソコン上でゲーム化した作品。試合では、特徴あるさまざまな対戦相手が登場する。台上に障害物が登場したり、ラケットの大きさが変えられたりとパソコンならではの特別ルールも搭載している。[6]
●イース︵1989年︶ - 日本ファルコムが1987年に制作した作品を﹁Ancient Land of Ys﹂のタイトルで移植。
●プレイメーカー フットボール︵1989年︶
●プリンス・オブ・ペルシャ︵1989年︶
●プリンス・オブ・ペルシャ2︵1993年︶
●MYST︵1993年︶
●殺意の証明︵1995年︶
発売された主なホームアプリケーション
編集代表的なホームアプリケーションには以下のものがある。
- プリントショップ
- プリントショップコンパニオン
- バンクストリートライター
- バンクストリートスペラー
- サイエンスツールキット(1985年)- Apple IIを理科の実験に使用するためのキット。専用の周辺機器とセットで販売された。
脚注
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(一)^ ab“ART of WAR”. メディア芸術データベース. 独立行政法人国立美術館国立アートリサーチセンター (2023年1月5日). 2024年2月9日閲覧。 “発行者名:株式会社ブロダーバンドジャパン 出版日:1986-12 ブランド:ブロダーバンドジャパン (Broderbund Japan)”
(二)^ “企画展 アニメ進化論—日本の実験アニメの現在”. O美術館. 品川文化振興事業団 (1988年). 2024年2月9日閲覧。 “アニメーション・パフォーマンス“+&-” [..]協力 NEC日本電気グループ、株式会社ブロダーバンドジャパン、株式会社ハモンドスズキ”
(三)^ “開発実績 - PCゲーム”. 株式会社 ウィル. 株式会社ウィル (2005年). 2024年2月9日閲覧。 “1992 / PC-9801 / ウルフパック / ブロダーバンドジャパン/BNN”
(四)^ “ディアブロ”. メディア芸術データベース. 独立行政法人国立美術館国立アートリサーチセンター (2023年1月5日). 2024年2月9日閲覧。 “発行者名:株式会社ブロダーバンドジャパン 出版日:1988-08 ブランド:ブロダーバンドジャパン (Broderbund Japan)”
(五)^ “ART of WAR VA専用版”. メディア芸術データベース. 独立行政法人国立美術館国立アートリサーチセンター (2023年1月5日). 2024年2月9日閲覧。 ※﹁VA専用版﹂は“PC-8801VA専用”の意味。
(六)^ 佐久間亮介﹁チャレンジ! X68000﹂﹃マイコンBASICマガジン﹄1990年3月号︵第9巻第3号︶、電波新聞社、1990年3月1日、275頁。
外部リンク
編集- Broderbund - 公式ウェブサイト